人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies
SHS300HA(科学社会学・科学技術史 / Sociology/History of science and technology 300)科学技術社会論Science and Technology in Society
詫間 直樹
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間環境学部Faculty of Sustainabillity Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | C2228 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 月3/Mon.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(一般・総合型選抜、編入学試験入学者)Category | |
カテゴリー(社会人RSP入試入学者)Category | |
カテゴリー(2022年度以前)Category (~2022) |
展開科目 コース共通科目 |
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Outline (in English)
Outputs of S&T (science and technology) have both positive and negative impacts on society. Conversely, society has impacts on science and technology through funding of research and so on. Thus, S&T and society influence and co-produce each other. We call such process "co-evolution."
STS (Studies on Science,Technolgoy and Society) is engaged in the mission of elucidating this "co-evolution" process and pointing to the problems related to it.
The objective of this course is to provide students with useful concepts to understand such co-evolution process, and to cultivate students' abilities to apply these concepts to concrete examples.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
科学技術のアウトプットは、社会に多大な正負両面の影響を与える。逆に、研究費の調達や人材の供給、研究活動の社会的承認などを巡って、社会の側から科学技術への影響も存在する。従って、科学技術と社会は相互に影響を及ぼしながらお互いを形成していくのであり、このようなプロセスを「共進化」と呼ぶ。この「共進化」のプロセスを解明し、関連する問題点を広く知らしめることが、科学技術社会論の使命の一つである。
本授業では、こうした科学技術と社会の相互作用を理解するために有用な諸概念を学ぶとともに、それらの概念を用いて具体的事例を理解する能力を養う。
到達目標Goal
科学技術と社会との関わりを理解するために有用となる概念を学ぶとともに、それらを用いて具体例事例を論じる能力を身につけること。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
科学技術社会論の様々な重要概念がコンパクトにまとめられている優れたテキスト ― 平川秀幸著『科学は誰のものなのか 社会の側から問い直す』(NHK出版生活人新書,2010年)をベースとして、重要概念と関連事例の解説を行う。
また、質疑応答を適宜行う。そのために、テキストの各章について当番を複数決めておく。当番になった者は、講師や他の学生からの質問に答えられるように準備してきてもらう。
また、毎回、授業の終了後にリアクションペーパーを提出してもらう。授業中に触れたトピックの中から一つ選んで、ごく簡単な考察をしてもらう。課題提出後の授業、または学習支援システムにおいて、提出された課題からいくつかポイントを取り上げ、全体に対してフィードバックを行う。大学の行動方針レベルの変更に応じた授業形態の詳細は学習支援システムでお知らせします。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:ガイダンス
当科目の目的と背景、授業の進め方についての説明。科学技術と社会の相互作用についての簡単な説明。
第2回:「統治」から「ガバナンス」へ(その1)」
(テキスト対応箇所:第2章序盤)
なぜ今ガバナンスなのか、科学技術ガバナンスの登場、日本の転機:1995年、双方向なコミュニケーション、ほか。
第3回:「統治」から「ガバナンス」へ(その2)
(テキスト対応箇所:第2章中盤)
参加型テクノロジーアセスメント、市民が参加するコンセンサス会議、市民陪審とシナリオワークショップ、ほか
