文学部Faculty of Letters
PHL300BB(哲学 / Philosophy 300)文化史2/文化史2(資格)History of Culture 2
伊藤 直樹Naoki ITOU
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A2263,A3852 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火1/Tue.1 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 文学部以外の学生は資格科目として履修する(A3852) |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 哲学科 |
他学科公開科目 | ○ |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
This course deals with the autobiography. By taking this course, students acquire an understanding of Essence of Autobiography. Students will submit comments on the class content after attending the lecture. These comments will be used to review the previous class. Final grade will be calculated according to the following process term-end report (70%), and in-class contribution (30%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
まず自伝の本質とは何かということについて解説する。そのうえで、アウグスティヌス『告白』、ルソー『告白』、ゲーテ『詩と真実』、フランクリン『フランクリン自伝』、福沢諭吉『福翁自伝』を、その時代状況のなかで読み解いてゆく。その上で、受講者全員が、任意の自伝を選びそれについて発表する。最後に、レポートで、上記の自伝を読み、その内容から得たものを報告する。さらに、自分で短い自分史を書く。
昨年度、受講生が自ら取り上げた自伝には、次のようなものがあった。ウラジーミル・ナボコフ『記憶よ、語れ 自伝再訪』、ミシェル・オバマ『マイ・ストーリー』、石ノ森章太郎『ボクはダ・ヴィンチになりたかった』、ポールアレン『ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト』、大迫傑『走って、悩んで、見つけたこと。』、安藤光雅『絵のある自伝』、吉井和哉『失われた愛を求めて』、比嘉冨子『白旗の少女』、草間彌生『無限の網(インフィニティネッツ)』、梅棹忠夫『行為と妄想 わたしの履歴書』、宇梶静江『大地よ! アイヌの母神、宇梶静江自伝』、フランクリン『フランクリン自伝』、ダニエル・キイス『アルジャーノン、チャーリィ、そして私』、福沢諭吉『福翁自伝』、チャップリン『チャップリン自伝:若き日々』、岩田聡『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』、マツコ・デラックス『デラックスじゃない』、ダライ・ラマ『ダライ・ラマ自伝』、やなせたかし『⼈⽣なんて夢だけど』、三浦雄一郎『エベレストを滑った男』。
いろいろありました。
この授業を受講することによって、自伝の本質を理解することができます。
到達目標Goal
この授業では、「自伝」とはなにか、また著名な自伝はどのようなものであるかを、それぞれの作品が置かれている歴史的、地理的状況を踏まえつつ解説してゆく。受講生の大半は、「自伝」という言葉を知ってはいるが、実際に「自伝」にふれたことがない。しかし、受講生は、この講義を通して、「自伝」についての確実な知識を得て、かつ複数の「自伝」に目を通したことがあることになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
パワーポイントを用いて、自伝一般について、また重要な自伝について講義をする。毎回、リアクション・ペーパーを配布し、それに応答しつつ理解を深める。そのうえで、受講生に、任意の一つの作品をとりあげて紹介してもらう。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:オリエンテーション ─「学生に対する評価」を中心とした、シラバスの内容説明;自伝とはなにか(1)
自伝の定義:ルジュンヌなどを⼿がかりに、自伝とはなにかということを明らかにします。
第2回[対面/face to face]:自伝とはなにか(2)
自伝において、自己を語るということについて解説します。
第3回[対面/face to face]:自伝とはなにか(3)
さまざまな自伝を歴史的に概観します。
第4回[対面/face to face]:アウグスティヌス『告白』(1)
アウグスティヌスという⼈物と彼が置かれていた時代について紹介します。
第5回[対面/face to face]:アウグスティヌス『告白』(2)
アウグスティヌスの『告白』の構造を解明します。
第6回[対面/face to face]:ルソー『告白』(1)
ルソーという⼈物と彼が置かれていた時代について紹介します。
第7回[対面/face to face]:ルソー『告白』(2)
ルソーの『告白』の構造を解明します。
第8回[対面/face to face]:ゲーテ『詩と真実』(1)
ゲーテという⼈物と彼が置かれていた時代について紹介します。
第9回[対面/face to face]:ゲーテ『詩と真実』(2)
ゲーテの『詩と真実』の構造を解明します。
第10回[対面/face to face]:『フランクリン自伝』
ベンジャミン・フランクリンという⼈物とその時代、そしてその自伝について紹介します。
第11回[対面/face to face]:『福翁自伝』
福沢諭吉という⼈物とその時代、そしてその自伝について紹介します。
第12回[対面/face to face]:自伝紹介1
受講⽣に、自分で選んだ自伝を紹介してもらいます。
第13回[対面/face to face]:自伝紹介2
前回同様、自分で選んだ自伝を紹介してもらいます。
第14回[対面/face to face]:まとめ
全体を振り返り、クラス全体で自伝についての意見交換をします。そしてレポート提出をしてもらいます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
11月末に、自伝紹介レポートを提出してもらうので、それまでの講義を受けながら、自分なりに自伝とはなにかを問い、紹介すべき自伝を探す。そのうえで、紹介文を書く。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書となるような特定のテキストは用いません。
参考書References
取り上げる自伝は、次のものです。アウグスティヌス『告白』岩波⽂庫ほか、ルソー『告白』岩波文庫ほか、ゲーテ『詩と真実』岩波文庫 ほか、ベンジャミン・フランクリン『フランクリン自伝』岩波文庫、福澤諭吉『福翁自伝』岩波文庫
成績評価の方法と基準Grading criteria
自伝紹介レポートの提出および発表。(自分自身で、任意の自伝を選び、それを読んで授業内で発表する。)
課題レポート。(授業内で取り扱った自伝作品についてのレポート。)
授業への積極的な貢献度(コメントカードの記述など)30% レポート70%
自伝紹介レポートでは、講義された内容を踏まえつつ、受講生自らが自伝を選定し、読んで報告する。これが課題レポート提出の必要条件となる。次いで、課題レポートでは、講義内容、自分での自伝紹介を踏まえて、さらに、講義内容で扱われたテキストに自らあたることによって、自伝の理解を確認してもらう。
※定期試験は実施しない
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
昨年度受講生の感想です。(シラバスで公表することを前提に感想を書いてもらいました。)
「自伝はこれまで興味の薄いものでしたが、今期でどういうものか知り、以前より読んでみたいと思うようになりました。もしかしたら、自伝というものは、人間として成熟に向けてどうありたいか考える時期に興味を持ち始めるジャンルなのかもしれません。それが20歳あたりだと思います。」
「この授業を受講していなかったら、私は自伝というジャンルの本を読んでいたか分かりませんし、自分の人生を改めて振り返ってみることもなかったように思います。自分史の感想でどなたか仰っていたように、自分の人生は分かり切っているし、何なら話す価値もないと思ってしまうのですが、他人の人生はどれも興味深く、非常に鮮やかに感じました。なかなか同年代の方の人生を聞く機会は無いので、貴重な経験を得ることができて良かったです。ありがとうございました。」
次の方は、春学期の文化史1も受講された方です。
「1年間ありがとうございました。最初の授業だけ出たものの1限という時間帯に負けて履修しなかった友人としょっちゅう「面白いよ」「もったいなかったなー」という会話をするくらい楽しく受講させていただきました。全体として、理論から入るのではなくて事象から入るため親しみやすく理解しやすいなと思いました。「これってなんだろう」と思うところで必ず先生が解説してくださるのも非常に有難かったです。哲学科の授業に抵抗がある人にもおすすめできるなと感じました。」