文学部Faculty of Letters
HIS200BE（史学 / History 200）西洋史特講ⅦSpecial Lecture on Western History VII
遠藤 泰生Yasuo ENDO
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | A3174 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 月2/Mon.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | 2～4 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Program | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| カテゴリーCategory | 史学科 |
| 他学科公開科目 | ○ |
| クラスGroup | |
| 昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
This class surveys the history of the United States in the 18th and 19th centuries. This year, the gender norms and their influence on life and experience of American females will be examined with special care. Students are expected to cultivate balanced sensibilities to different gender norms of different countries in this class.
In this class, students will learn a layered meaning of gender difference having been molded in American society since the colonial period. Also in preparing book reports, students are expected to learn academic writing.
Two book reports are required. One is on Scarlet Letter and the other on Sister Carrie, Both of them are the classics of American Literature. Students are expected to learn how to read novels as historical documents. Besides these two reports, students must submit a few historical maps during the semester. Good reaction papers are welcomed.
Book reports are evaluated in following points: originality of themes, format, logics, and coherence.
Map studies (20%), Book reports (70%), Reaction papers (10%)
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
植民地時代から現代までのアメリカ合衆国の歴史と文化を概観し、現代アメリカ社会を形づくる規範の生成と変成を考えます。宗教や人種の問題も出てくるでしょう。しかし2022年度は、ジェンダー規範にあらためて注目し、その存在が近代におけるアメリカ女性の生き方にどのような影響を与えてきたか学びます。政治文書にとどまらず、文学表象、絵画、映画などを歴史史料としてとりあげ、ヴィジュアルな歴史理解の獲得に努めます。
到達目標Goal
ジェンダー規範の歴史構築性が指摘されるようになって久しいにもかかわらず、その規範の起源を読み解き、あらたな未来に向けて因習を読み替える作業は容易ではありません。授業での学習を通し、その困難に丁寧に向き合い、「ウェル・ビーイング」の基盤形成に不可欠な性規範への理解を深め、他国の例も引きながら、異文化体系への感性を高めることを目標とします。
また、課題図書の読書レポートを準備する過程で、論文を記すための文章の構成や言葉使い学びます。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
講義形式で授業は行います。学生とのインターアクティブな会話を重視し、各授業内に質疑の時間を必ず設けます。提出してもらった読書レポートにはコメントを付けて返却します。図像史料の読み解きはパワポイント画像などを使って行います。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：近代アメリカの歴史と文化を学ぶ視点
一学期を通して学ぶ視点を提示します。「有用なる過去」の概念を紹介します。
第2回[対面/face to face]：ピューリタニズムの遺産
英領北米植民地における多元社会構築の原理を、ピューリタンの入植の歴史を事例に探ります。
第3回[対面/face to face]：アメリカの宗教と寛容の文化
連邦憲法修正第一条の成り立ちを振り返りながら、アメリカにおける寛容の意味を考えます。
第4回[対面/face to face]：黒人奴隷制社会の誕生
近代アメリカ史における最大の逆説と言われる黒人種奴隷制度に注目し、その英領植民地への導入の歴史を学びます。
第5回[対面/face to face]：合衆国独立の論理
近代アメリカ史の画期となる独立革命の歴史を振り返りながら、しかし、18世紀の西洋政治思想の文脈において「独立」が何を意味し得たのか、あらためて検討し直します。
第6回[対面/face to face]：合衆国連邦憲法の成立
アメリカ合衆国が国家の体裁を整える最大にして最古の文書、連邦憲法の機能を歴史的部脈に据えて考えます。
第7回[対面/face to face]：近代アメリカにおける女性の経験：「共和国の母」が生まれるまで
植民地時代から建国にかけて生成された近代アメリカの女性像を検討します。
第8回[対面/face to face]：アメリカ女権運動の黎明：セネカフォールズにおける「所感の宣言」
19世紀半ばに始まった政治権利を求める女性運動の歴史を、その目的と手段に着目し学びます。
第9回[対面/face to face]：個人主義とコミュニタリアニズム
19世紀前半のアメリカでは既存の性規範への挑戦がさまざまのコミューンで試みられました。その理由と担い手たちの主張を検討します。
第10回[対面/face to face]：南部社会論の系譜
映画『それでも夜は明ける』が描くアメリカ南部
第11回[対面/face to face]：反奴隷制運動と社会改革の時代
宗教覚醒に始まった19世紀アメリカ社会改革運動において女性が果たした役割と、その動きが南北戦争を惹起する力の一つとなった歴史を確認します。
第12回[対面/face to face]：南北戦争
未曽有の内戦を経ることで国民国家への変貌を遂げたアメリカ合衆国の戦前/戦後を考えます。
第13回[対面/face to face]：二つのゲティスバーグ演説
近代から現代への橋渡しとなった世紀転換期における南北戦争の記憶を探ります。
第14回[対面/face to face]：19世紀女権運動と「新しい女」の誕生
20世紀転換期のアメリカに生まれた「新しい女性」が求めたものとは何だったのか。一学期の締めくくりとして考えます。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
一学期の間に2本の読書レポートを課します。テクストとなるのはアメリカ文学の古典と呼ばれるものです。歴史の史料として小説が持つ意味を考える作業にもなります。このほか、白地図への書き込みを通したヴィジュアルな歴史理解の醸成も図ります。
テキスト（教科書）Textbooks
ナサニエル・ホーソン『緋文字』（岩波文庫、1992）、シオドア・ドライサー『シスター・キャリー 上・下』（岩波文庫、1997）
参考書References
遠藤泰生・小田悠生編『はじめて学ぶアメリカの歴史と文化』（ミネルヴァ書房、2022）
成績評価の方法と基準Grading criteria
提出物を期限までに必ず提出すること。読書レポートは、テーマ設定のオリジナリティ、形式、論理性、文章の練度の各視点から評価します。授業におけるリアクションペーパーの議論も評価の対象とします。
配点は以下。白地図（20％）、読書レポート（70％）、リアクションペーパー（10％）。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
パワポイントによる教材提示は、情報量が増えて考える時間が不足するという意見が聞かれるので、板書も取り入れつつゆっくり議論を進めることにします。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし。
その他の重要事項Others
他国の歴史と比較しながらアメリカ合衆国の歴史の特性を考えたいので、日本史や中世史を学ぶ学生の参加も歓迎します。