人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies
ENV200HA(環境保全学 / Environmental conservation 200)環境モデル論ⅡModelling and simulation II
渡邊 誠Makoto WATANABE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | C2431 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金5/Fri.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 人間環境学部生:コアとなるコース【サ】 |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(一般・総合型選抜、編入学試験入学者)Category | |
カテゴリー(社会人RSP入試入学者)Category | |
カテゴリー(2022年度以前)Category (~2022) |
展開科目 コースコア科目/コース連環科目 |
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Outline (in English)
(Course outline) Theme: Introduction to system dynamics and sustainability studies with computer simulation
In this course we execute computer simulation for dynamical systems with interaction. Personal computers with software EXCEL are used in a computer-practice room. The number of students for this class is limited. Object of this course is to examine the conditions which realize the stable state for dynamical systems. By means of the simulation studies, we clarify the mechanism of sustainability for feedback systems. For instance we practically examine the population change of rabbits and wildcats in forest for a model system with the prey-predator relation. The symbiotic relationship is studied for the systems.
(Learning Objectives) At the end of this class, we are expected to have the concept of the symbiotic relation among different elements. Simulation technic for dynamical systems is expected to be obtained by means of EXCEL usage.
(Learning activities outside of classroom) We will be expected to spend four hours to understand the course content for each class opened.
(Grading Criteria /Policy) The grade of the class is decided with in-class contribution 50% and Mid- and End-term reports 50%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
テーマ:環境基礎論として「共生」と「持続」を考える
本科目では持続可能とは何か?という問題を自然科学的な観点からより具体的に考えることをテーマとする。対象となる系が持続するということは、システムの時間経過に対する不変性(安定性)を意味するものである。その問題を考察するためには対象系の状態遷移の様子(時間発展、ダイナミックス)を調べることがひとつのアプローチとなる。本科目では、例えばウサギとヤマネコのような喰う者喰われる者の関係性をもとに個体数変動のシミュレーションを見て考察していく。それにより自然界の持っている「持続」のメカニズムを理解する。またこれに伴い「共生」することの意味についても考えていく。このほか、自然界において観察されている幾つかの現象や具体例を眺めてみることにより定常開放システムが持続していくための条件等を探ることにする。このため比較的容易に理解できるシステムダイナミックス(SD)手法を習得し様々な系の時間発展の様子を理解していく。フィードバック機構とその役割、時間遅れの影響などについて理解を深める。さらには持続可能性というテーマに対してエントロピー増大則などを含めた熱力学的考察をおこなう。
到達目標Goal
自然界で観察されているダイナミックスに関する現象を再現しそれを分析する力を身につけることを目標としている。またエントロピーの概念を習得し、物質循環などの問題に結び付けて考察ができるようになることも目標としている。本科目は環境問題を考察する上での基礎学であり深く環境を学ぼうとする学生にとっては必須の内容であると思われる。次の「授業計画」で述べている内容は少し難しい表現もあるが、それも履修しているうちに大方理解できるようになるであろう。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
第1回の授業はオンラインによる開講とする。第2回以降は対面形式で授業を進めていく予定である。なお、状況により対面形式の予定であってもオンライン方式に切り替えることがある。連絡事項等は学習支援システムに提示する。
