法務研究科Law School
LAW500A2(法学 / law 500)憲法ⅠConstitutional Law Ⅰ
赤坂 正浩Masahiro AKASAKA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法務研究科Law School |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | V1111 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 必修 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
法律基本科目群(基礎科目) 公法系 |
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Outline (in English)
【Course outline】
This course aims to learn students the basic information about the Declaration of Rights of the Constitution of Japan.
【Learning Objectives】
At the end of the course, students are expected to have the basic knowledge about the constitutional rights.
【Learning activities outside of classroom】
Before/after each class meeting, students will be expected to spend 4 hours to understand the course content.
【Grading Criteria/Policies】
Final grade will be decided based on the following process: Mid-term examination(30%),Term-end examination(70%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
憲法学のいわゆる人権論につき、以下の点について学ぶ。
①日本国憲法の編成と制定法の種類・相互関係、日本国憲法が前提とする立憲民主主義思想と人権理念の内容、憲法上の権利の分類、違憲審査制と権利の保護など、憲法上の個々の権利内容を学ぶための基本前提を確認する。
②憲法上の個々の権利規定の規範内容や、それに関連して現実に生じている問題、特に裁判を通じて争われるに至った主要な事例について基本的知識を得たうえで、「判例」や「学説」によって提示された解決の手法を理解し、知識の定着を図る。
③憲法上の権利の侵害を理由として提起された訴訟における事案分析の手法や論点の抽出、判決等において示された法的構成および事案への適用を、受講者自身がトレースすることで、憲法裁判における法的推論の技法の基礎を学ぶ。
到達目標Goal
次の3点を到達目標とする。
①人権の理念と立憲主義思想の展開を基礎として、日本国憲法第三章に定められた「憲法上の権利」の原理ないし基本構造と体系を全体的に把握し、説明できるようになること。
②個々の憲法上の権利規定の規範内容を上記人権の基本原理との関連において説明できるようになること。そのうえで、それら諸規定に関連して現実に生じている主要な問題を摘示し、その問題解決のために提示されている判例・学説を説明できるようになること。
③特に重要な判例を素材として、憲法上の権利の侵害が争われている裁判における法的推論の技法ないし作法の基礎を実践できるようになること。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」と「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義形式に質疑応答を交え、双方向の授業で学生の理解を確認しながら、各回のテーマにつき、検討を進めていく。中間テストと期末テストについては、採点基準と解説を文書にし、答案と共に学生に送付し、フィードバックを図る。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:日本国憲法の編成、制定法の種類と相互関係、立憲民主主義の思想、基本的人権の理念、憲法上の権利の種類、違憲審査
第1回では、第2回以降におこなう個別の権利の検討の前提となる思想と制度を概観する。
第2回[対面/face to face]:精神的自由
<1>:内心の自由(1)
思想・良心の自由につき、テキストにそって、謝罪広告事件判決等を手がかりに検討をおこなったのち、「君が代」の起立斉唱を拒否した教職員に対する処分が争われた事例の最高裁判決につき、解説をおこなう。
第3回[対面/face to face]:精神的自由
<2>:内心の自由(2)
信教の自由のうち、政教分離原則を除く狭義の信教の自由につき、テキストにそって、とりわけ剣道受講拒否事件最高裁判決を手がかりに検討をおこなう。
第4回[対面/face to face]:精神的自由
<3>:内心の自由(3)
津地鎮祭訴訟、愛媛玉串料訴訟、および空知太神社訴訟を素材に、政教分離原則の意味と判断手法等について検討をおこなう。
第5回[対面/face to face]:精神的自由
<4>:表現の自由(1)
表現の自由の意義や規範内容、および表現の自由の規制立法に対する司法審査のあり方について検討をおこなう。
第6回[対面/face to face]:精神的自由
<5>:表現の自由(2)
税関検査訴訟、北方ジャーナル事件を素材に、事前抑制・検閲禁止の意義と表現行為について差止めが許される要件等について検討をおこなう。
第7回[対面/face to face]:経済的自由
<1>
薬局距離制限判決の考察を中心に、職業選択の自由と、その規制の合憲性判断に際して語られる規制目的二分論について検討をおこなう。
第8回[対面/face to face]:経済的自由
<2>
森林法違憲判決の考察を中心に、財産権保障の意義、財産権の制約、および損失補償につき検討をおこなう。
第9回[対面/face to face]:人身の自由
憲法31条の法定手続保障の意義を中心に検討をおこなう。あわせて、33条以下の刑事手続的諸権利に関する論点を確認する。
第10回[対面/face to face]:社会権<1>
堀木訴訟、および老齢加算廃止訴訟の考察を中心に、憲法25条に定められた生存権の法的性格や、社会立法の合憲性判断基準、判断過程審査の手法について考察する。
第11回[対面/face to face]:社会権<2>
教育を受ける権利につき、旭川学力テスト訴訟判決の考察を中心に検討する。さらに、公務員の労働基本権の制限を中心に労働基本権の保障につき検討をおこなう。
第12回[対面/face to face]:幸福追求権
包括的人権規定といわれる憲法13条の幸福追求権の具体的内容を、判例に即して検討する。
第13回[対面/face to face]:法の下の平等
尊属殺重罰規定違憲判決と非嫡出子相続分格差訴訟の考察を軸に、憲法14条1項に定められた法の下の平等の意義と、各種の法分野における平等審査の手法につき検討をおこなう。
第14回[対面/face to face]:人権の享有主体と私人間効力
外国人の人権の問題を中心として、人権享有主体に関する学説・判例を学び、三菱樹脂事件判決の考察を通じて、私人間効力論の検討をおこなう。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
第1回:テキスト(芦部信喜・高橋和之補訂『憲法(第七版)』(岩波書店・2019年)・以下同じ)第一章四・五、第五章一・二・三、第一八章二をあらかじめ読んでおくこと。
第2回:テキスト第八章一を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
第3回:テキスト第八章二1・2を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
第4回:テキスト第八章二3を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
第5回:テキスト第九章一~三(ただし三の2は除く)を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
第6回:テキスト第九章三2を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
第7回:テキスト第一〇章一・二を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
第8回:テキスト第一〇章三を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
第9回:テキスト第一一章を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
第10回:テキスト第一三章一を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
第11回:テキスト第一三章二・三(および第八章三)を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
第12回:テキスト第七章一を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
第13回:テキスト第七章二1~6を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
第14回:テキスト第五章四・第六章三を読み、Assignment sheetの指示に従い準備をしておくこと。
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
芦部信喜・高橋和之補訂『憲法(第七版)』(岩波書店・2019年)
参考書References
赤坂正浩『憲法講義(人権)』(信山社・2011年)
長谷部恭男ほか編『憲法判例百選Ⅰ[第7版]』・『同Ⅱ[第7版]』(有斐閣・2019年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業期間中における評価(平常点)
中間テスト30%
期末における評価
定期試験70%
感染症罹患等やむをえないと認められる事情によるもの以外の欠席については、上記基準に従い合計100点となるところ、欠席1回につき、マイナス1点とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
共通到達度確認試験にも留意した説明を心がけたい。