理工・生命科学部教養科目KLAC Course
BSP100LC(初年次教育、学部導入教育及びリテラシー教育 / Basic study practice 100)化学基礎IBasic Chemistry I
落合 剛Tsuyoshi OCHIAI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工・生命科学部教養科目KLAC Course |
添付ファイル名 Attached documents |
先生は、こんな人です。詳細は講義で! |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | H3329 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月4/Mon.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー<理工・生命科学部教養科目>Category | 理系教養科目(理科系) |
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Outline (in English)
【Course outline】
In this class, you will learn "how chemistry influence our daily lives" based on principles and methods of chemistry. You acquire the scientific thinking and problem solving skills.
【Learning Objectives】
1. Basic knowledge of chemistry, especially units and physical quantities, and how to handle and calculate them.
2. How to find and use scientifically reliable information such as papers.
3. Ability to understand familiar phenomena from a scientific perspective, think about them, and explain them in one's own words.
4. Ability to logically consider and propose solutions to various problems related to science and the environment.
【Learning activities outside of classroom】
The standard study time outside of class time for preparation and review for this class is 4 hours. The content of this class is designed so that even if you were not good at chemistry in high school (or even if you have not taken chemistry at all), you do not need to have a solid understanding of chemistry up to high school. You will be given two or three exercises, all of which require you to think for yourself and explain in your own words. It is not enough to do a little research on the Internet, so please take the time to examine the information, construct your logic, and prepare highly original answers.
【Grading Criteria/Policy】
Your overall grade in the class will be decided based on the following:
Term-end examination: 40%, Short reports: 30%, in class contribution: 30%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
化学(Chemistry)は、物理学、生物学などと並ぶ自然科学(Science)の一分野である。本講義は、理工系学生として最低限必要な化学の知識や方法論をふまえ、「化学が日常生活にどう結びついているか」について、自然科学全体を俯瞰しながら深く学ぶ。また、それを通して、科学的な視点・考え方から問題解決能力までを幅広く身に付けることを目的とする。
到達目標Goal
1.化学の基礎知識、とくに単位や物理量とそれらの扱い方・計算法
2.論文など、科学的に信頼できる情報の見つけ方とその活用法
3.身近な現象を科学的視点でとらえ、考え、自分の言葉で説明する能力
4.科学や環境に関する諸問題について論理的に考察し、解決策を提案する能力
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、以下に関連している。理工学部:「DP2」と「DP4」。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
https://youtu.be/sxiEv0UAHgI
このyoutube動画は、2020~2021年度のオンライン講義で使用したものである。この動画のように、簡単な化学実験、動画、powerpointスライド、関連webサイトの紹介など、さまざまなツールを活用して講義を進める。随時、質疑応答やグループディスカッションなどをおりまぜ、リアルタイム双方向の講義を展開する。毎回の講義終了後に、学習支援システムに動画やスライドなどをアップロードする。2~3回、演習課題を出題し、電子メールで答案を提出してもらう。提出された答案には、それぞれ電子メールでコメントを返信する。優秀な答案は講義内で発表してもらい、学習支援システムにもアップロードして、受講者全員で共有する。また、講義時間外にも、学習支援システムの授業内掲示板や、LINEオープンチャット、電子メールなどで、随時、質疑応答や議論(ときどき雑談)を展開する。春学期の授業は、原則として対面形式で行う。詳細は学習支援システムで伝達する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[未定/undecided]:イントロダクション
「身近な現象を、科学的な視点でとらえ、考えること」の楽しさと重要性について
2[未定/undecided]:テキスト第1章
空気:分子レベルで見た日々の呼吸
分子レベルで見た日々の呼吸、そもそも分子とは?、物質量の概念と計算方法
3[未定/undecided]:テキスト第1章
空気:分子レベルで見た日々の呼吸
大気圏の構造、空気の組成と微量成分、空気の汚染とその原因物質
4[未定/undecided]:テキスト第1章
空気:分子レベルで見た日々の呼吸
身近な空気清浄機の原理と効果について
5[未定/undecided]:テキスト第1章
空気:分子レベルで見た日々の呼吸
空気にまつわる化学反応、汚染物質の分解方法
6[未定/undecided]:テキスト第2章
オゾン層の保護:地上と影響しあう上空の世界
オゾン層の正体と存在場所、酸素/オゾンによる紫外線の遮蔽
7[未定/undecided]:テキスト第2章
オゾン層の保護:地上と影響しあう上空の世界
光という波動
8[未定/undecided]:テキスト第2章
オゾン層の保護:地上と影響しあう上空の世界
原子の構造とそのモデル1、我々は結局、何でできているのか?
