人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies
ENV200HA(環境保全学 / Environmental conservation 200)環境モデル論ⅠModelling and simulation I
渡邊 誠Makoto WATANABE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | C2430 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金5/Fri.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 人間環境学部生:コアとなるコース【サ】 |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(一般・総合型選抜、編入学試験入学者)Category | |
カテゴリー(社会人RSP入試入学者)Category | |
カテゴリー(2022年度以前)Category (~2022) |
展開科目 コースコア科目/コース連環科目 |
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Outline (in English)
(Course outline)Theme: Introduction to modelling of the earth system and human action
Aim of this course is to acquire the basic knowledge concerning environmental problems and sustainability of the earth. The scientific approach is schemed with thermodynamics. In order to consider the problems, we need to understand the mechanism of the earth system including energy balance and material circulation on it. Feature of human action is required to be examined with relation to natural law on it.
This course mainly deals with the matter “energy and materials” which is analyzed through the law of thermodynamics appeared in the field of physics. We formulate the nature of the energy conversion and flow of materials on the earth. The earth system is modeled as one of the stationary-open systems. The techniques of the life-cycle assessment and the ecological-foot print are introduced here. In this course, we recognize that the concept is important for the first law of thermodynamics as energy conservation and the second one as quality consumption (i.e. entropy increment). This is valid not only for energy phenomena but also for material ones.
(Learning Objectives) At the end of this class, we are expected to have the concept of the mechanism of the earth system and human actions based on the thermodynamics. We are expected to understand the life-cycle assessment and the ecological footprint.
(Learning activities outside of classroom) We will be expected to spend four hours to understand the course content for each class opened.
(Grading Criteria /Policy) The grade of the class is decided with Mid- and End-term reports 100%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
テーマ:環境基礎論として「地球」と「人為」を考える
モデルとは自然界や人間社会などで起きている現象、そこに働いている法則、様々な対象間の相互関係等を分析しそのエッセンスを人間にとって分かりやすく表現したものである。また人間活動などにおいて考えられる典型例や標準例、理想化された例などのことを指す場合もある。環境問題を考察するには、地球システムと人間活動の特徴を理解しそれらの関連性を分析することが必要である。地球上に生起する環境問題はどのような自然法則に支配されて(制約を受けて)いる結果なのか?本科目では物質とエネルギーという観点から「地球システム」と「人為」の特徴を把握し、それらを「定常開放システム」としてモデル化する。ライフサイクルアセスメントやエコロジカルフットプリントなどの具体的な指標(手法)についても触れることにより人間活動の特徴を調べていく。本科目の内容を通して眺めてみると、物質とエネルギーは量的に保存されるが質的に劣化する(空間的に拡散する)という特徴を意識することが環境問題を考察するための「鍵」となっていることが理解されるであろう。本科目は「物質循環」や「持続可能」という問題を科学的に考察するための基礎という位置づけにもなっている。
到達目標Goal
地球システムとその上で行われている人間活動の特徴を科学的に考察するための背景を知ることが目標である。本科目は環境問題を考察する上での基礎学であり深く環境を学ぼうとする学生にとっては必須の内容であると思われる。次の「授業計画」で述べている内容は少し難しい表現もあるが、それも履修しているうちに大方理解できるようになるであろう。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
第1回の授業はオンラインによる開講とする。第2回以降は対面形式で授業を進めていく予定である。なお、状況により対面形式の予定であってもオンライン方式に切り替えることがある。連絡事項等は学習支援システムで表示する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:ガイダンス
授業内容の説明について。関連する他の科目(サイエンスカフェIV、統計とデータ分析、環境モデル論IIなど)の概要と本科目との関連性についての解説。
第2回[対面/face to face]:玩具「水飲み鳥」はどのようなモデルなのか?
資源として「水」を飲み、排出物として「水蒸気」を大気中に拡散させる水飲み鳥の運動のメカニズムについて。水という物質の「量の保存」と「質の劣化」についてのイメージをつかむ。そこには地球システムならびに人間活動の特徴が凝縮している。孤立系と開放系そして定常とは?
第3回[対面/face to face]:地球というシステムを眺める(宇宙から微生物までを考える)
太陽と地球そしてエネルギーを概観する。太陽定数と地球のエネルギー収支。光合成のメカニズムと炭水化物(糖)。生態系と炭素・窒素などの物質循環。水の大循環と地球の放熱。生物(生産者、消費者、分解者)は物質循環に対してどのような役割を担っているのか?