授業で必要な資料などについても学習支援システム上に表示する。理系の内容が苦手だと思っている学生にこそ理解してもらえるような授業としたい。EXCELを利用してのダイナミックス・シミュレーションの例を紹介するので、これをもとに考察を進めていく予定である。EXCELをより高度利用したいと考えている方にとっても有意義な内容となるであろう。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:ガイダンス
授業内容の説明と受講者の決定について
第2回[対面/face to face]:EXCELラー二ング(基礎)
表計算機能を中心にその使用法を習得する。
第3回[対面/face to face]:EXCELラーニング(発展)
表計算機能、グラフ機能、データベース機能の使用法を習得する。
第4回[対面/face to face]:成長の限界(基礎)
ローマクラブ「成長の限界」(1972)と世界モデルの紹介。人口、食糧、工業生産、資源消費量などの成長とその限界について。幾何級数成長(指数関数的成長)のメカニズムを銀行預金、利子返済などの簡単な例で体感する。
第5回[対面/face to face]:成長の限界(細菌増殖モデル)
細菌増殖モデルとそのシミュレーションについて。限られたスペースで増殖する細菌の増殖曲線(S字型曲線、ロジスティック曲線)にこめられた成長と限界のメカニズムの分析。細菌数増加と残されたスペース(栄養)の減少との関係について。
第6回[対面/face to face]:成長の限界(捕食―被食のモデル)
捕食者と被食者(例えばウサギとヤマネコ)に関する個体数変動のダイナミックスについて。ロトカ・ヴォルテラによる捕食と被食(2体)の競合関係と正・負フィードバックの効果の分析。自然界が持っている持続性のメカニズムを解析する。
第7回[対面/face to face]:成長の限界(捕食―被食の発展モデル)
捕食者と被食者の関係の拡張としての多体間の個体数変動のダイナミックスについて。3体、4体間の競合と持続性を解析する。
第8回[対面/face to face]:システムダイナミックス(基礎)
様々な問題の構造とその分析、原因と結果の因果関係の分析、シナリオの描画、モデルの検証などについて。SDで使用される記号とフローの描き方。レベル(ストック、状態)とレイト(流量)、フロー(流れ)、情報、コンバータ、ソース、システム境界等の概念と計算手法の習得について。
第9回[対面/face to face]:システムダイナミックス(発展)
具体例をもとにしたSD計算について。正と負のフィードバック(因果関係)ループの理解。その構造がシステムに与える影響(効果)を調べる。それにより「持続する」を考察する。
第10回[対面/face to face]:複雑系の世界(基礎)
複雑系とカオス理論について。決定論と確率論、初期値敏感性(バタフライ効果)と予測(不)可能性、ロジスティック写像とリターンマップなどの理解。決定論カオス(非線形力学)と環境問題との関係性を考察する。
第11回[対面/face to face]:複雑系の世界(発展)
複雑系とフラクタルについて。自己相似性、フラクタル次元などの理解とグラフィックスによる描画。自然界においてフラクタル構造はなぜ出現するか?などを考察する。株価の変動、地震のエネルギーなどもフラクタル分布。
第12回[対面/face to face]:エントロピーの概念
情報理論の紹介。情報量とエントロピーの概念、情報の価値・役割と確率について。エントロピーが最大になるとはどのような事か?エントロピーの直感的理解について。持続するという事との関係。
第13回[対面/face to face]:共生と持続可能の概念
本科目で見てきたダイナミックスの特徴を熱力学的側面から浮き彫りにする。フィードバックと時間遅れ、多体間の競争・競合、非線形力学等のメカニズムとエントロピー論との関連性について。
第14回[対面/face to face]:総括
ローマクラブ「成長の限界」(1972)、「限界を超えて」(1992)、「成長の限界 人類の選択」(2004)をどのように読むか?ナチュラル・ステップ「ナチュラル・チャレンジ」(1998)の言う持続可能な社会のための条件をどのように解釈するか?
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回の講義で紹介される資料等を使用して必ず予習・復習をすること。
毎回、授業内容を復習してください。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
テキストは使用しません。必要に応じて教材を各授業前に学習支援システムに掲載しておきます。
参考書References
開講時に紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
この科目では、最終授業時に学習支援システムを通じてレポート課題を出題しますので、必ず提出してください。それ以前の授業時にもレポート課題を出題することがありますので、これも加味します。授業参加の積極性50%、提出されたレポートの充実度50%での評価とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
授業をゆっくりと進めていきます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
授業時にはパソコンを利用した演習は行わない予定ですが、自宅においてEXCELを利用することのできる環境があれば、予習・復習しやすくなります。
その他の重要事項Others
くれぐれも「自分は理系でないからこの科目を履修しない」という考え方をもたないでください。この科目には環境問題を学ぶ上で必要な内容がたくさんあります。文系の皆さんにこそ履修してほしいと考えています。
本科目は「環境モデル論I」とは独立した科目ですが、内容的に関連していますので合わせてその科目を履修することをお薦めします。また本科目に関する基礎的位置づけとして「サイエンスカフェIV」ならびに「統計とデータ分析」があります。もちろんこれらも独立した科目ですが理解度をより高めるためにはそれらも履修することもお薦めします。
本講義は受講者多数の場合、初回授業にて選抜または抽選を行います。受講を希望する方は、必ず初回授業に出席してください。