法務研究科Law School
LAW500A2(法学 / law 500)立法学Legislation Study
長谷川 彰一Shoichi HASEGAWA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法務研究科Law School |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | V3161 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 月4/Mon.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~ |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 選択 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
基礎法学・隣接科目群 基礎 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This course introduces the legislative studies to students taking this course. At the end of the course, students are expected to acquire legislative policy making, legislative contents, legislative techniques and legislative process.
Before each class meeting, students will be expected to have read the lecture resume materials. Your required study time to understand the course content is at least four hours before/after each class meeting.
Grading will be decided based on the follwing : in class contribution 20%, materials submitted in the class 50%, term-end reports 30%.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
現代社会では、時代の変遷に応じて国民の福祉を向上させ、複雑な国民の利害を調整するため、様々な法規範の定立(立法)が行われている。そして、そのように定立された法規範は国民によって遵守されなければならないが、一方で、社会経済情勢の変化に応じて必要な改廃は迅速的確に行われなければならない。このような、法規範の定立や改廃の、意義、内容、手続きなどを理解し、さらに進化させようという試みが立法学である。
本講義では、このような立法学およびその周辺事情を概観する。
到達目標Goal
1)学生が、以下のことを理解できるようにする。
① 法とは何か、法令の体系、法令の効力
② 立法政策や立法内容の在り方、立法過程の現状
③ 法律の形式や構造、附則、一部改正、法令用語などの立法技術の要点
④ 地方自治立法や行政立法の仕組み、法令解釈の要点
2)学生が、実際の条例立案に取り組み、立法作業を体得する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP5」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
1)本年は、現時点で対面授業を前提とし、次の様な進め方を想定している。
① 各回のレジュメは、原則として授業日の概ね 1 週間前の月曜日までに、学習支援システムの教材欄に掲示するので、各受講生は、それを予習する。
② 各回の授業では、レジュメの講義、質疑、演習などを行う。講義は、レジュメを予習していることを前提とし、レジュメの内容をかいつまんで概説する。演習は、条例立案の演習とし、各人が行う演習と、グループ演習とを行う。
2)Covid-19の関係でオンライン授業などとなった場合には、授業の変更がありうる。その場合には、その都度、学習支援システムにより提示するので、ご留意いただきたい。
3)一昨年及び昨年に提出を求めていたリアクションペーパーは、本年度は行わない。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回(4/11)[対面/face to face]:1)立法学へのいざない
2)法令の効力
1)「法」とは何かや法令の秩序を考察しながら「立法学」の概要を把握する。あわせて、日本の法令の種類や法体系を概観する。
2)法令は、どのように効力を発揮するのか。法令の効力について、把握する。
第2回(4/18)[対面/face to face]:1)立法事実
2)法律事項
1)法的な制度は、どのような動機で、どのような社会事実を踏まえて、形成されていくか。「立法事実」の理解を通じて立法政策の在り方を考察する。
2)「法律事項」などの立法の要件について考察する。
第3回(4/25)[対面/face to face]:1)法律案の企画立案
2)演習①(50分)
1)法律案はどのようにして作成されていくのであろうか。法律案の企画立案の手続きや過程を内閣立法と議員立法について概観し、法律の立案過程を理解する。
2)演習では、具体的な事例で、条例立案の取り組みを経験する。
