理工学研究科Graduate School of Science and Engineering
MTL500X1(材料工学 / Material engineering 500)耐熱材料特論High Temperature Materials
近藤 義宏Yoshihiro KONDO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工学研究科Graduate School of Science and Engineering |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | YA007 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 機械工学専攻 |
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Outline (in English)
【Course outline】 This course provides a basic knowledge of specific area of the research to be conducted in the research. Students will be motivated by understanding the background of research.
【Learning Objectives】 At the end of the course, students are expected to achieve the objectives of the class and to acquire preliminary understanding and knowledge for research.
【Learning activities outside of classroom】 Before/after each class meeting, students will be expected to spend 4 hours to understand the course content.
【Grading Criteria /Policy】 The total score of 60 or more out of 100 is considered acceptable.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
・材料にとっての高温とは?
・耐熱材料の用途と必要条件。
・高温での回復と転位の上昇運動。
・高温での応力—ひずみ曲線はひずみ速度に依存。
・室温での強化因子、ひずみ強化と結晶粒径の微細化は高温では軟化因子。
・一定応力下での高温変形(クリープ変形)の特徴。
・転位クリープとは。
・クリープ変形下での強化因子。
・耐熱鋼の種類と適用条件。
・Ni基超合金の種類と適用条件。
・単結晶超合金が高強度である秘密。
到達目標Goal
・高温変形は転位の上昇運動により生じることを理解する。
・転位の上昇運動は空孔の拡散に依存するため、変形が温度、時間依存型(クリープ変形)であることを理解する。
・室温での強化因子であるひずみ強化と結晶粒径の微細化は、高温では再結晶や回復を促すことを理解する。
・転位クリープは遷移、定常および加速域からなることを理解する。
・フェライト系およびオーステナイト系耐熱鋼の違いを強化機構に基づいて理解する。
・超合金の強化機構を理解する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
耐熱金属材料を取り上げ、まず高温変形の特徴を室温の変形(引張試験)と比べることで理解し、つぎにひずみ速度がより小さいクリープ変形を転位クリープの機構に基づいて示し、高温クリープでは室温での強化因子とされる、ひずみ効果および結晶粒径の微細化は弱化として働くことを教示する。ついで、高温クリープの強化因子を示した後、耐熱鋼および耐熱合金の種類とそれら強化機構の特徴を教示する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[未定/undecided]:ガイダンスおよび塑性変形を転位の移動で理解しよう。
14回の講義の目的と内容を詳述する。
塑性変形は転位の移動で説明できることを教示する。
2[未定/undecided]:ひずみ強化と結晶粒径の微細化による強化を転位の掃く面積比で理解しよう。
ひずみ強化と結晶粒径の微細化による強化はいずれも転位の掃く面積を小さくすることで変形量を抑え、強化していることを理解させる。
3[未定/undecided]:室温での応力—ひずみ曲線(引張試験)と高温でのものとの違いを理解しよう。
高温での応力—ひずみ曲線は室温とは異なり、1)ひずみ速度に依存すること、2)直線硬化域が生じず、引張強さが判定し難いことを解説する。
4[未定/undecided]:高温の定義と空孔を介しての転位の上昇運動を理解しよう。
高温は拡散係数の値で定義でき、その値が大きくなると空孔の転位への移動が容易となり、「転位の上昇運動」が生ずることを解説する。
5[未定/undecided]:「回復」と「再結晶」の意味を「転位の上昇運動」で理解しよう。
「回復」は転位の上昇運動による転位の消滅であり、「再結晶」はさらに多くの転位の消滅で面状に転位の再配列が生ずることを理解させる。
6[未定/undecided]:クリープ変形とクリープ曲線の特徴を理解しよう。
「クリープ変形」とは高温の一定応力下で生じる時間依存型の変形であることを認識させ、それを示すクリープ曲線の特徴を理解させる。
7[未定/undecided]:「遷移クリープ域」と「定常クリープ域」の特徴と意味を理解しよう。
「遷移クリープ域」は転位組織が発達して、一定の転位組織の「定常クリープ域」に至る領域であり、その特徴を詳述し、意味を理解させる。
8[未定/undecided]:「加速クリープ域」の特徴と意味を理解しよう。
「加速クリープ域」は変形に伴う断面減少、あるいは析出強化の低減と認識されてきたことを説明した後、新たな発現機構を概説する。
9[未定/undecided]:より低応力側での「Cobleクリープ」と「Nabarro-Herringクリープ」との存在とその特徴を理解しよう。
すでに概説した「転位クリープ」の他に粒界拡散支配と体積拡散支配のクリープが存在を示し、それらの空孔による変形機構を概説する。
10[未定/undecided]:高温での強化機構を理解しよう。
高温での強化機構として、従来の固溶強化、析出強化の他に結晶形状制御強化と粒界析出強化があることを説明し、それらの機構を詳述する。
11[未定/undecided]:フェライト系耐熱鋼とオーステナイト系耐熱鋼の違いを理解しよう。
フェライト系耐熱鋼とオーステナイト系耐熱鋼とは異なり強化相と強化相を分散させる熱処理がそれらの結晶構造の違いにより異なることを概説する。
12[未定/undecided]:超合金の種類とそれらの強化相の違いを理解しよう。
超合金にはFe基、Co基およびNi基があることをそれぞれの合金の特徴をあげ説明し、さらに、Ni基合金が優位性を持つ理由を詳述する。
13[未定/undecided]:Ni基超合金の特徴と開発の歴史を理解しよう。
第2次大戦直前に始まったNi基超合金の開発の歴史は強化相であるγ´相の体積率増加の歴史であったことを概説し、鍵となった技術を示す。
14[未定/undecided]:単結晶超合金の優位性とその変形の特徴を理解しよう。
単結晶Ni基超合金が第一段動翼に用いられてきた理由をそのクリープ変形の特徴に基づいて詳述する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
【本授業の準備・復習時間は、各4時間を標準とします。】興味のある学生君は以下の【参考書】欄に示す(1、2、3)の参考書を読むことを薦める。
テキスト(教科書)Textbooks
テキストは講義開始にあたって配布する予定。
参考書References
(1)O. D. Sherby and P. M. Burke:Progress in Materials Sci., 13(1969), pp.323-390
(2) 耐熱合金:新制金属講座新版材料篇、(社)日本金属学会
(3) 鉄鋼材料:講座・現代の金属学-材料編、(社)日本金属学会, p.186-211
(4) 三橋章:初めての金属材料学、ビギナーズブック 31、工業調査会、(2003)、p.130-132
(5) 丸山公一、中島英治:高温強度の材料科学、内田老鶴圃、(1997)
成績評価の方法と基準Grading criteria
・毎回行う予定のクイズあるいはレポートについての評価(取り組みが意欲的になっていることを特に高く評価する)/50%
・平常点/25%
・講義での質問対する回答/25%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
・院生の授業評価は的を得ているので大いに参考にしたい
その他の重要事項Others
授業形態については、現時点で未定ですが、決まり次第Hoppiiでお知らせいたします。