人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies
SOC300HA(社会学 / Sociology 300)環境社会論ⅡEnvironmental Sociology II
黒田 暁Satoru KURODA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | C2218 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 水3/Wed.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 人間環境学部生:コアとなるコース【ロ】 |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(一般・総合型選抜、編入学試験入学者)Category | |
カテゴリー(社会人RSP入試入学者)Category | |
カテゴリー(2022年度以前)Category (~2022) |
展開科目 コースコア科目/コース連環科目 |
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Outline (in English)
This lecture will focus on the intersection of two sociological fields: environmental sociology and regional sociology.
We will try to elucidate the environmental problems that are actually occurring and the contemporary issues of local communities from the perspective of "sociology of environment and community. In addition, we aim to learn the clinical and practical knowledge of sociology by exploring how to solve these problems.students are required to read through news and newspaper articles on environmental issues. In addition, it is important to review the lecture contents and lecture materials introduced in each lecture. Students are expected to obtain and review reference materials by themselves. The standard preparation and review time for this class is 2 hours each.Grading for this lecture will consist of (1) an essay-type final report (40%) and (2) a quiz assignment to be taken after attending the lecture (60%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本講義では、環境社会学と地域社会学という2つの社会学の領域が交差するところを、「環境と地域の社会学」の視点で考え、現実に発生している環境問題や、地域社会の抱える現代的な課題について解明しようとする。さらに、それらの問題群の解決のあり方を探ることで、臨床的で実践的な社会学の知見を学びとることを目標としている。
到達目標Goal
現代の環境と地域(社会)をめぐる諸課題に対して、社会学的な「問い」を持ち、それを鍛え、かたちにしていく過程を身に付けることを到達目標とする。環境問題を解決できる専門職業人としての基盤的知識・技能の習得を目指す。持続可能な自然環境及び地域社会に貢献できる能力を育むための知見を獲得することを目標とする。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP3」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
はじめに現在の「環境問題」と「地域(社会)の課題」にどのようなものがあり、また問題の構造解明と課題解決に向けた「環境と地域の社会学」のアプローチとはどうあるべきか、概観する。本講義は、環境と地域をめぐるいくつかの重要キーワードに基づいたオムニバス式の構成で進められる。「災害」:2021年3月11日をもって東日本大震災から10年が経過したが、もはや「災害」を忘却することはかなわず、つねに私たちの生活の脅威になりうる存在となった。講師のフィールドワークの経験と事例紹介から、「災害としての津波被災」、「地域復興とは何か」ということを捉えなおし、つねに災害と社会が重なり合う「災間社会」の今後を見据える。「地域コミュニティ」:都市・地方ともにそれぞれの地域がコミュニティの課題を抱える現代において、その解決や共同に向けて何が必要とされているのか、「コミュニティ論」や「郊外社会(化)」を切り口に事例分析を試みる。「多様な関係性」:環境と地域社会のかかわりのバリエーションについて、「歴史的環境」や「半栽培」といった多彩なキーワードで読み解き、生物多様性と地域文化の多様性をつなごうとする試みに焦点を当てて実践的に考える。「地域社会と環境の危機」:現在進行形で、地域と環境の関係が断片化し、持続性が途絶えようとしている事象「縮小社会」「獣害問題」といった危機を捉え、私たちがどのように対応すべきなのか、議論を深めていく。「合意形成」:たった1つの正解が存在しない環境と地域の課題に対して、どのように分け入っていったらいいのか。「合意形成論」の観点から、社会科学的に問題解決・改善への道筋を探っていく。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:ガイダンス:環境と地域の関係を読み解く
