文学部Faculty of Letters
PHL300BB(哲学 / Philosophy 300)文化史1/文化史1(資格)History of Culture 1
伊藤 直樹Naoki ITOU
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A2262,A3851 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火1/Tue.1 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 3~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 文学部以外の学生は資格科目として履修する(A3851) |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | 哲学科 |
他学科公開科目 | ○ |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
This course deals with Greek tragedy, Aristotle’s Poetics, Nietzsche’s The Birth of Tragedy, etc. By taking this course, students acquire an understanding of Greek tragedy and the nature of drama. Students will submit comments on the class content after attending the lecture. These comments will be used to review the previous class. Final grade will be calculated according to the following process term-end report (70%), and in-class contribution (30%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本講義は、縦軸に古代ギリシア文化をとり、横軸に演劇をとって講義をすすめ、アリストテレスの詩学、ギリシア悲劇、ニーチェ『悲劇の誕生』などを扱います。
かつて自然は、人間の文化を制約していました。しかし、人間はその制約を一つずつ取り払って行き、現代は、その制約をなきものにしようとする勢いです。その結果のひとつがAIでしょう。では、科学によって取り払われてきた、その「制約」とはどんなものでしょうか。古代ギリシアの場合、それは「神の秩序」です。人間はその秩序に支配され、受け入れ、しかし反抗し、そして人間自身の秩序を生み出そうとします。ギリシア悲劇が描こうとするのは、そうしたつばぜり合いであり、それが「ドラマ」のひとつの原型となるのです。
本講義では、このつばぜり合いとしてのドラマであるギリシア悲劇を中心に据えて講義を進めます。
本講義を受講することによって、受講生は、ギリシア悲劇の理解とドラマの本質についての理解を得ることができます。
到達目標Goal
講義を終えた後、受講⽣が、上記の諸問題について⾃分なりに考えてゆくことができるようになることが、到達⽬標である。具体的には、学期末のレポートにおいて、それを⾏なってもらう。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
前提として、ギリシア神話についての知識が必要なので、学習支援システムで、マンガ形式の『ギリシア神話』を資料として示します。目を通しておいてください。
はじめは、アリストテレスの『詩学』から入ります。『詩学』──と聞くと、なんだか難しそうな作品ですが、光文社古典新訳文庫の帯が、その特徴を的確に述べています。「2000年間、クリエーターたちの必読書である。「ストーリー創作」の原点。」そのとおり、どうすればよいドラマ(悲劇)が出来上がるのか、を論じている作品です。次に、ギリシア悲劇の全体像にふれます。三大悲劇作家、アイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデスです。とくに、ソフォクレス『オイディプス王』をていねいに解説します。〈オイディプス〉は、フロイトのエディプス・コンプレックスの元になった話ですね。ここでは神と人間が抜き差しならないしかたで対峙しています。そのうえで、この舞台の映像を観ます。さらに、ニーチェによるギリシア悲劇の解釈である『悲劇の誕生』を扱います。この著作のキーワードは「ディオニュソスとアポロン」ですね。アリストテレスや『オイディプス王』を知った目からすると、この解釈がよりよくわかるでしょう。そして最後に、ドイツの哲学者H-G・ガダマーの『真理と方法』での芸術論を扱います。ガダマーの芸術論が念頭に置いているのは演劇です。ギリシア悲劇も射程に入っています。
毎回、リアクションペーパーを書いてもらいます。授業の初めに、前回の授業で提出されたリアクションペーパーからいくつか取り上げ、全体に対してフィードバックを行ようにします。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:はじめに
下記の【その他の重要事項】の部分を参照してください。
第2回[対面/face to face]:ギリシア神話について
ギリシア神話の魅力について
第3回[対面/face to face]:アリストテレスの『詩学』(1)
アリストテレス思想の全体像
第4回[対面/face to face]:アリストテレスの『詩学』(2)
アリストテレスの『詩学』について;ミメーシス、歴史との違いなど
第5回[対面/face to face]:アリストテレスの『詩学』(3)
アリストテレスの『詩学』続き;カタルシスなど
第6回[対面/face to face]:ギリシア悲劇について(1)
ソフォクレス『オイディプス王』について
第7回[対面/face to face]:ギリシア悲劇について(2)
『オイディプス王』を観る
第8回[対面/face to face]:ニーチェ『悲劇の誕生』について(1)
ニーチェ思想の全体像
第9回[対面/face to face]:ニーチェ『悲劇の誕生』について(2)
ディオニュソスとアポロン
第10回[対面/face to face]:ニーチェ『悲劇の誕生』について(3)
ソクラテス主義と悲劇の死
第11回[対面/face to face]:ガダマーの芸術論(1)
ガダマー思想の全体像
第12回[対面/face to face]:ガダマーの芸術論(2)
芸術と遊び
第13回[対面/face to face]:ガダマーの芸術論(3)
形態化への変貌、ミメーシスの本質
第14回[対面/face to face]:まとめ
授業全体を回顧してまとめる
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
前回の授業内容を自分なりに復習しておくこと。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
内容が多岐にわたるため、特定のテキストは用いない。授業ごとに、資料を配布する。
参考書References
参考文献等は、そのつどの講義で紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
学期末のレポート70%、授業への積極的な貢献度(コメントカードの記述など)30%、となります。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
マンガや映像などを取り入れ、かつディスカッションなども行った点が、受講生の理解に資することになったようである。
今年度も、そうした方法を取り入れたい。