経営学研究科Graduate School of Business Administration
ECN500F1-0025(経済学 / Economics 500)金融論Financial Economics
片桐 満Mitsuru KATAGIRI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 経営学研究科Graduate School of Business Administration |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X7023 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 年間授業/Yearly |
曜日・時限Day/Period | 水4/Wed.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 修士課程(昼間)授業科目 |
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Outline (in English)
Financial economics is essential knowledge for businesspersons in any industries. In this class, students study an introductory financial economics such as the role of financial markets and financial institutions in the spring term, and then learn about public policy including monetary policy and financial regulations in the fall term.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
将来、金融に直接かかわる仕事に就く人はもちろん、金融以外の業種で働く人たちも、仕事を進めていく上で、金融に関する何らかの知識が必ず求められます。このコースでは、前半部分(春学期)で、金融市場や金融機関の役割など、金融論の基礎を学び、後半部分(秋学期)では、金融政策や金融規制など、金融に関わる政策のあり方について学びます。
到達目標Goal
このコースでは、金融理論が社会に出てからビジネスやその他の実務にどのように役立つのか、という実務的な視点を重視します。実務と理論のつながりを理解し、金融に関するビジネス上の課題について、自分なりの解決方法が見いだせるだけの十分な知識を身につけることが、このコースの到達目標です。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連、特に「DP1」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
特にテキストは指定せず、毎回、スライドに基づいた授業を行います。各学期とも、オンライン(リアルタイム配信、もしくは、オンデマンド配信)と教室での対面授業の混合授業とします。受講者は、毎回どの方式で行われるかを必ずチェックし、リアルタイム配信や教室での対面授業において、チェック漏れによる意図せざる欠席が生じないよう注意してください。春学期(第1回~第14回)は「リアルタイム2回、オンデマンド11回、対面授業1回」、秋学期(第15回~第28回)は「オンデマンド8回、対面授業6回」の予定です。以下の授業計画のなかで、*を付した回がリアルタイム配信、**を付した回が対面授業、何も付していない回がオンデマンド配信となります。
本コースでは、実務とのつながりを重視する観点から、授業と関連する新聞や雑誌の記事を紹介し、授業の内容と関連付けながら解説します。また、秋学期には、参加者に課題論文を課し、内容について発表してもらう機会を設けます。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
通年
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:金融システムの全体像*
経済における金融の役割と金融システム全体の仕組みについて解説します。
第2回:金利の役割
金利の役割とその決定要因、短期金利と長期金利の違いなどを学びます。
第3回:債券市場(国債と社債)
債券市場について、企業・政府と投資家の両方の観点から解説します。
第4回:株式市場
株式市場について、企業と投資家の両方の観点から解説します。
第5回:資産価格の決定理論
CAPMやファクターモデルなど、金融商品の価格決定理論を学びます。
第6回:デリバティブと証券化商品
デリバティブと証券化商品の仕組みと金融市場での役割について解説します。
第7回:間接金融の役割
金融機関を介した金融仲介について、金融市場との違いを中心に学びます。
第8回:金融機関1: 銀行*
金融システムで中心的な役割を担う銀行について、その役割を学びます。
第9回:金融機関2: 証券会社、保険会社、資産運用会社
証券会社や保険会社、資産運用会社など、銀行以外の金融機関の役割について学びます。
第10回:金融機関3: ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルとは何かを解説し、その役割について学びます。
第11回:企業の資本調達構造
株式や借り入れなど、企業の資金調達手段の選択について解説します。
第12回:金融のグローバル化
金融のグローバル化について、国境をまたぐお金の流れを中心に学びます。
第13回:外国為替市場
異なる通貨間の交換を行う外国為替市場について学びます。
第14回:為替レートの決定**
為替レートを決定する要因として、購買力平価と金利平価について学びます。
第15回:金融政策の目的**
金融政策の目的と、それが経済全体で果たす役割について学びます。
第16回:金融調節と短期金融市場
伝統的な金融政策の基本となる金融調節と短期金融市場について学びます。
第17回:金融政策の波及メカニズム
短期金利の変更が、実体経済やインフレ率に影響する仕組みを学びます。
第18回:金融政策運営の実務
金融政策がどの様に決定されているか(されるべきか)を学びます。
第19回:金融政策と為替市場・通貨危機**
金融政策と為替レートの関係や通貨危機を踏まえた国際協調の意義について学びます。
第20回:プルーデンス政策の役割
銀行規制など、金融危機を防ぐ上で政策が果たす役割について学びます。
第21回:グローバル金融危機:原因と帰結
グローバル金融危機とそれに続く欧州危機について、その原因と帰結について学びます。
第22回:新しい金融規制
世界金融危機の反省から、新たに導入された金融規制について学びます。
第23回:論文発表1**
為替市場についての論文を参加者に発表してもらいます。
第24回:金融政策と財政**
金融政策と財政の関係について学びます。
第25回:非伝統的金融政策①:ゼロ金利政策、付利政策
新たな金融政策の枠組みのうち、ゼロ金利政策や付利政策の意義や効果について学びます。
第26回:非伝統的金融政策②:量的緩和、信用緩和
新たな金融政策の枠組みのうち、国債等の金融商品を買い入れる政策について学びます。
第27回:論文発表2**
金融政策と財政の関係についての論文を参加者に発表してもらいます。
第28回:金融政策とプルーデンス政策の今後の課題**
今後、金融政策とプルーデンス政策が直面する課題について学びます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本コースの準備学習と復習時間は、それぞれ2時間を標準とします。復習では、以下に挙げる参考文献のほか、関連ある新聞や雑誌の記事を読むなど、実務的な観点から学んだ内容をどう活かすかについて考えてください。発表論文は、発表日の数週間前に指定しますので、各自、発表日までにスライド作成を含む発表の準備をしてもらいます。
テキスト(教科書)Textbooks
テキストは指定しません。発表してもらう論文は授業中に指定します。
参考書References
参考文献として、以下の教科書を参照します。
・内田浩史「金融」(有斐閣)
・岩村充「コーポレート・ファイナンス CFOを志す人のために」(中央経済社)
・ブリーリー他「コーポレート・ファイナンス 第10版(上・下)」(日経BP)
・橋本優子ほか「国際金融論をつかむ(新版)」(有斐閣)
・小林照義「金融政策(ベーシック+)」(中央経済社)
・白川方明「現代の金融政策 理論と実践」(日本経済新聞出版)
成績評価の方法と基準Grading criteria
評価は、期末試験(70%)と論文発表(30%)に基づいて決定します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし(本年度より授業担当者変更)。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
教材の共有のため学習支援システムを利用します。オンデマンドの映像教材も含まれるため、通信環境の確保をお願いします。
その他の重要事項Others
日本銀行や国際通貨基金(IMF)において、金融の実務に15年程度かかわりました。そうした経験から、いかに金融理論を実務的な問題解決に役立てるかを伝えられればと思います。
関連科目
マクロ経済学、ミクロ経済学が関連科目ですが、事前履修は必修ではありません。