9[未定/undecided]:テキスト第2章
オゾン層の保護:地上と影響しあう上空の世界
原子の構造とそのモデル2、研究の意味
10[未定/undecided]:テキスト第2章
オゾン層の保護:地上と影響しあう上空の世界
原子の構造とそのモデル3、オゾン層破壊問題の未来
11[未定/undecided]:テキスト第3章
全地球的気候変動にかかわる化学:切り離せない化学との関わり
地球温暖化とは:地球のエネルギー収支、証拠集め:時間からの証言
12[未定/undecided]:テキスト第3章
全地球的気候変動にかかわる化学:切り離せない化学との関わり
政治の動きと科学の対応・未来の予測1、「地球はこれからどうなるのか?」
13[未定/undecided]:テキスト第3章
全地球的気候変動にかかわる化学:切り離せない化学との関わり
政治の動きと科学の対応・未来の予測2、「不都合な真実」「”戦う”環境化学者たち」
14[未定/undecided]:演習問題、まとめ
具体的な問題の考え方・解き方、科学的に信頼できる情報の収集方法、研究とは何か
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習等の授業時間外学習は、4時間を標準とする】高校までの授業で化学が苦手だったとしても(あるいは化学を全く履修してこなかったとしても)問題ないように内容を工夫しているので、高校までの化学をしっかり理解していなくてもよい。そのかわり、インターネットを駆使して必要な情報を集める、Powerpoint等で答案を作成して電子メールで提出する、といったPCの基本的な使用方法に慣れておくこと。2~3回、演習課題を出題するが、いずれも、自分で考え、自分の言葉で説明しなければならない問題ばかりである。少しインターネットで調べたりする程度では不十分なので、時間をかけて情報を吟味し、論理を構築して、オリジナリティの高い答案を作成してほしい。
テキスト(教科書)Textbooks
『実感する化学(上巻・地球感動編)』アメリカ化学会 著、廣瀬千秋訳著、エヌ・ティー・エス(2015 年発刊)、本体3,500円+税
http://www.nts-book.co.jp/item/detail/summary/kagaku/20151201_158.html
※第1~3章を使用。秋学期の「化学基礎Ⅱ」で、残りの第4~6章を使用。春秋を通じての履修をおすすめする。
参考書References
講義中に適宜紹介する。専門書、一般書、科学論文、webページやyoutube動画など、講義内容に関連する話題を幅広く紹介する予定。
成績評価の方法と基準Grading criteria
●上記の到達目標に記載した4つの項目の習得度を、いくつかの演習課題および期末試験問題から評価する。出題するのは、いずれも、いわゆる「正解」など存在せず、少しインターネットで調べたり、「過去問」を入手したところで、簡単に高評価が得られない問題になっている。高校までの勉強は、ひとつの問題にひとつの正解があって、そのパターンを覚えてしまえば点が取れるが、大学では、与えられた問はきっかけにすぎず、それに答えたうえで、さらにどこまで自分の世界をひろげられるか、「自発的な学び」が重要になる。大学院や社会人になると、問すら与えられず、まず世の中のどこに問題があるか自分で探す。多くの環境問題がそうであるように、そんな問題にまだ「正解」などないので、より多くの人が納得できる答を、できれば複数、提案できる能力が求められる。つまり、みなさんのこれからの人生では、「覚えること」よりも「考え、説明すること」の方が圧倒的に多くなる。そういうわけでこの講義では「自分で考え、自分の言葉で説明できているか」が評価基準になる。
●目標1については、講義や教科書の内容をもとに計算を中心とした問題を出題して評価する。目標2および3については、講義中に実際の科学論文などを参考資料として説明し、それをふまえた考察中心の問題を出題する。目標4については、科学や地球環境をめぐる時事問題に目を向け、様々な視点から新しい提案を構築する能力を問う問題を出題する。試験問題は、これらの項目すべてにわたる総合的な問題を出題する予定である。したがって、これらの演習課題や試験問題の解き方が、成績評価の主な対象となる。なお、演習課題に対し優秀な答案を提出した者については、講義中に発表してもらうことがあり、その発表姿勢も評価対象となる。さらに平常点として、模範解答の発表や講義の解説に対し、秀逸な質問・コメントを発したかどうかなども評価対象とする。配点としては、期末試験(あるいは試験相当課題)が40%、演習課題の合計が30%、その他平常点が30%程度である。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
