人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies
SOC300HA(社会学 / Sociology 300)環境社会論ⅠEnvironmental Sociology I
黒田 暁Satoru KURODA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | C2217 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 水3/Wed.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 人間環境学部生:コアとなるコース【ロ】 |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(一般・総合型選抜、編入学試験入学者)Category | |
カテゴリー(社会人RSP入試入学者)Category | |
カテゴリー(2022年度以前)Category (~2022) |
展開科目 コースコア科目/コース連環科目 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
Environmental sociology seeks to clarify the structure of environmental problems, to find ways to solve them, and to understand the future of the relationship between humans and nature. The purpose of this course is to learn the basic theories of environmental sociology, which are broadly classified as "sociology of environmental issues" and "sociology of environmental coexistence" and to acquire the basics of methods (theories) for understanding the environmental problems that surround our daily lives.As preparation for this lecture, students are required to read through news and newspaper articles on environmental issues. In addition, it is important to review the lecture contents and lecture materials introduced in each lecture. Students are expected to obtain and review reference materials by themselves. The standard preparation and review time for this class is 2 hours each.Grading for this lecture will consist of (1) an essay-type final report (40%) and (2) a quiz assignment to be taken after attending the lecture (60%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
環境社会学は、環境問題の構造を明らかにしてその解決の道筋を探るとともに、人と自然のかかわりのこれからについて解明しようとする。本講義では、とくに「環境問題の社会学」/「環境共生の社会学」と大別される環境社会学の基礎理論を広い視野から学ぶとともに、生活を取り巻く環境の身近な問題を理解するための方法(論)の基礎を身に着けることを目的とする。
到達目標Goal
本講義の受講を通して、社会学的な環境問題への基本的なアプローチ法を学び、説明できるようになること。環境問題を解決できる専門職業人としての基盤的知識・技能を修得できるようになること。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP3」「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本講義では、環境と社会のかかわりの動態を明らかにするとともに、両者の結びつきやその問題のあり方を論じようとする。まず、そのための有用なツールになりうる「環境社会学」の成り立ちとその視点が、どのようなものなのかについて、その諸アプローチを概観する。具体的には、環境社会学が「環境問題の社会学」と「環境共生の社会学」に大別されることを踏まえ、まず環境問題の発生原因とその対処の構造を把握することによって、「加害-被害構造論」「受益圏・受苦圏」「社会的ジレンマ論」といったキーワードについてレクチャーを行う(環境問題の社会学)。続いて、私たちが身の回りの環境をどのように利用・管理してきたか、そのかかわりに注目しながら、「身近な生活をめぐるつながりとその不可視性」「コモンズ論」「自然再生事業」といったキーワードについてレクチャーを行う(環境共生・共存の社会学)。最後にこうした環境社会学の方法論と知見がどのように「環境政策・計画論」に結びつくのか、について取り上げ、「理論と実証の往復」という環境社会学のスタイルに沿って学びを深めていく。
【本講義は、オンライン授業(フルオンデマンド形式)を実施する予定です。詳細は学習支援システムの「お知らせ」などを参照すること】大学の行動方針レベルの変更に応じた授業形態の詳細は学習支援システムでお知らせします。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[オンライン/online]:ガイダンス:環境社会学へのいざない
