人文科学研究科Graduate School of Humanities
HUG500B5（人文地理学 / Human geography 500）空間構成論研究ⅡSpatial Formation Ⅱ
小田 宏信
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X0431 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 地理学専攻(修士課程)-専門科目 |
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Outline (in English)
This course provides basic concepts to economic and industrial geography. Topic areas include locational and regional policy, spatial structure and national economic development in Japan. By the end of the course, students should be able to do the followings:
- Evaluate the applicability and importance of economic geography in analyzing economic development;
- Explain, synthesize, and apply key concepts in economic geography;
- Explain the role of historical, environmental, cultural, and other factors in determining economic activities.
After each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content.
Grading will be decided based on term-end presentation (40%), and in-class contribution (60%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
空間構成論研究Ⅰの問題意識を引き継ぎ、秋学期はその日本篇としての位置付けです。日本の経済発展と地理空間をテーマに開講します。
1980年代までの日本の経済発展を可能にしたのはいかなる地理的条件か，日本の国土運営にとっての「20世紀システム」とは何であったのか———，一国の経済発展の歩みとその国の経済地理的な状況（すなわち，産業活動や人口の地域的配置，地域的分業体系）とは分かち難く結び付いています。経済発展の結果が地理的状況を生み出す場合もありますし，逆に特定の地理的状況が経済発展の基礎になる場合もあります。両者の関係を理論・実証の両面から解明していくのが経済地理学の課題です。
そして，経済のグローバル化に直面した今日，いかに地域の競争力を育んでいくべきか———，今日，地域経済の活性化策をめぐってさまざま議論がなされていますが，ある地域の活性化を論じる際にも、その地域がマクロな地理空間のなかで置かれた状況，また，その時々の置かれた経済的状況を考慮にいれなければ議論ができません。
本科目では，1930年代以降の日本経済の歩みを縦糸にして，各時代にいかなる地理的状況があったのか，また，いかなる産業立地政策や地域政策が講じられたかを考えていきます。また，各トピックに関連した経済地理学の主要なフレームワークを紹介していきます。
到達目標Goal
・経済発展を分析する際の経済地理学の重要性を理解できる。
・経済地理学の主要概念を説明しそれを応用することができる。
・経済活動の決定要因として,歴史・環境・文化といった要因の役割を説明できる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
配布資料をもとに講述し、意見・感想を求めます。学期の最後の方では、受講者から話題提供を求めます。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]：はじめに：日本の経済発展と地理空間
本科目の方向性と視点を提示します。
2[対面/face to face]：戦前期までの国土形成と国土計画の始動
日本の国土運営にとっての「1940年体制」とはいかなるものであったのか、考えます。ドイツおよびアメリカからの影響を強く受けて、日本の国土計画の基点が形成されました。
【キー概念】ニューディールとTVA
3[対面/face to face]：太平洋ベルト構想と一全総
高度経済成長期の産業立地政策の論理について考えます。「国民経済の均衡ある発展」が唄われながらも、太平洋ベルトが形成されたのはなぜでしょうか。
【分析枠組み】成長の極理論
4[対面/face to face]：列島改造論と新全総・工配法
田中角栄が目指した経済社会とは、フォーディズムの日本的具現にほかならなかったのではないかという問題意識から、当時の立地政策・国土政策について検討します。
【分析枠組み】フォーディズム論
5[対面/face to face]：大都市郊外と日本の高度経済成長
日本におけるフォーディズムの形成を需要サイドから支えたのは、大都市の郊外居住者達です。東京圏を取り上げて、郊外の形成について考えます。
【分析枠組み】田園都市論と近隣住区論、バージェスモデル
6[対面/face to face]：日本の都市群システムと支所配置
内需を中心とした経済発展のなかで、財やサービスをいかに効率よく国土の隅々まで分配し、各地の支店・代理店網をいかに統括するかということは重要な課題でありました。とくに、製造業の販売網の形成に考えます。
【分析枠組み】都市システム論と地域構造論
7[対面/face to face]：日本の経済発展と地域産業集積(1)
日本の経済発展を供給サイドから成功に導いたのは、中小企業がおりなす産業集積地の存在です。まず、大都市圏の産業集積について考えます。
【分析枠組み】産業の局地化と外部経済、連関費用と産業集積
8[対面/face to face]：日本の経済発展と地域産業集積(2)
続いて、地方圏の産業集積に目を向けます。
【分析枠組み】産業地域社会と基盤的産業技術
9[対面/face to face]：工業の地方分散と企業内地域間分業
1980年代までの日本の製造業の地方分散の論理について考えます。
【分析枠組み】プロダクトサイクル論
10[対面/face to face]：バブル経済期の国土政策と東京問題
四全総の取り組みと、その下での東京問題について考えます。
【分析枠組み】世界都市論
11[対面/face to face]：グローバル化と立地調整、地域経済
グローバル経済下における日本企業の立地調整と日本の地域経済の状況について、実証研究例を紹介しつつ、概説します。
【分析枠組み】立地調整の諸モデル
12[対面/face to face]：履修者Ａのプレゼンテーション
授業で扱った Topic に関連した 研究報告を求めます。
13[対面/face to face]：履修者Ｂのプレゼンテーション
授業で扱った Topic に関連した 研究報告を求めます。
14[対面/face to face]：履修者Ｃのプレゼンテーション
授業で扱った Topic に関連した 研究報告を求めます。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備・復習時間は、各４時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
使用しません。
参考書References
別途提示します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
「配分（%）」：平常点（出席状況を含む）60%，課題40%
「評価基準」：平常点，課題とも，意欲的な取り組みと，理解度・論理性を評価基準にします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
プロジェクター使用。
その他の重要事項Others
履修人数等により,本シラバスの内容は大幅に変更になる可能性がありますが,あらかじめご了承下さい。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞産業経済地理学
＜研究テーマ＞日本、欧州、東南アジアなどを対象にした産業集積システムの動態的研究、経済地誌、地域政策論
＜主要研究業績＞
『現代日本の機械工業集積』古今書院
『変動するフィリピン』二宮書店（共著）
『日本経済地理読本（第９版）』東洋経済新報社（共編著）
『経済地理学への招待』（共編著）
『世界地誌シリーズ 東南アジア・オセアニア』朝倉書店（共編著）
『経済地理学キーコンセプト』古今書院（共訳）
『キーワードで読む経済地理学』原書房（分担執筆）
『空間の経済地理』朝倉書店（分担執筆）
『ヨーロッパ統合時代のアルザスとロレーヌ』二宮書店（分担執筆）
『ヨーロッパ』朝倉書店（分担執筆）
『グローバリゼーション』朝倉書店（分担執筆）