理工学研究科Graduate School of Science and Engineering
INE500X1(総合工学 / Integrated engineering 500)宇宙飛行体特論Spacecraft Engineering
平子 敬一Keiichi HIRAKO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工学研究科Graduate School of Science and Engineering |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | YA026 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月2/Mon.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 機械工学専攻 |
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Outline (in English)
【Course outline】Overview of spacecrafts and basic control aligorithm of the satellite attitude. Project management of development of the atellite are explained. Also, some manegement methods about project are explained . Some subjects are issued and sutudents make presentaion of the results and discuccs. Seven exercises are issued and students make report with power point. Second purpuse of this lecture is to make attitude of students for future engineer or researcher.
【Course outline】 This course provides a basic knowledge of spacecraft system and basic method for designing the attitude control loops, also introduce some tools for project management. Students will be motivated by understanding the background of the space development activities.
【Learning Objectives】 At the end of the course, students are expected to obtain basic knowledge about spacecrafts and outline of project management and to activate themselves for future researcher or engineer.
【Learning activities outside of classroom】 Before/after each class meeting, students will be expected to spend 4 hours to understand the course content and to answer to a subjects.
【Grading Criteria /Policy】 The total score of 60 or more out of 100 is considered acceptable.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
(授業概要)人工衛星の構成と基本的な姿勢制御を説明する.また一般的な衛星開発プロジェクトの進め方とプロジェクトマネジメント技法のなかから,文系,理系に共通的に活用できる技法を紹介する.いくつかの課題を提起してその回答を発表して議論する場を設ける.(授業の目的・意義)衛星システムおよび衛星を構成するサブシステムの基本を理解する.衛星の姿勢制御の実践的な手法の基礎を理解する.また,衛星開発プロジェクトにおいて利用頻度の高いいくつかのマネジメント技法を演習を通して理解する.更にいくつかの課題を提起してその回答を学生自身で発表・討論することでディベートに慣れる.この講義全体を通して,物の設計解は一意ではなく前提条件や視点が異なると解が違ってくることを感覚的に理解し,柔軟な発想を持って関係者と議論できるマインドを修得して,将来のリーダとしての心構えの大枠を把握する.
到達目標Goal
(1)宇宙開発に関わる基礎技術を理解し,宇宙開発活動を身近に感じることができる.(2)振動現象の特徴を理解し,制御系の安定・不安定性の概念を理解できる.(3)実際の衛星開発プロジェクトにおいて頻繁に活用するマネジメント技法を習得する.(4)講義全般を通して,何らかのアグレッシブな姿勢になり,さらに,卒業後に社会人としての成長を加速する動機を得ることができる.(5)いくつかの課題を提示してパワポ形式のレポートを提出,発表してグループ討議することで,集団においての自己表現やディベートに慣れることができる.(6)個々の課題に対する回答をパワーポイントで作成して発表する.正解答が一義ではないので,資料での課題定義,前提条件定義,アプローチ,結論,考察などの論理的な展開度合いを評価する.
課題はプレゼンテーション資料の印刷物を提出し,授業で発表する.
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義内容が,衛星,制御,プロジェクトマネジメントの3分野にわたるので,特段授業用に3種類の教科書を準備する必要はありません.各分野で講義する内容をまとめた講義資料の電子ファイル(pdfファイル)を学習支援システムを通じて受講生に配布します.紙媒体が必要な人は各自でプリントアウトしてください.現時点では対面講義を想定していますが,コロナ禍の状況によってオンライン授業でも対応できる資料になっています.講義がオンラインに切り替わってもZoomなどで対応できるよう,各自のメールアドレスを私のアドレス(keiichi.hirako.47@hosei.ac.jp)にメールで知らせてください。制御系設計の課題では解析ツール「MATLAB」を活用する機会を提供し,MATLB入門の基礎的な操作のヒントを資料に含めています.また,課題の結果を少なくとも各自1回発表できるようにします.課題発表の場を利用して,相手の考えに対して自分の意見や感想を述べることでディベートに慣れることを狙っています.また,課題回答発表の場を活用して,プレゼンテーションの要領として,発表資料の文字サイズ,発表姿勢,ポインタの使用要領などを解説します.
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:はじめに、衛星システム
・ オリエンテーリングとして講座の概要と狙いを説明.・宇宙飛行体の分類、システムの概要を説明.
第2回[対面/face to face]:人工衛星の軌道
・人工衛星の軌道運動全般の説明.・課題1を提示(概算要領の解説を目的として、人工衛星の速度を概算.)
第3回[対面/face to face]:衛星を構成するサブシステム(1)
・人工衛星を構成するサブシステムの概要(1).・課題2を提示(概算要領の解説を目的として、人工衛星に作用する外乱トルクを概算.)・課題1の回答を数名が各々発表し,グループ内で質疑応答,コメント,討議する.
第4回[対面/face to face]:衛星を構成するサブシステム(2)
・人工衛星を構成するサブシステムの概要(2).・課題2の回答を数名が各々発表し,グループ内で質疑応答,コメント,討議する.
第5回[対面/face to face]:ボード線図とラプラス変換
・ラプラス変換とボード線図を説明.・物体の運動とボード線図との関係からボード線図の意味を説明.
第6回[対面/face to face]:衛星ダイナミクス
・柔軟な太陽電池パネルを持つ衛星の姿勢ダイナミクスを説明.・課題3を提示(柔軟な太陽電池パネルを持つ衛星ダイナミクスのボード線図を作成.)
第7回[対面/face to face]:PID制御則(方式1)
・実際の人工衛星の姿勢制御に用いるPID制御則設計(方式1)を説明.・課題3の回答を数名が各々発表し,グループ内で質疑応答,コメント,討議する.