第4回[対面/face to face]:物質と人為を考える(人間活動による物質とその移動について)
工業製品等の生産とその消費活動のプロセスを例にして、資源の採取から廃棄処分に至る過程を考察する。物質はどのように変化し最後はどこに行くのか?廃棄物を焼却処理すると減容化するが、はたして物質は消えて無くなったのか?
第5回[対面/face to face]:エネルギーと人為を考える(人間活動によるエネルギーの変化とその移動について)
エネルギー資源の採取から変換、利用に至るプロセスを考察する。エネルギーはどのように変換され、最後はどこにいくのか?エネルギーは消費されると消えて無くなるものなのか?
第6回[対面/face to face]:自然の法則と環境(基礎)
熱力学の第一法則、第二法則の文系版・超入門。これらの法則は「地球システム」、「人為」とどのように関係しているのか?エントロピーとは何か?エクセルギーとは何か?環境系のモデルとしての定常開放系について。
第7回[対面/face to face]:自然の法則と環境(発展)
熱力学の第一法則、第二法則の文系版・超入門。エントロピーが増大するとはどのようなことか?ゴミ捨て場はエントロピーのたまり場。エントロピー増大の結果としての環境問題について。
第8回[対面/face to face]:ライフサイクルアセスメント(LCA)に見る人為の熱力学(基礎)
人間活動の特徴をLCAの立場から考察する。ライフサイクルとは何か?インベントリ分析、システム境界などの解説。物質・エネルギーの保存則と拡散則はLCAではどのように表現されているか?
第9回[対面/face to face]:ライフサイクルアセスメント(LCA)に見る人為の熱力学(発展)
製品やサービスに対する環境影響評価の具体例を用いて考察する。資源採掘、加工・変換、運搬、消費(使用)、廃棄、回収、処分などのプロセスと物質・エネルギーの流れについて。
第10回[対面/face to face]:エコロジカルフットプリントで環境負荷の大きさを測る(基礎)
人間活動による環境負荷の大きさをエコロジカルフットプリント指標で測る。資源消費・廃棄物等排出の量と土地面積への変換について。野菜の室内栽培(野菜工場)の環境負荷はどれくらいなのか?露地栽培とはどちらが負荷は少ないのか?
第11回[対面/face to face]:エコロジカルフットプリントで環境負荷の大きさを測る(発展)
人類のエコロジカルフットプリントの増大と地球の扶養力について。地球は今そこで行われている人間活動を支え扶養する力(容量)を持っているのか?
第12回[対面/face to face]:持続可能性への考察(科学技術考)
資源量と廃棄物を受け取る空間の有限性(地球の有限性)から見た成長の限界について。自然界における物質循環と人工的な物質循環の考察。クローズド・ループ・インダストリは存在するのか?ゼロエミッションは可能なのか?そもそも永久機関は存在するのか?エントロピー増大則に伴う人為の「壁」について。
第13回[対面/face to face]:持続可能性への考察(熱力学考)
玩具「水飲み鳥」再登場。広い空間では動き続ける水飲み鳥だが、狭い空間に置くと動きが止まる。狭い空間で動きを持続させる方法はあるのか?エントロピーの増大と廃棄、そして循環と持続の考察へ。環境系のエッセンスを分析しモデル化する。
第14回[対面/face to face]:総括
講義内容をまとめ、参加者による総合討論を行う。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
毎回の講義で紹介される資料等を使用して必ず予習・復習をすること。
毎回、授業内容を復習してください。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
テキストは使用しません。学習支援システムに教材を置く予定です。
参考書References
開講時に紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
この科目の最終授業時に学習支援システムを通じてレポート課題を出題しますので必ず提出してください。なおそれ以前の授業時にもレポート課題を出題することがありますので、これも加味します。成績はこれらの提出状況(充実度)によって判定します。レポートでの評価100%となります。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
授業をゆっくりと進めていきます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特にありません。
その他の重要事項Others
くれぐれも「自分は理系でないからこの科目を履修しない」という考え方をもたないでください。この科目には環境問題を学ぶ上で必要な内容がたくさんあります。文系の皆さんにこそ履修してほしいと考えています。
本科目は「環境モデル論II」とは独立した科目ですが、内容的に関連していますので合わせてその科目を履修することをお薦めします。また本科目に関する基礎的位置づけとして「サイエンスカフェIV」ならびに「統計とデータ分析」があります。もちろんこれらも独立した科目ですが理解度をより高めるためにはそれらも履修することもお薦めします。