まず、各人による立案演習シート(1)の作成、提出
第4回(5/9)[対面/face to face]:1)立法内容
2)演習②(50分)
1)法律の内容として、どのような事柄が規定されるのであろうか。法律の具体的な規定内容を考察する。
2)グループによる立案演習シート(1)の検討
第5回(5/16)[対面/face to face]:1)法律の基本形式・構造(配字を含む。)
2)演習③(50分)
1)そもそも法律はどのような形式で書かれているのであろうか。立法技術の基本として、公布文から署名に至るまでの法律の基本的な構造、配字などを理解する。
2)各人による立案演習シート(2)の作成、提出
第6回(5/23)[対面/face to face]:1)条の基本形式・構造(文体・用字を含む。)
2)演習④(50分)
1)条・項・号の基本的な形式、条文の構造、文体、用字などの立法技術を理解する。
2)グループによる立案演習シート(2)の検討
第7回(5/30)[対面/face to face]:1)附則
2)地方自治立法
3)演習⑤(50分)
1)立法技術の一環として、附則の規定内容を理解する。
2)地方公共団体の条例や規則を概観する。
3)各人による条例案の作成①
第8回(6/6)[対面/face to face]:1)法令の制定過程
2)演習⑥(50分)
1)法律案及び条例案の国会・地方議会提出から、審議、可決・成立、公布、施行までの一連の制定過程を把握する。
2)各人による条例案の作成②、提出
第9回(6/13)[対面/face to face]:1)法律の一部改正・全部改正・廃止
2)演習⑦(50分)
1)立法技術の一環として、一部改正・全部改正・廃止などの形式を把握する。
2)提出された条例案のうちいくつかをとりあげ、形式面の検討(全体討議)
第10回(6/20)[対面/face to face]:1)法令用語①
2)演習⑧(50分)
1)立法技術の一環として、法令用語を概観する。
2)グループによる条例案・説明資料・発表原稿の検討①
第11回(6/27)[対面/face to face]:1)法令用語②
2)演習⑨(50分)
1)法令用語(続き)
2)グループによる条例案・説明資料・発表原稿の検討②、提出
第12回(7/4)[対面/face to face]:1)法令用語③
2)演習⑩(50分)
1)法令用語(続き)
2)各グループにおいて、他グループから提出された条例案などに対する質問の検討、提出
第13回(7/11)[対面/face to face]:演習⑪
※)各グループから条例案を発表する(他グループからの質問に対する回答を含む。)。
その後、全員で吟味する。
第14回(7/18)[対面/face to face]:1)行政立法
2)法令の解釈
3)全体の総括
1)法律以外の国の法令の立法内容や立法過程を概観する。
2)法令の読み方・解釈について理解する。
3)講義を総括し、これからの立法のあり方について考察する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
各受講生は、事前にレジュメを予習する。なお、レジュメは、本文と参考資料からなっているが、基本的には、本文を予習することとする 。参考資料は、必要に応じて参照すればよい。講義は、レジュメを予習していることを前提とし、レジュメの内容をかいつまんで概説することとなる。
条例立案の演習のうち、各人によるシートや条例案の作成及びグループによる条例案・説明資料・発表原稿の作成については、適宜、提出を求めるので、授業時間中に終わらなかった場合には、宿題となる。
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
特にテキストは指定しない。必要に応じてレジュメや資料を準備する。
参考書References
(実務の基本書)
「新訂 ワークブック法制執務」法制執務研究会 編(ぎょうせ
い・2007)
「法令用字用語必携」法令用字用語研究会 編(ぎょうせい・2011)
(教官著書)
「改訂 法令解釈の基礎」長谷川彰一 著(ぎょうせい・2008)
「自治立法」松永邦男/長谷川彰一/江村興治 著(ぎょうせい・
2002)
(その他の基本的な書籍)
「立法学講義<補遺>」大森政輔/鎌田 薫 編(商事法務・2011)
「立法学―理論と実務」大島稔彦 著(第一法規・2013)
成績評価の方法と基準Grading criteria
1)成績評価の方法
〇 授業期間中における評価(授業における質疑応答・発言など、立案演
習で提出された資料及びその発表)
〇 期末における評価(課題に対するレポート)
2) 成績評価の基準
① 授業における質疑応答・発言など 20%
② 立案演習で提出された資料及びその発表 50%
(各人が作成した立案演習シート(1)・(2)・条例案などを個別評価
し、グループで作成された条例案・説明資料・発表原稿などをグル
ープ評価する。)
③ 課題に対するレポート 30%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
これまでの講義を踏まえ、知識の量よりも知識に対する理解度や知識を用いた実践的な力を重視する。なお、今年度は、リアクションペーパーは不要とするとともに、講義のスケジュールを一部変更する。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
講義のレジュメ等は、学習支援システムへの掲示にてデータで配布する。また、授業内でインターネットを使用する場合がある。このため、貸与PCその他のインターネットに接続できるデバイスを準備すること。