人文科学研究科Graduate School of Humanities
LIN500B2（言語学 / Linguistics 500）日本語学特講ＡSpecial Lecture in Japanese Language A
古牧 久典
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X0126 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 火5/Tue.5 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory | 日本文学専攻(修士課程)-専門科目 |
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Outline (in English)
（Course outline）
This course gives an overview of basic theories with special reference to modern Japanese language, within Cognitive Semantics, as part of the field of Cognitive Linguistics, such as prototypes, construal, viewpoints, focusing, subjectification, and encyclopedic view on meaning. The aim of this class is to help students learn cognitive-semantic analysis to linguistic meaning in Japanese.
（Learning Objectives）
The goals of this course are to understand modern Japanese language from the linguistic perspectives; to understand basic cognitive-semantic concepts; and to apply them to Japanese language.
（Learning activities outside of classroom）
Students will be expected to spend four hours each class on out-of-class preparation by reading the relevant chapter from the textbook and giving brief and/or detailed presentations on it, to understand the course content.
（Grading Criteria /Policy）
Your overall grade in the class will be decided based on the following:
- In-class contribution: 50%
- Short reports: 25%
- Term-end report: 25%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
認知言語学（主に認知意味論）の基本的な考え方を理解し、現代日本語の分析技法を学ぶ。テキストの認知意味論の概説書を通じて、毎回、実例分析・考察を行う。認知意味論を踏まえた現代日本語についての論文の読解や執筆につながる能力を身につける。
到達目標Goal
・日本語学の見地から、現代日本語を観察することができる。
・認知意味論の基本的な考え方を理解することができる。
・認知意味論の基盤に沿って、現代日本語を説明することができる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
本授業は、演習形式を基本とする。テキストを毎回1章のペースで読み進める。全受講者はテキスト指定部を熟読しておく。事前にテキストから担当箇所が指定されるので、担当学生はテキスト内容を発表する。内容に基づき、要点整理、疑問点、理解確認、発展可能性に関するディスカッションを実施する。内容によっては講義形式での解説から学習する。（受講者に応じ、追加で教材資料や論文を配布し、講読する場合もある。）
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[未定/undecided]：ガイダンス／認知意味論の基本的な考え方（テキスト 第１章）
授業概要・形式と進め方・導入／日本語「大きい」についての分析・考察・討論
第2回[対面/face to face]：プロトタイプカテゴリー（テキスト 第２章）
日本語「悔し涙」「うれし泣き」についての分析・考察・討論
第3回[対面/face to face]：同じ物事に対する異なる捉え方（テキスト 第３章）
日本語「まだ三十二だよ」についての分析・考察・討論
第4回[対面/face to face]：焦点化の違いに基づく表現（テキスト 第４章）
日本語「後退」についての分析・考察・討論
第5回[対面/face to face]：視点の違いに基づく表現（テキスト 第５章）
日本語「来る」「行く」についての分析・考察・討論
第6回[対面/face to face]：主体化（テキスト 第６章）
日本語「小さくなる」についての分析・考察・討論
第7回[対面/face to face]：時間の捉え方（テキスト 第７章）
日本語「冬がやってくる」についての分析・考察・討論
第8回[対面/face to face]：百科事典的意味（テキスト 第８章）
日本語「石」についての分析・考察・討論
第9回[対面/face to face]：指示対象に対する他者の関与（テキスト 第９章）
日本語「雪だるま式」についての分析・考察・討論
第10回[対面/face to face]：フレームに基づく類義語の意味の違い（テキスト 第10章）
日本語「空地」「さら地」についての分析・考察・討論
第11回[対面/face to face]：典型例（テキスト 第11章）
日本語「おもちゃみたい」についての分析・考察・討論
第12回[対面/face to face]：顕著例・理想例（テキスト 第12章）
日本語「質問の雨」についての分析・考察・討論
第13回[対面/face to face]：ステレオタイプ （１）（テキスト 第13章）
日本語「サラリーマン教師」についての分析・考察・討論
第14回[対面/face to face]：ステレオタイプ （２）（テキスト 第14章）／授業全体総括
日本語「ロケットスタート」についての分析・考察・討論／授業全体の総まとめ
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・日本語学や言語学の最低限の基礎知識を事前に準備学習として各自習得しておくこと。（授業と並行して学習を進めることも可。）
・受講学生はテキスト指定部（毎回テキスト1章分）を事前に読み、疑問点などを挙げて整理しておく。
・発表担当回の学生はテキストについての発表資料を準備し、項目内容の大枠と詳細、両者を授業内で説明できるようにしておく。
・準備学習・復習・宿題等の時間は、授業の前と後で、それぞれ２時間を標準とする。
テキスト（教科書）Textbooks
籾山洋介 (2020) 『実例で学ぶ認知意味論』 研究社、2,000円(＋税)
参考書References
池上嘉彦 (2006) 『英語の感覚・日本語の感覚』，ＮＨＫブックス．
大堀壽夫 (2002) 『認知言語学』，東京大学出版会．
児玉一宏・谷口一美・深田智 編著 (2020) 『はじめて学ぶ認知言語学』，ミネルヴァ書房．
高橋英光・野村益寛・森雄一 編 (2018) 『認知言語学とは何か－あの先生に聞いてみよう』，くろしお出版．
谷口一美 (2006) 『学びのエクササイズ 認知言語学』，ひつじ書房．
辻幸夫 編 (2013) 『新編 認知言語学キーワード事典』，研究社．
辻幸夫 編集主幹 (2019) 『認知言語学大事典』，朝倉書店．
西村義樹・野矢茂樹 (2013) 『言語学の教室－哲学者と学ぶ認知言語学』，中公新書．
野村益寛 (2014) 『ファンダメンタル認知言語学』，ひつじ書房．
籾山洋介 (2010) 『認知言語学入門』，研究社．
森雄一 (2012) 『学びのエクササイズ レトリック』，ひつじ書房．
山梨正明 (2000) 『認知言語学原理』，くろしお出版．
吉村公宏 (2004) 『はじめての認知言語学』，研究社．
（上記以外は授業時に提示。）
成績評価の方法と基準Grading criteria
テキスト内容紹介とディスカッションへの参加度（紹介方法を含む）（50 ％）
小レポート（レジュメ・リアクションペーパー等）（25 ％）
期末レポート（25 ％）
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません。
その他の重要事項Others
日本語学・英語学・中国語学などの言語学関連の学部教養科目程度の知識を必須とする。
秋学期開講の同科目Bも合わせての履修することを推奨する。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞ 認知言語学、意味論、語用論、コーパス言語学
＜研究テーマ＞ 認知意味論と（認知）語用論の接点
＜主要研究業績＞
「＜重複＞表現とメトニミ」（坂原茂編 『日仏名詞限定表現の対照研究』 平成18～20年度科学研究費補助金・基盤研究（C）研究成果報告書 2009年）
「トートロジー構文から迫る認知語用論」（山梨正明他編 『認知言語学論考No.10』 ひつじ書房 2012年）
『語用論キーターム事典』（共訳 開拓社 2014年）
「語彙語用論と認知意味論」（辻幸夫 編集主幹 『認知言語学大事典』 朝倉書店 2019年）