キャリアデザイン学部Faculty of Lifelong Learning and Career Studies
ECN200MA(経済学 / Economics 200)産業論Industrial Studies
青木 成樹Shigeki AOKI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | キャリアデザイン学部Faculty of Lifelong Learning and Career Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | C7278 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金2/Fri.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(新)Category (2019) |
展開科目 選択必修(領域別) ビジネス |
カテゴリー(旧)Category (2017) |
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Outline (in English)
<Course outline>
I think there are two main meanings for you to graduate from university and work. One is to supply one's own labor force, get wages and salaries as compensation, and use it as a means of living. The other is that one's labor creates new value in society through activities such as companies. Working is meaningful to individuals, businesses, and society.
In this class, you will learn about Japanese industry, which is the foundation where your labor creates new value, from various perspectives such as (1) the overall picture and changes in the industrial structure, (2) the characteristics and changes of major industries, and (3) the characteristics of major companies.
<Learning Objectives>
Through this class, we aim to improve understanding of the following five points.
①Understand the factors that have a great impact on Japan's industrial structure
②Quantitative understanding of changes in Japan's industrial structure
③Understand "major industries" from macro and micro perspectives, such as trends in the entire industry and trends in major companies.
④Understand the interdependence between manufacturing (manufacturing) and services in Japanese industry.
⑤Understand the meaning and significance of innovation
<Learning activities outside of classroom>
In order to study this lecture effectively, I think it will be quick to understand if you are interested in the mechanism of the economy.In addition, the standard preparation and review time for this class is 2 hours each.
<Grading Criteria/Policy>
Normal point 40%,Year-end report 60%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
皆さんが大学を卒業し、働くことには大きく2つの意味があると思います。一つは、自分の労働力を供給し、その対価としての賃金・給与を得て、生活の手段とすることです。もう一つは、自分の労働が企業などの活動を通して社会に新たな価値を創出することです。働くことは、個人にとって、企業にとって、そして社会にとって意味のあることです。
本授業では、皆さんの労働が新たな価値を生む出す土俵である日本の産業について、①産業構造の全体像と変化、②主要産業の特徴・変化や③主要企業の特徴等、多様な観点から学びます。
到達目標Goal
本授業を通して、以下の5点について理解を高めることを目標とする。
①我が国の産業構造に大きな影響を与える要因が理解できる
②我が国の産業構造の変化について定量的に理解できる
③「主要産業」について産業全体の動向と主要企業の動向というマクロとミクロの視点からの理解ができる
④我が国産業におけるモノづくり(製造業)とサービスの相互依存性に関する理解ができる
⑤イノベーションの意味と意義の理解ができる
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
産業論は、マクロ経済(一国の経済動向)とミクロ経済(企業や消費者の経済行動)の中間に位置する学問領域である。授業については、毎回のテーマに沿って、パワーポイント資料で説明する。全14回の講義内容は大きく4つに分けて行う。最初の3回(第1回~第3回)では、戦後の我が国産業構造の変遷や今後の産業構造に影響を与えるソーシャルトレンドについて学ぶ。次の3回(第4回~第6回)では、世界的な分析ルーツである「産業連関表」を用いて日本及び地域の産業構造を定量的に把握・分析する。次の6回(第7回~第12回)では、我が国の主要な産業分野について、当該分野の動向や主要企業の動向について学ぶ。最後の2回(第13回~第14回)は、イノベーションについて学ぶ。
なお、学生からの質問に対しては、授業各回の最後に時間を設けQ&Aに充てる(対面型の場合)、もしくはメールでの出席確認の際、質問も取り入れ、メールで返答する形(オンラインの場合)とし、学生との対話に努める。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:ガイダンス、我が国の産業構造の特徴