●2020,2021年度はコロナ禍のためすべてオンライン講義となったが、実験の演示やグループディスカッションを活用し、リアルタイムかつ双方向に講義を展開した。また、入学後すぐにオンライン講義になってしまった1年生も多数受講していたので、授業支援アシスタント(当時2~4年生)に協力してもらい、講義時間の前後に雑談の時間を設定し、学生同士の交流づくりや大学生活についての相談にも対応できるよう配慮した。その結果、講義終了後のアンケートでは「授業中の雰囲気が良く、先生に質問がしやすく学習がとても捗りました」「グループディスカッションは、同じ授業を履修している生徒のいろいろな考えが共有できて、知識が増えるとともに、授業に飽きることなく楽しめたのでとてもよかった」「オンライン授業が中心で人との交流がほとんどない中、先生やTAの先輩方や履修している学生と交流できる貴重な機会になってくれたので、毎回楽しみにしていました」といった声が多数よせられ、手ごたえを感じた。中には「LINEオープンチャットなどの気軽に発言できるスペースがあるともっと討論できるかもしれない」「今年度で履修を終えてしまうのが寂しい授業 No.1」「先生の授業から離れがたい」「”化学基礎”を失った喪失感がものすごい」という声もあったので、さっそくLINEオープンチャットを立ち上げ、講義終了後も交流できる場として残しておくことにした。将来的に、化学基礎を受講した様々な学年の学生が、ゆるくつながって、ちょっとしたことから人生相談まで、自由に交流できる場にしたいと思っている。2022年度もコロナ禍が続くと予想されるが、学ぶべきもの、教えるべきものをしっかり持って、工夫を続けていく。
●「化学が苦手で機械工学科に入った」という学生が多いようなので、化学が苦手な学生にもイメージしやすいよう、化学式や量子論などをなるべく使わず、「化学が日常生活にどう結びついているか」を、わかりやすく伝える工夫をしている。ときどき「化学が得意で、シュレーディンガー方程式などを詳しく学びたくてこの講義を受講したが、期待外れだった」という声もあり、学生の求めるものに幅があるのは悩ましいところである。課題の自由度を高く設定することで、学生それぞれの興味関心を活かし、得意分野を存分に発揮できるようにして対応していく。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
インターネットを駆使して情報を集めたり、電子メールで課題の答案を提出することがあるので、PC等を準備し、使用に慣れておくこと。とくに、学習支援システムは、講義スライドや課題の模範解答をアップロードしたり、講義に関する重要な連絡を発信したりするので、必ず登録し、使用に慣れておくこと。また、2022年度もコロナ禍が続くと予想されるので、オンライン講義にも対応できるよう、Zoomをはじめとした各種ツールの準備をしておくこと(必要に応じて携帯電話会社のデータ通信容量の支援なども活用し、通信環境を整備しておくと良い)。さらに、LINEオープンチャットでは、学生同士の自由な交流を主な目的として、雑談を随時展開している。参加が必須ではないが、興味があれば、LINEオープンチャットも使用できるようにしておくと良い(参加方法は講義内で説明する)。
その他の重要事項Others
●X,Yクラスに対し、それぞれ3,4限で同じ講義を行う。4限が必修科目と重なっている場合、クラス変更申請によって、3限を履修できる。詳細は、学部ホームページの「履修関連情報」を参照。
●春学期と秋学期で教科書を半分ずつ進める。春学期・秋学期合わせての履修を推奨する。
●教員は、神奈川県の公的研究機関に勤める研究者である。その実務経験をふまえ、科学の最先端で何が研究されているのか、そもそも研究とは何か、といった話も交える。いずれ取り組む卒業研究(人によっては、さらにその先の研究者人生)が充実したものになるよう、研究の楽しさや重要性を伝えていく。アンケートでも、「この講義を通じて私は「研究」の楽しさを学ぶことができました。(中略)自分で書籍や論文などを用いて調べていくうちに、自分の知らない理論やそのテーマに関連する研究と触れ合うことができました。そして、その調査や自分で行った実験をもとに資料を作成し友人と議論したことで自身の研究能力を上げることができました」といった声があり、実務経験が活かせていることを実感している。詳細な仕事の内容や研究に対する哲学については、2021年11月に出演した下記YouTube番組を参照(23:30頃に登場)。
https://www.youtube.com/watch?v=U5LCwhSjFSM