第4回:「統治」から「ガバナンス」へ(その3)
(テキスト対応箇所:第2章終盤)
BSE問題が引き起こした「信頼の危機」、理解から対話・参加へ、「アウェー」としてのサイエンスカフェ、ほか。
第5回:科学技術は「完全無欠」か(その1)
(テキスト対応箇所:第3章序盤)
「地震予知は困難」と認めた科学者たち、水俣病を悪化させた完璧主義、実験室の科学はまだ途半ば、知識の品質管理、「ファイナルアンサー」までのさらなる道のり、ほか。
第6回:科学技術は「完全無欠」か(その2)
(テキスト対応箇所:第3章中盤)
それでも残る科学の不確実性、不確実性における二つの無知(Known UnknownsとUnknown Unknowns)、科学知識の制約、理想化にともなう不確実性、ほか。
第7回:科学技術は「完全無欠」か(その3)
(テキスト対応箇所:第3章終盤)
誠実な科学者は白黒つけられない、理想系と現実系とのギャップ、ほか。
第8回:科学技術と社会のディープな関係(その1)
(テキスト対応箇所:第4章序盤)
科学技術と社会のかかわりをどう見るか、「共生成」という考え方、科学技術の純潔主義、研究開発の国家総動員体制、ほか。
第9回:科学技術と社会のディープな関係(その2)
(テキスト対応箇所:第4章中盤)
「価値中立的な科学技術」から「善い科学技術」へ、人工物に埋め込まれた政治性(アーキテクチャの権力、環境管理型権力)、ほか。
第10回:科学技術と社会のディープな関係(その3)
(テキスト対応箇所:第4章終盤)
「緑の革命」の光と影、作動条件への不適合、技術の囲い込み症候群、利益構造の不平等、構造的問題としての市場の力、ほか。
第11回:科学の不確実性とどう付き合うか(その1)
(テキスト対応箇所:第5章序盤)
リスク論争で問われるものは?、調べる人が変わればデータも変わる、価値基準をどこに置くか、ほか。
第12回:科学の不確実性とどう付き合うか(その2)
(テキスト対応箇所:第5章中盤)
挙証責任が映し出す利害の対立、遺伝子組換え作物の環境影響、挙証責任の逆転、評価基準を変えた政治的・社会的理由、ほか。
第13回:科学の不確実性とどう付き合うか(その3)
(テキスト対応箇所:第5章終盤)
事前警戒原則、欧州組換え作物規制が示唆するもの、問いのフレーミングと答えの解釈、価値中立性を再定義する、とるべきリスクと避けるべきリスク、「賭け」を「実験」に変える知恵、ほか。
第14回:知ることと、つながること
(テキスト対応箇所:第6章)
どうやって科学技術問題に関わるのか、次の一歩が踏み出せない、「一人一人の心がけ」でよいのか、不自然な省略、知的協働のアクションチャート、信頼できる資料の見つけ方。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・毎回の講義で紹介される資料等を使用して必ず予習・復習をすること。
・テキスト(平川秀幸著『科学は誰のものなのか―社会の側から問い直す』(NHK出版生活人新書))の該当箇所を事前に読んできてもらう。
・授業時間中に理解を深めるためQ&Aの時間を適宜とるが、そのために、テキストの各章について当番を複数決めておく。当番になった者には、講師や他の学生からの質問に答えられるように、特に入念に準備してきてもらう。
(本授業の準備学習・復習時間は、各2時間が標準とされている。)
テキスト(教科書)Textbooks
平川秀幸『科学は誰のものなのか ―社会の側から問い直す―』,NHK出版生活人新書,2010年。
本授業を履修する者には、教科書を購入し、毎回の授業時に持参することを義務付ける。
(紙媒体は品切れなので、電子書籍を購入されたい。)
参考書References
必要に応じて、参考になる文献やウェブサイトを紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・平常点40%、中間レポート20%、期末レポート40%。
・平常点は、毎回提出してもらうリアクション・ペーパーをもとに採点する。白紙提出は大幅な減点となるので注意すること。
・中間レポートの概要:身近にある、製作者の意図が埋め込まれている人工物の事例およびユニバーサルデザインの事例を探し、その写真を撮ってきてもらう。
・期末レポートの概要:
テキストに関連する好きなトピックを選び、そのトピックに関連する文献を選んでその概要を紹介してもらった後、自説を展開してもらう。A4用紙5枚程度。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
気候変動問題に関して「一人一人の心がけ」ではダメだということを伝えているが、充分に伝わっていないように見受けられるので、今年度はさらに強調していきたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
教科書は、紙媒体が品切れなので、電子書籍を購入してもらうことになる。(紙媒体を好む場合は、古本がまだ売られていれば、そちらを購入してもよい。)
電子書籍を購入・使用する場合は、プラットフォームとなる端末(kindle端末やスマートフォン、パッド、PCなど)も毎回の授業に持参してもらうことになる。
関連の深いコース
履修の手引き「D.6 専門科目一覧・コース関連科目表」を参照してください。
実務経験のある教員による授業
本科目は、「実務経験のある教員による授業」に該当しません。