人文科学研究科Graduate School of Humanities
ART500B2（芸術学 / Art studies 500）日本文芸特講ⅠＡ（文芸と音楽）Special Lecture in Japanese Literature I A
スティーヴン・ネルソン
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X0132 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 水2/Wed.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 日本文学専攻(修士課程)-専門科目 |
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Outline (in English)
Course Outline: This is a graduate class on the music of The Tale of Genji. This topic includes: 1. the depiction of music in the tale; 2. its relationship to the music history of the time it depicts (10th to early 11th century); and 3. the influence of the tale and its music on later genres of performing arts, including nō and sōkyoku (music for 13-stringed zither koto of the early modern period). In the spring semester, introductory lectures by the instructor are followed by close reading of sections from the chapters Hashihime (‘The Maiden of the Bridge’) to Sawarabi (‘Bracken Shoots’).
Learning Objectives: Through this study of music in The Tale of Genji, students learn to identify research issues, undertake basic research, give effective presentations, and participate actively in critical, objective debate. They also learn to read old written Japanese of various types, and traditional music notation.
Learning Activities Outside of the Classroom: Students are expected to read materials distributed ahead of class by the instructor for the first few lessons, to prepare presentations on passages from the tale, and then to write a final paper on a topic developed in consultation with the instructor during the semester.
Grading Criteria/Policy: presentations 30%; participation in discussion 30%; final paper and music assignment (transnotation) 40%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
本年度のテーマは「『源氏物語』と音楽」とします。これには：1）『源氏物語』の中の音楽、2）『源氏物語』と同時代（10世紀〜11世紀初頭）の音楽史との関係、3）『源氏物語』が後世の音楽・芸能に及ぼした影響（源氏能、箏組歌など）の事柄が含まれます。春学期はまず『源氏物語』宇治十帖の音楽場面を研究対象とし、特に音楽関係の用語に注意を払いながら、その場面場面の内容を「正しく読む」こと、それについて「わかりやすく書く」ことを目的とします。
到達目標Goal
・『源氏物語』の音楽場面を正しく把握し、説明できること
・問題点を発見し、詳しく調査した上で、自らの見解が述べられること
・発表が明快に行えること
・問題点について客観的に討論できること
・万葉仮名や変体仮名、及び平安時代に成立した楽譜が読めるようになること
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
導入はネルソンによる講義・解説が中心ですが、第6回以降は学生による発表・質疑応答が中心になります。なお、少人数参加の演習形式であり、学生個人個人に合せた指導をしますので、下記「授業計画」はあくまでも予定であり、実施に際して変更が当然生じてくるものと考えてください。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：自己紹介・序説
自己紹介（全員）、教員による授業の進め方の説明
紫式部と音楽、音楽場面の調査方法について
第2回[対面/face to face]：平安時代の音楽①
『源氏物語』に現れる楽器とその楽譜
第3回[対面/face to face]：平安時代の音楽②
年中行事や社寺の音楽 舞楽と国風歌舞
第4回[対面/face to face]：平安時代の音楽③
御遊び、呂律、時の調子、音楽論
第5回[対面/face to face]：平安時代の音楽④
様々な声楽 詩歌の朗誦、催馬楽、風俗歌など
教習と伝授、音楽の伝承と「血統」
第6回[対面/face to face]：「橋姫」巻について
「橋姫」巻を読む①
梗概と音楽場面の紹介
発表と討論 第9・10段
第7回[対面/face to face]：「橋姫」巻を読む②
発表と討論 第9・10段 続き
発表と討論 第16段
第8回[対面/face to face]：「椎本」巻について
「椎本」巻を読む
梗概と音楽場面の紹介
発表と討論 第2・4段
第9回[対面/face to face]：「総角」巻について
「総角」巻を読む①
梗概と音楽場面の紹介
発表と討論 第1・5段
第10回[対面/face to face]：「総角」巻を読む②
発表と討論 第22・23段
第11回[対面/face to face]：「総角」巻を読む③
発表と討論 第26段
第12回[対面/face to face]：「早蕨」巻について
「早蕨」巻を読む
梗概と音楽場面の紹介
発表と討論 第8段
第13回[対面/face to face]：個人発表会
春学期の検討内容に関する個人発表
第14回[対面/face to face]：春学期のまとめ
補遺と討論、春学期の授業の総括
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
第1回 5分程度の自己紹介を用意し、授業に期待することことが述べられるように考えておくこと。
第2〜5回 事前配付の資料を読んでくること。
第6回以降 グループ発表の準備とレジュメ作成。
第14回 期末レポート・楽譜課題作成。
本授業の準備・復習時間は合わせて4時間を標準とする。
テキスト（教科書）Textbooks
阿部秋生他 校注・訳『源氏物語』⑤（小学館新編日本古典文学全集、全6冊のうち）。5月までに購入するように。
参考書References
秋山虔他 編『源氏物語図典』（小学館）
小町谷照彦・倉田実 編著『王朝文学文化歴史大事典』（笠間書院）
今井源衛『源氏物語への招待』（小学館）
遠藤徹 構成『雅楽』（平凡社、別冊太陽）
成績評価の方法と基準Grading criteria
プレゼンテーション（詳しく調査した結果を明快に発表できたか）30％、平常点とディスカッション（毎回出席し、意欲的に、積極的に発言したか）30％、レポートと楽譜課題（論証のしっかりしたレポートと誤りのない楽譜課題を提出したか）40％
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし。
担当教員の専門分野等
〈専門領域〉 日本音楽史学
〈研究テーマ〉日本の楽譜、初期の講式（漢文訓読体の声明の一種）と平家語りの音楽構成法、平安時代の年中行事と音楽、声歌/唱 歌〜越殿楽謡物〜箏組歌の系譜、『源氏物語』・『平家物語』の音楽、 日本古典文学の英訳など
〈主要研究業績〉『源氏物語』・『平家物語』と音楽関連のもの
①〈研究ノート〉「『源氏物語』における絃楽器の曲種と調絃について ─古楽譜研究者の立場から─」（『日本文学誌要』92、2015年）
②「『源氏物語』の音楽を読む ─現実と虚構、準拠と創作─」（芳賀徹企画・総監修、伊井春樹監修『源氏物語国際フォーラム集成』、 源氏物語千年紀委員会、2009年）
③「平家語りの成り立ち ―平家語りの音楽生成論へ向けて─」（明治学院大学教養教育センター付属研究所編『カルチュール』3、2006年）