人文科学研究科Graduate School of Humanities
OTR600B7（その他 / Others 600）国際日本学演習ⅠSeminar: International Japan Studies I
甲斐 雄一
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X1006 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 火5/Tue.5 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 国際日本学インスティテュート(修士課程)-必修科目 |
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Outline (in English)
Compiled in Liang era China, the Wen Xuan is an anthology containing poems that are classified by genre. In China, the Wen Xuan was a must-read for candidates for the imperial examinations, which were examinations for the selection of bureaucrats. The book was read widely in Japan as well and is an important text to explore the historical development of Chinese classical literature.
This course will involve reading poems included in the anthology section of Wen Xuan, vol. 29. The goals are for students to revise the main text and annotations of the book (including old abridged versions preserved in Japan and versions printed in Japan), read the Chinese text in Japanese (kundoku), and create a Japanese translation; to acquire knowledge and skills in philology, especially in textual criticism; and to develop reading comprehension in classical texts written in literary Chinese, including skills in reading Chinese texts in Japanese. A further aim is for students to develop the basic skills in writing academic articles by creating their own annotations to interpret the work and undergo training so that they can present new interpretations by building on previous annotations and translations.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
『文選』は、中国・梁代に編纂された、詩文をジャンル別に分類したアンソロジーである。中国では官吏任用試験である科挙受験の必読書となり、また日本においても広く流行した、中国古典文学の歴史的展開を考える上で重要な地位を占める書物である。
本授業では、『文選』巻29「雑詩上」所収作品を読む。本文及び注釈（旧注）を対象に、テキストの校勘（日本伝存の旧鈔本・和刻本を含む）を行って訓読・日本語訳を作成し、本文批判を中心とした文献学の知識・技術、訓読を含めた中国古典の文言文テキストの読解力を養成することを身につけることを目標とする。さらに、作品読解のために必要な注釈を受講者自ら補うことで、先行する注釈・翻訳を土台に新たな解釈を提示する訓練とし、学術論文を執筆するための基礎力を身につけることを目指す。
到達目標Goal
１．『文選』についての基礎的な知識を習得する。
２．本文批判を中心とした文献学の知識・技術、訓読を含めた中国古典の文言文テキストの読解力を養成することを身につける。
３．古注（李善注・五臣注）を読み解きながら先行の訳注を批判的に検討し、『文選』所収作に新たな解釈・鑑賞を提示する力を身につける。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
最初の数回のみ講義形式、残りは演習形式で行う。『文選』所収作品に対してそれぞれ担当者を決める。発表担当者は作品の校勘・訓読・日本語訳と注釈（旧注及び担当者注）を記載したレジュメを作成し、担当回に発表し、その内容を元にして全員で討論する。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：ガイダンス（１）
『文選』について―内容・編纂の背景・受容、及び担当者の決定
第2回[対面/face to face]：ガイダンス（２）
『文選』諸テキストについて
第3回[対面/face to face]：ガイダンス（３）
『文選』の注釈と日本語の訳注について
第4回[対面/face to face]：『文選』精読（１）
「古詩十九首」其一「行行重行行」
第5回[対面/face to face]：『文選』精読（２）
「古詩十九首」其二「青青河畔草」
第6回[対面/face to face]：『文選』精読（３）
「古詩十九首」其三「青青陵上柏」
第7回[対面/face to face]：『文選』精読（４）
「古詩十九首」其四「今日良宴会」
第8回[対面/face to face]：『文選』精読（５）
「古詩十九首」其五「西北有高楼」
第9回[対面/face to face]：『文選』精読（６）
「古詩十九首」其六「渉江采芙蓉」
第10回[対面/face to face]：『文選』精読（７）
「古詩十九首」其七「明月皎夜光」
第11回[対面/face to face]：『文選』精読（８）
「古詩十九首」其九「庭中有奇樹」
第12回[対面/face to face]：『文選』精読（９）
「古詩十九首」其十「迢迢牽牛星」
第13回[対面/face to face]：『文選』精読（１０）
「古詩十九首」其十二「東城高且長」
第14回[対面/face to face]：『文選』精読（１１）
「古詩十九首」其十九「明月何皎皎」
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
発表担当者はその準備、その他の受講者は発表者の担当部分について予習し、事前に内容を把握した上で、疑問点や検討を要する箇所について整理しておく。授業後には討論で得た情報と意見を自分なりにまとめておく。なお、本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト（教科書）Textbooks
テキスト（教科書）は使用しない。プリントを配布する。
参考書References
・内田泉之助・網祐次・中島千秋『文選』（新釈漢文大系14-15，79-83，93、明治書院、1963-2001年）
・小尾郊一『文選』（全釈漢文大系26-32、集英社、1974-76年）
・川合康三等『文選 詩篇』（岩波文庫赤45-1-6、2018-19年）
・富永一登『文選李善注の研究』（研文出版、1999年2月）
・岡村繁『文選の研究』（岩波書店、1999年4月）
・清水凱夫『新文選学―『文選』の新研究』（研文出版、1999年10月）
成績評価の方法と基準Grading criteria
担当者としての発表内容（７０％）、討論への参加度・貢献度・積極性（３０％）。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし（本年度新規担当のため）。
その他の重要事項Others
授業の進み具合によっては、事前に受講者に説明をした上で、授業内容を一部変更する可能性がある。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞
中国古典文学
＜研究テーマ＞
宋代における、出版文化を背景とした文学作品の流通と受容について
＜主要研究業績＞
『南宋の文人と出版文化—王十朋と陸游をめぐって—』（著書、九州大学出版会、2016年）
「陸游詩の自注について」（論文、『日本宋代文学学会報』6、2019年）