経済学研究科Graduate School of Economics
ECN555C1－4（経済学 / Economics 500）公共経済学DＢPublic Economics DB
篠原 隆介Ryusuke SHINOHARA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 経済学研究科Graduate School of Economics |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | X3333 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 土2/Sat.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
In this lecture, we will study mechanism design theory. Mechanism design theory studies (1) what kind of economic and social conditions can be achieved by constructing decentralized economic systems and (2) what kind of institutions must be designed to achieve specific social goals. The theory has been studied in various fields, such as the classical pure exchange economy, public goods economy, labor-management contract, auction theory, organ transplantation, residency matching. In this lecture, students will learn the basic theory of mechanism design.
As a preparation for this class, students are strongly recommended to review the basics of game theory by using some intermediate-level textbook such as Gibbons. Students are required to prepare and review the content of this class for four hours per week. Evaluation will be based on the classroom examination (100%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
本講義では、メカニズム・デザイン理論(Mechanism Design Theory)を学習する。メカニズム・デザイン理論とは、(1)分権的な経済制度・システムを構築することによって、どのような経済社会状態を実現することができるのか、(2)ある社会的な目標を実現するためには、どのような制度を設計しなければならないのか、を研究する学問である。メカニズム・デザイン理論は、様々な分野において研究されており、例えば、古典的な純粋交換経済や公共財経済だけではなく、労使の契約問題、オークション理論、臓器移植や研修医のマッチングにおいても盛んに研究が行われている。誤解を恐れずに言うのならば、様々な社会環境において、より良い結果を実現するための、制度やルール設計を考察するのがメカニズム・デザイン理論であると言って良い。本講義では、完備情報下におけるメカニズムデザイン理論の基本事項を取り上げる。
到達目標Goal
博士論文作成の礎となるよう、本講義において、メカニズムデザイン理論の基本事項を徹底的に理解すること。ゲーム理論の応用分析でもあるので、ミクロ経済学A等で習得した技術を、博士課程における研究活動に活かせるようになることが目標である。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
担当教員が作成する講義資料を用いて講義を行う。ときに、受講生に意見を求めることもある。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：初回ガイダンス
メカニズム・デザイン理論とは？
第2回[対面/face to face]：完備情報ゲーム理論(1)
戦略形ゲーム、ナッシュ均衡、戦略間の支配関係、支配戦略
第3回[対面/face to face]：完備情報ゲーム理論(2)
展開形ゲームと部分ゲーム完全均衡
第4回[対面/face to face]：完備情報下のメカニズムデザイン(1)
ソロモン王のジレンマと定式化
第5回[対面/face to face]：完備情報下のメカニズムデザイン(2)
ソロモン王のジレンマとナッシュ遂行、無支配ナッシュ遂行
第6回[対面/face to face]：完備情報下のメカニズムデザイン(3)
ソロモン王のジレンマと部分ゲーム完全遂行
第7回[対面/face to face]：完備情報下のメカニズムデザイン(4)
公共財の自発的寄付ゲームとフリーライダー
第8回[対面/face to face]：完備情報下のメカニズムデザイン(5)
公共財のパレート効率供給とサミュエルソン条件
第9回[対面/face to face]：完備情報下のメカニズムデザイン(6)
公共財供給と支配戦略遂行(クラーク・メカニズム)
第10回[対面/face to face]：完備情報下のメカニズムデザイン(7)
公共財供給と支配戦略遂行(グローブズ・メカニズム)
第11回[対面/face to face]：完備情報下のメカニズムデザイン(8)
離散量で供給可能な公共財とメカニズムデザイン
第12回[対面/face to face]：メカニズムと自発的参加(1)
公共財供給メカニズムへの自発的参加問題
第13回[対面/face to face]：メカニズムと自発的参加(2)
自発的参加問題への処方箋
第14回[対面/face to face]：講義総括
本講義の理解度の確認とより進んだ話題の提供
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
「ミクロ経済学A」の学習内容を前提として講義を行う。ゲーム理論の基礎知識は、ギボンズ(2020)などで自主学習すること。本授業の準備・復習時間は、各２時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
担当講師作成の講義ノート(学習支援システムにて配布)
参考書References
・Moore, J. (1992) "Implementation, contracts, and renegotiation in environments with complete information," in Advances in Economic Theory: Sixth World Congress, vol. I, edited by J.J. Laffont, Cambridge University Press.
・坂井豊貴,藤中裕二,若山琢磨(2008)『メカニズムデザイン―資源配分制度の設計とインセンティブ』ミネルヴァ書房
・川越敏司(2021)『基礎から学ぶマーケット・デザイン』有斐閣
・ロバート・ギボンズ(2020)『経済学のためのゲーム理論入門』(福岡正夫,須田伸一訳)岩波書店
・アラン・M. フェルドマン, ロベルト・セラーノ(2009)『厚生経済学と社会選択論; 第2版』(飯島大邦,川島康男,福住多一訳)シーエーピー出版
成績評価の方法と基準Grading criteria
教場試験(100％)により評価する。博士課程における研究活動において必要な発展的な知識で構成された試験問題で、試験を行う。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特に無し。
その他の重要事項Others
公共経済学Aを未受講であっても、公共経済学Bは受講可能です。公共経済学は、AとBで、独立した話題を取り上げるので、継続的な履修は必要ありません。