環境社会学的なアプローチと講義の見取り図とその概要について示す。
第2回[オンライン/online]:環境社会学の成り立ちとそのまなざしとは
環境社会学の2つに大別されるアプローチに関する概要と、学としての環境社会学の成立の背景について講義する。
第3回[オンライン/online]:日本の環境問題の歴史とその構造(1):「環境問題」はいつから?江戸時代から戦後まで
日本社会と環境の関係の変化という観点から、日本の環境問題の出自とその歴史について概説する。
第4回[オンライン/online]:日本の環境問題の歴史とその構造(2):環境問題の現場から生まれた視点:被害構造論の胎動
戦後日本の環境問題の歴史について、水俣病の事例から環境問題の加害者、被害者とその運動、行政の対応について講義する。
第5回[オンライン/online]:環境問題を社会学する(1):加害―被害関係で捉える
日本の環境問題の歴史を踏まえて、加害-被害論と、被害構造論について具体的に講義する。
第6回[オンライン/online]:環境問題を社会学する(2):受益圏―受苦圏概念の定義とその適用
環境問題を加害ー被害の構図、という視点から捉える受益圏と受苦圏という概念とその適用について講義する。
第7回[オンライン/online]:環境問題を社会学する(3):事例から考える受益圏と受苦圏
受益圏と受苦圏概念の適用について、具体的な事例を用いて講義する。
第8回[オンライン/online]:環境破壊と社会的ジレンマ(1):なぜ環境問題が発生するのか
社会的ジレンマという概念を用いて、環境破壊のメカニズムについて講義する。
第9回[オンライン/online]:環境破壊と社会的ジレンマ(2):社会的不可視性の向こう側
私たちの身近な生活環境の事例を通じて、社会的ジレンマの実際にかんして検討する。
第10回[オンライン/online]:環境共生の社会学(1):生活環境問題から身近な生活環境論の成立
環境問題の社会学から環境共生の社会学へ、生活環境主義の視点を取り上げ、講義する。
第11回[オンライン/online]:環境共生の社会学(2):人びとと自然はどう付き合ってきたか
日本の自然環境とはどのように捉えられるのか、自然再生事業の事例から捉えなおす。
第12回[オンライン/online]:環境共生の社会学(3):環境保全はなぜうまくいかないのか
「環境保全」が一般化したように思える一方で、なぜ「環境保全」がなかなかうまくいかないのか、コモンズ論の観点から検証する。
第13回[オンライン/online]:環境計画・政策に向けて(1):環境ガバナンスの形成
「環境」をめぐる多様な立場と認識はどのように議論され、共有されていくべきなのか、政策科学としての側面ももつ環境社会学を論じる。
第14回[オンライン/online]:環境計画・政策に向けて(2):環境社会学のスタイルに何を学ぶか
環境ガバナンスの実態について取り上げたうえで、これまで学んだ環境社会学から引き出せる知見についてまとめる。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
予習としては、環境問題を取りあげるニュースや新聞記事などに目を通しておくこと。復習としては、講義内容および毎回の講義で紹介される講義資料をもとに必ず振り返りをすること。参考文献を各自で入手し、講読すること。本授業の予習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
担当教員が作成した印刷物を授業にて配布(HOPPI「教材」に掲載)
参考書References
鳥越皓之・帯谷博明編著『よくわかる環境社会学』第2版ミネルヴァ書房、2017年出版
成績評価の方法と基準Grading criteria
論述式の期末レポート(40%)+平常点(講義受講後に小テスト課題を受けるなど)(60%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
担当講師は2021年度にはじめて本講義をフルオンデマンド形式で担当したため、まず本務校のオンライン学習システムとは異なるHoppiやOAtubeの活用(とその制限条件等)に慣れるまでに相当苦労した。とくに講義序盤回に講義動画や資料の掲載に時間が掛かる、掲載後のトラブルの発生など受講学生に迷惑を掛けてしまったことが反省点である。また、フルオンデマンド形式における講義時間(資料動画視聴時間との兼ね合い)や、毎回出す小課題の分量についても、経験がなく手探り状態であったため、受講学生の負担が過重になった側面があった。改善のための取り組みや工夫としては、本講義と秋学期「環境社会論Ⅱ」を1年間フルオンデマンド形式で経験し、受講学生とも応答して意見を聴いたため、上記のトラブルは極力減少させ、小課題の分量についても適量をはかって調整することができたと感じている。また本講義の途中から、受講学生からのアイディアを素に、ボーナス課題を講義中に設置・次回の講義時に受講者へのフィードバックをはかるなど、オンデマンド講義を少しでもインタラクティブにするための創造的な工夫に受講学生らとともに取り組み、一定の手応えを得ることができた。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料配布・課題提出等のために授業支援システムを利用。
その他の重要事項Others
秋学期の「環境社会論Ⅱ」を履修しようとする学生は、あらかじめ本講義を履修しておくことが望ましい。「環境社会論Ⅰ」で環境社会学の基本的な視点やそこからの知見について学び、「環境社会論Ⅱ」では環境社会学に加えて地域社会学の視点と知見を合わせて事例の現場を臨床的に検討しようとする位置づけである。※「環境社会論Ⅰ」の前もっての履修を必須とするものではありません。「環境社会論Ⅱ」から受講を始めても理解ができるような構成と内容にするつもりです。