第8回[対面/face to face]:PID制御則(方式2)
・実際の人工衛星の姿勢制御に用いるPID制御則設計(方式2)を説明.・課題4を提示(柔軟な太陽電池パネルを持つ衛星の制御ループを設計.)・課題3の回答を数名が各々発表し,グループ内で質疑応答,コメント,討議する.
第9回[未定/undecided]:デジタル制御系
・アナログ系で設計した制御則をデジタル制御用に変換する手法を説明.・課題4の回答を数名が各々発表し,グループ内で質疑応答,コメント,討議する.
第10回[未定/undecided]:衛星開発のプロセス
・ 一連のプロジェクトマネジメント技法講義の導入として、編人工衛星の開発プロセスの概要を説明.
第11回[未定/undecided]:プロジェクトマネジメント(1)
・プロジェクトマネジメントの総括的な説明(1).
第12回[未定/undecided]:プロジェクトマネジメント(2)と作業定義
・プロジェクトマネジメントの総括的な説明(2)と作業定義(
WBS)技法の説明.・課題5を提示(身近な例を対象にして作業定義(WBS)を実施.)
第13回[未定/undecided]:不具合解析とトレードオフ
・不具合解析(FTA)技法とトレードオフ技法の説明.・課題6を提示(身近な例を対象にして不具合解析(FTA)を実施.)・課題7を提示(身近な例を対象にしてトレードオフを実施.)・課題5の回答を数名が各々発表し,グループ内で質疑応答,コメント,討議する.
第14回[未定/undecided]:スケジュール管理
・スケジュール管理技法の説明.
・課題6の回答を数名が各々発表し,グループ内で質疑応答,コメント,討議する.
・課題7の回答を数名が各々発表し,グループ内で質疑応答,コメント,討議する.
・課題回答全般について講評,解説する.
・将来を担う技術屋・研究者として好ましい姿勢などを解説.
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習時間は、各4時間を標準とします。】衛星に関しては書籍,科学雑誌,インターネットなどで宇宙開発に関わる情報を事前に入手すること.設計解析ツール「MATLAB」などを制御系検討に利用できる解析環境を整えておくこと.課題として,基礎的な内容を例題として7項目を提示する.課題1と2は,定量的な把握のための概算の要領を学習する.課題3と4は、解析ツール「MATLAB」などを活用して衛星ダイナミクスと制御ループのボード線図を作成する.課題5,6,7は,講義したマネジメント技法を各自の体験例に適用して実施することで技法を体験する.いずれも,課題の定義,前提条件,考え方,アプローチ,結果,考察などの論理的な説明をパワーポイント数枚にまとめて発表して,電子ファイルを提出する.
テキスト(教科書)Textbooks
一般的衛星技術,制御の基礎知識,プロジェクトマネジメント技法に至るまで,範囲が多岐に渡る.このような背景により,講義毎に対象部分に的を絞って作成した専用資料を配布するため,教科書は必須ではない.ただし,卒業後も制御系設計などに関わることを希望する学生はMATLABと制御系設計に関する一般的教科書が参考になる。また,プロジェクトマネジメントを指向する学生はプロジェクトマネジメント関連のテキストが参考になる.
参考書References
・人工衛星と宇宙探査機(木田隆、小松敬治、川口淳一郎:コロナ社)・衛星設計入門(茂原正道、鳥山芳夫:培風館)・MATLABによる制御工学(足立修一:東京電機大学出版局)・最新MATLABハンドフック(小林一行:秀和システム)・Matlabの総合応用(高谷邦夫:森北出版)
成績評価の方法と基準Grading criteria
評点は,7件の課題レポート(パワポ形式)で70点、平常点30点とする.課題1と2は結果の提示のみではなく,その結果に至るプロセスや考え方が明記されていることが重要.課題3はボード線図が適切であることと,そのボード線図を得るために設定した前提,アプローチと考察などを倫理的に説明することが重要.課題4については制御系設計結果は一義ではないため,制御系設計結果を得るための思考プロセス,パラメータ設定の根拠などを明確に説明していることが重要.課題5,6,7は、技法の狙いを把握し、アプローチや考え方が明示されていることと,検討が客観的であること,相手を納得させる論理展開であることが重要.各々の課題には結果が唯一でない特性があるため,課題回答の全般的に評価ポイントは,・回答資料のみで閉じた説明になっているか,・回答に至る考え方が示されているか,・前提条件や仮説がある場合は明確にしているか,・回答資料の展開が論理的か,・発表資料として相手の興味を引く表現か,である.
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
制御系を専攻していない学生が受講しやすいように,プロジェクトマネジメント関係の内容を充実させ,理工系に関わらず事務系業務にも応用できることが伝わるように解説する.また,衛星についての予備知識が少ない学生が理解しやすいように専門略語の使用を避けて平易な表現を心がける.企業およびJAXAでの実践的な人工衛星の姿勢制御系設計,衛星開発プロジェクト経験や技術者の行動指針など,実戦経験に基づく知見を紹介する.宇宙開発分野の専門用語を多用しないように配慮する.
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
課題については,概算のための関数電卓やパソコンの関数機能を使用する.パワーポイントを用いてプレゼン資料形式で解答を作成して各課題毎に各々数名がプレゼンするので各自でパソコンを準備する.制御系設計の課題では解析ツールとして「MATLAB」等の利用可能な解析ツールを使用する.
その他の重要事項Others
課題発表のプレゼンテーションを通して,受け身の授業ではなく,自己の意見を主張するマインドの醸成を図る.ディベート力の向上を図る.
また、講義は過去に説明した資料を参照する場合があるので,配布した資料は適宜参照できるように,プリオントアウトや電子ファイルを用意すること.