講義のガイダンスとともに、なぜ、今、環境と地域(社会)の関係性を議論する必要があるのかという点について講義する。
第2回[オンライン/online]:環境と災害(1):大震災から10年と「災間」にあるもの
東日本大震災によって生じた「被害」の諸相を概説し、とくに「津波被害」によって生じた「被災」の実態について、ケーススタディから述べる。
第3回[オンライン/online]:環境と災害(2):「地域復興」とは何だろうか
震災の「被災地」ではさまざまなアプローチや制度・しくみによって「復興」が目指されている。「復興」のメカニズムについて取り上げる。
第4回[オンライン/online]:環境と災害(3):災間社会をどう生きるか
「震災から10年」が経過した現在と、つねに災害リスクと向き合う現代社会のこれからを位置づけ、ケーススタディで捉えなおす。
第5回[オンライン/online]:環境と地域のコミュニティ(1):コミュニティの生成と現実
「地域」が強調され、「コミュニティ」が渇望される中で、私たちの生活の共同体は、実態としてどうなっているのか、ひもとく。
第6回[オンライン/online]:環境と地域のコミュニティ(2):郊外化する地域社会の現在
地域コミュニティの現在を捉えるため、地域社会を構成する要素とその複合に着目し、それらが現在どのような動態にあるのかを示す。
第7回[オンライン/online]:環境と地域のコミュニティ(3):都市農業の展開にみる環境と地域
東京都日野市における都市農業の展開と、「農のあるまちづくり」が抱える課題と可能性について、ケーススタディから論じる。
第8回[オンライン/online]:環境と地域の多様な関係性(1):地域社会における歴史的環境のあり方
私たちを取り巻く生活環境としての「歴史的環境」の定義と実像について講義し、その来し方行く末を展望する。
第9回[オンライン/online]:環境と地域の多様な関係性(2):「自然」と「野生」のあいだにある視点
自然環境と地域社会の関係性は一様ではなく、「半栽培」という多様でインタラクティブな社会過程として捉えられることを示す。
第10回[オンライン/online]:環境と地域の多様な関係性(3):世界遺産指定にみる自然と文化のリンケージ
奄美大島のケーススタディをもとに、自然と文化の関係性について、その諸相にわけいって考える。
第11回[オンライン/online]:地域社会と環境の危機(1):縮小を余儀なくされる地域社会
現代において、予見から実態へと、急峻化する一方の人口減少傾向が、地域社会にどのような影響を及ぼすのか、検証していく。
第12回[オンライン/online]:地域社会と環境の危機(2):縮小社会は地域と自然に何をもたらすか
「縮小社会化」が引き起こす地域と自然のあいだの軋轢としての獣害問題に注目して、講義を行う。
第13回[オンライン/online]:環境と地域の課題解決にむけた合意形成(1):問題・課題解決の技法
自然環境と地域社会をめぐる現場において試みられる合意形成の方向性を整理・議論して実践的思考を深めていく。
第14回[オンライン/online]:環境と地域の課題解決にむけた合意形成(2)海は誰のものか?総合的に検討する
環境と地域のあいだのせめぎ合いの実例について取り上げ、どのような解決の方向性がありうるのか、これまで培った経験や認識によって総合的に検討する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
予習としては、現在の社会で実際に起きている事象について、ニュースや新聞で自主的に情報を収集すること。そのために、常日頃から情報に対する知的好奇心のアンテナを拡げておくこと。復習としては、講義のあと、学んだことに対して、自分で咀嚼して理解しておくこと。また、とくに講義で触れた具体事例について、関心をもった事例を自分で調べてみたり、事例に対する自分なりの切り口についても考えてみたりすること。本授業の予習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
特定の教科書等は使用しない。必要に応じて、プリント資料を配布する。
参考書References
西城戸誠・宮内泰介・黒田暁編,『震災と地域再生――石巻市北上町に生きる人びと』法政大学出版局、2016年出版ほか
成績評価の方法と基準Grading criteria
論述式の期末レポート(40%)+平常点(講義中に課すワークシートなど)(60%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
担当講師は2021年度にはじめて本講義をフルオンデマンド形式で担当したため、講義動画や動画中に流す資料映像の音声トラブルの発生など、何回か受講学生に迷惑を掛けてしまったことが反省点である。改善のための取り組みや工夫としては、本講義と春学期の「環境社会論Ⅰ」を1年間フルオンデマンド形式で経験し、受講学生とも応答して意見を聴いたため、上記のトラブルは極力減少させ、小課題の分量についても適量をはかって調整することができたと感じている。また本講義では、ボーナス課題や前回講義の学生リアクションの紹介コーナーを講義中に設置し、展開するなど、オンデマンド講義を少しでもインタラクティブにするための創造的な工夫に受講学生らとともに取り組み、一定以上の手応えを得ることができた。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料配布・課題提出等のために授業支援システムを利用する
その他の重要事項Others
本講義を履修しようとする学生は、あらかじめ「環境社会論Ⅰ」を履修しておくことが望ましい。「環境社会論Ⅰ」で環境社会学の基本的な視点やそこからの知見について学び、「環境社会論Ⅱ」では環境社会学に加えて地域社会学の視点と知見を合わせて事例の現場を臨床的に検討しようとする位置づけである。※「環境社会論Ⅰ」の前もっての履修を必須とするものではありません。「環境社会論Ⅱ」から受講を始めても理解ができるような構成と内容にするつもりです。