我が国の産業の見方について学ぶ。また、戦後の我が国の産業の変化について概観する。
2[対面/face to face]:少子高齢化
我が国の産業に影響を与える諸要因のうち、人口構造(少子高齢化)を取り上げ、その意味や我が国産業構造への具体的な影響について学ぶ。
3[対面/face to face]:グローバル化
我が国の産業に影響を与えるもう一つの大きな要素であるグローバル化を取り上げ、その意味や我が国産業構造への具体的な影響について学ぶ。
4[対面/face to face]:産業連関分析の概要
産業についての国際的な分析ツールである産業連関表(Input-Output Tables)について学ぶ。
5[対面/face to face]:産業連関表から地域の特徴ある産業の抽出
令和元年に公表された「平成27年産業連関表」の概要を学ぶととともに、都道府県表を活用し、地域の比較優位産業の抽出方法について学ぶ。
6[対面/face to face]:経済波及効果の分析
産業連関表の応用として最も代表的な「経済波及効果」について、理論と実践、及び具体例を学ぶ。
7[対面/face to face]:主要産業の動向(農業)
グローバル化の進展の中で、再び脚光を浴びている農業について、戦後の推移と最近の動向(農業の6次産業化、等)について学ぶ。
8[対面/face to face]:主要産業の動向(自動車産業)
戦後のリーディング産業である自動車製造業について、国際事業展開の動向、環境問題への取組、EV化の動きや競争力向上に向けた取り組み等を学ぶ。
9[対面/face to face]:主要産業の動向(電気機械産業)
自動車産業とともに戦後の我が国産業社会をけん引してきた電器産業について、20世紀末からの低迷と最近の復活の動向について学ぶ。
10[対面/face to face]:主要産業の動向(商業)
生活に密着した産業として商業、とりわけコンビニ業界の成長・発展と最近の動向について学ぶ。
11[対面/face to face]:主要産業の動向(情報関連産業)
我が国の20世紀から21世紀にかけての成長産業である情報関連(IT)産業の動向、とりわけ、成長産業として発展した要因について学ぶ。
12[対面/face to face]:主要産業の動向(健康関連産業)
今後期待される成長産業として健康関連産業の動向について学ぶ。健康関連産業は、医薬品、介護、医療サービス等多様であるが、今年度は医療機器産業を中心に学ぶ。
13[対面/face to face]:イノベーション
研究開発の成果やノウハウを製品化・商品化し、社会的課題の解決や生活の利便性を向上するという意味でのイノベーションの考え方や類型、具体的な事例について学ぶ。
14[対面/face to face]:中小企業、ベンチャー企業
イノベーションの推進の主体として、大手企業に加え特徴ある中小企業群やベンチャー企業について学ぶ。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本講義を効果的に学ぶためには、経済の仕組みについて関心をもって頂くと理解が早いと思います。また、本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
毎回レジュメ(PPT)を配布致します。
参考書References
以下、順不同(五十音順)
①入山章栄『世界標準の経営理論』 ダイヤモンド社(2019年)
②岩井克人『経済学の宇宙』日本経済新聞社(2015年)
③大竹文雄『行動経済学の使い方』岩波新書(2019年)
⑥楠木健『ストーリーとしての競争戦略』東洋経済新報社(2010年)
⑤経済産業省中小企業庁編『中小企業白書』各年版
⑥経済産業省・厚生労働省・文部科学省編『ものづくり白書』各年版
⑦小林光・岩田一政『カーボンニュートラルの経済学』日本経済新聞社(2021年)
⑧小峰隆夫『人口負荷社会』日本経済新聞社(2010年)
⑨H.チェスブロウ『オープンイノベーション』産業能率大学出版部(2004年)
⑩冨山和彦『なぜローカル経済から日本は甦るのか』PHP新書(2014年)
⑪中沢孝夫・藤本隆宏・新宅二郎『ものづくりの反撃』ちくま新書(2016年)
⑫西山圭太『DXの思考法』文芸春秋(2021年)
⑬日本経済新聞社編『日経業界地図』(毎年8月発刊)
⑭原文人『「公益」資本主義』文春新書(2017年)
⑮日立東大ラボ『Society5.0』日本経済新聞社(2018年)
⑯丸幸弘、尾原和啓『ディープテック』日経BP社(2019年)
⑰宮川努『生産性とは何かー日本経済の活力を問いなおす』ちくま新書(2018年)
⑱三宅秀道『新しい市場のつくりかた』東洋経済新報社(2012年)
⑲吉川洋、『いまこそ、ケインズとシュンペーターに学べ』ダイヤモンド社(2009年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点 40%、期末レポート 60%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
今年で本講義は11年目である。最も受講者が多かった年の授業改善アンケート調査をみると、「知識が身についた」(86.2%)、「新しい発見があった」(41.4%)、「進路選択に役立った」(10.3%)の回答は全学部平均(各々72.9%、26.6%、4.2%)を上回った。一方、「授業難度が適切であった」「学生間の交流があった」については全学部平均を下回っている。このことから、本年度については上記『到達目標』に掲げた5つの目標を意識しながら、より明確な説明を心がけ、また毎回授業の終わりに質疑応答の時間をとり、意見交換の場を設けたいと考えている。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし
その他の重要事項Others
私は1985年に長銀経営研究所に入社して以降、民間のシンクタンクで約35年に渡り国や地方行政の産業政策の調査に係ってきた。その体験をベースに皆さんと一緒に学んでいきたいと思います。現時点でアドバイスすることがあるとすれば以下です。
①「論点」を把握することの重要性。本講義では、社会における現象をやさしく説明するとともに、現象の背景にある問題の構造を多角的な視点で捉える事が出来るような講義にしていきたいと考えている。
②産業社会の現象を見る際、常に「需要」と「供給」の観点から見る癖を身に付けていただきたい。
③本講義でも難しい用語や概念が多く出てくると思います。その際、是非、「自分の」言葉で友人に話しかけて(議論して)下さい。やさしいことをやさしく説明するのは簡単です。難しいことを難しい言葉で説明することも、それほど難しくありません。しかし、難しいことをやさしい言葉で説明することは、非常に難しく、かつ重要なことだと思います。
④与えられた問題を解くことは、もちろん重要であるが、みなさんが社会人になってより求められるのは、問題を自分なりに設定・設計する能力、いわゆる企画設計力=デザイン力だと思います。