人文科学研究科Graduate School of Humanities
GEO500B5(地理学 / Geography 500)第四紀学研究ⅠQuaternary Research Ⅰ
藁谷 哲也
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | X0412 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月4/Mon.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 地理学専攻(修士課程)-専門科目 |
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Outline (in English)
Course outline: This course introduces the Quaternary environment and its changes that are extremely relevant to human evolution and the formation of natural environment. Students recognize that the components of the natural environment are interconnected, and understand that an integrated perspective is important for understanding geological phenomena.
Learning Objectives: By the end of the course, students should be able to gain knowledge of the natural environment, such as climate change, landforms, geology, and glaciers.
Learning activities outside of classroom: Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content.
Grading Criteria /Policy: Final grade will be calculated according to the following process; presentations of the research project (30 %), term-end report (50 %), and in-class contribution (20 %).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
人類の進化と現在の自然環境の成立にとって,極めて関連の深い第四紀の自然環境とその変動について講義する。学生は,第四紀の自然環境のうち,気候変化,地形・地質,雪氷などの知識を修得する。そして,自然環境の構成要素が相互に関連しあっていることを認識し,地学現象の解明には統合的視点が重要であることを理解する。
到達目標Goal
学生は気候変化,氷河の発達,および近年の気候危機に伴う自然災害などに関する知識を獲得し,自らこれらを説明することができる。また,地形図判読の課題を通じて,地形・地質の理解に不可欠の地形図による地形判読のスキルを身につけることができる。そして,自然をシステムという観点からとらえ,統合的な見方・考え方を獲得することができる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業は,大学が定義する対面授業により,講義形式で実施する。すなわち,授業計画のテーマに従って対面による教材解説,既往文献・資料のレビュー,学生による発表・討論,およびそれらのフィードバックなどの授業を基本とするが,オンラインによる授業も併用する。
授業に関わる連絡や予習,復習に関連する参考資料・ウェブサイト等については,学習支援システムを利用するので確認すること。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:地球システム的見方・考え方
地球をシステムとして捉えて自然環境を観察することの重要性を講義する。
2[対面/face to face]:第四紀の定義と環境
第四紀の定義および地形・地質環境に関する基本的な事項を講義する。
3[対面/face to face]:気候変化の仕組み
ミランコビッチサイクルなど,気候変化の原因について講義する。
4[対面/face to face]:第四紀の気候と海水準の変動
氷期サイクルとそれが地形形成に与える効果について講義する。
5[対面/face to face]:第四紀の地形と地質(1)
完新統からなる地形について解説するとともにその地形判読をおこなう。
6[オンライン/online]:第四紀の地形と地質(2)
更新統以降の地質からなる地形について解説するとともにその地形判読をおこなう。
7[対面/face to face]:第四紀の気候と植生・土壌
第四紀の気候,植生,土壌環境に関する基本的な事項を講義する。
8[対面/face to face]:アントロポセン(人新世)における気候システムの変化
産業革命以降の気候システムの変化について講義する。
9[対面/face to face]:大陸氷床・山岳氷河の形成と分布
氷床,氷河などの分布やそれらの形成過程を講義する。
10[オンライン/online]:氷河の作用と氷河地形
氷河の作用と山岳氷河がつくりあげる地形について講義する。
11[対面/face to face]:周氷河プロセスと周氷河地形
周氷河作用と周氷河地形について講義する。
12[対面/face to face]:氷河湖の形成と決壊洪水
近年の気候変化に伴う氷河湖の拡大と氷河湖決壊洪水について講義する。
13[対面/face to face]:巨大崩壊による堰止湖の形成とその影響
カラコラム山脈における巨大崩壊を事例にして,河道閉塞に伴う堰止湖の形成過程を講義する。
14[対面/face to face]:まとめと解説
講義内容を総括し,レポート等により受講生の到達度をチェックする。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、1回につき4時間以上を標準とします。
参考書にあげた専門書や担当教員の論文等を事前に読み,関連知識を深めてください。また,講義後には関連研究やインターネットなどを通じて理解しにくかった基礎的部分を解消するように努めてください。
テキスト(教科書)Textbooks
テキストは使用しないが,担当教員が作成した資料を配布。
参考書References
遠藤邦彦・山川修治・藁谷哲也編著『極圏・雪氷圏と地球環境』二宮書店,2010年
大塚友美編著,藁谷哲也 [ほか] 著『人類の歩み(21世紀の分岐点)』文眞堂,2017年
貝塚爽平『発達史地形学』東京大学出版会,1998年
鈴木隆介『建設技術者のための地形図読図入門-第1~4巻-』古今書院,1997年
岩田修二『氷河地形学』東京大学出版会,2011年
岩田修二『統合自然地理学』東京大学出版会,2018年
松倉公憲『地形学』二宮書店,2021年
その他,講義の際に紹介する.
成績評価の方法と基準Grading criteria
レポートに加え,意見や質問などの授業参画度,理解度を考慮し総合的に評価する:討論参加20%,発表30%,レポート50%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
大学院は,学問のすそ野や視野を広げるところでもあります。自分の専門にこだわらず,様々な知識を獲得して自身の研究に活かすようにしてください。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
予習・復習に関わる参考ウェブサイトの提示や,課題提出等のために学習支援システム等を利用する。
対面授業では,プロジェクターを利用するため,貸与パソコンを教室に準備する。
その他の重要事項Others
質疑応答には学習支援システムの掲示板やメールも利用しますが,すぐに返事ができない場合もありますのでご了承ください。
担当教員の専門領域
地形学,岩石風化
研究テーマ
1.岩石の風化と風化プロセスに関する研究
2.カンボジア・アンコール遺跡を構成する石材の風化特性に関する研究
3.パキスタン・カラコラム山脈に発達する氷河の変動に関する研究
主要研究業績
1.衛星画像及びDEMを用いたカラコラム山脈フンザ川流域の氷河台帳と氷河分布図. (2013) 地図,Vol. 51(3),p.1–16.
2.遠藤邦彦・山川修治・藁谷哲也編著「極圏・雪氷圏と地球環境」朝倉書店.(2010)
3.2010 年1 月にパキスタン北部・アタバードで発生した巨大崩壊と堰止湖の拡大.(2011)地学雑誌,120, 993-1002