経営学研究科Graduate School of Business Administration
ECN500F1-0022(経済学 / Economics 500)ミクロ経済論Microeconomics
宮澤 信二郎Shinjiro MIYAZAWA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 経営学研究科Graduate School of Business Administration |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X7020 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 年間授業/Yearly |
曜日・時限Day/Period | 木2/Thu.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory | 修士課程(昼間)授業科目 |
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Outline (in English)
You will learn the foundation of microeconomics, which is a theory to analyze individuals' and firms' decision-makings and those interaction, and conduct problem exercises with some economic problems around you.
You can learn the fundamental thinking and analyzing methods of microeconomics, which can be the basis for learning respective fields of business administration.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
個人や企業などの意思決定プロセスやそれらの相互作用に関する学問体系であるミクロ経済学についての講義を受け,問題演習を行う。
経営学の諸分野を学ぶ上で基礎となるミクロ経済学の考え方・分析手法を身につける。
到達目標Goal
以下のような事項について理解し,応用できるようになる。
(1)消費者は何をどれだけ購入しようとするか。また,その決定にモノの値段やその他の要因がどのような影響を及ぼすか。
(2)企業は何をどれだけ使って,何をどれだけ販売しようとするのか。また,その決定にモノの値段やその他の要因がどのような影響を及ぼすのか。
(3)モノの値段がどのように決まるのか。また,その決定にどのような要因がどのような影響を及ぼすのか。
(4)短期的な意思決定と長期的な意思決定の違いは何か。
(5)人々の行動が相互に影響を及ぼしあうような状況ではどのように意思決定したらよいのか。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」に関連、特に「DP1」は強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
基礎となる理論について講義した後に問題演習を行う。講義の際には,聴くだけにならないようにするため,考えるきっかけ与えたり,理解を確認したりするような質問を投げかける。問題演習の際には,各自が自ら考える時間を確保するとともに,必要に応じて,正解に導くような助言を与える。本授業はZoomを用いたリアルタイム授業で実施する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
通年
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:イントロダクション:ミクロ経済学とは?
ミクロ経済学の特徴と全体像を解説した後にこれを学ぶ意義について議論する。
第2回:需要・供給と市場均衡(1)
教科書4章に基づいて,需要と供給の振る舞いおよび需要と供給による取引内容(数量・価格)決定メカニズムについて学びます。
第3回:需要・供給と市場均衡(2)
教科書5章に基づいて,価格の変化が需要と供給に及ぼす変化の程度(弾力性)が取引内容の変化に及ぼす影響について学びます。
第4回:問題演習1
第2回と第3回の内容に関する問題演習を行います。
第5回:消費者の理論(1)
教科書21章に基づいて,消費者の意思決定に関する理論の基礎について学びます。
第6回:消費者の理論(2)
教科書21章に基づいて,消費者の意思決定に関する理論の応用について学びます。
第7回:問題演習2
第5回と第6回の内容に関する問題演習を行います。
第8回:生産者の理論(1)
教科書13章に基づいて,企業による生産に関わる費用について学びます。
第9回:生産者の理論(2)
引き続き,教科書13章に基づいて,企業による生産に関わる費用について学びます。
第10回:問題演習3
第8回と第9回の内容に関する問題演習を行います。
第11回:生産者の理論(3)
教科書14章に基づいて,競争市場における企業の生産量決定について学びます。
第12回:生産要素市場
教科書18章に基づいて,労働・資本・土地といった生産要素の市場取引について学びます。
第13回:問題演習4
第11回と第12回の内容に関する問題演習を行います。
第14回:期末テスト(1)
春学期に学習した内容に関するテストを実施し,その後,解説を行います。
第15回:春学期の復習と秋学期の展望
春学期の内容の復習をするとともに,秋学期に扱う内容について概観します。
第16回:効率性と市場の失敗
教科書7章に基づき,取引内容の望ましさの指標として,余剰という概念を学びます。更に,市場取引により効率的な結果(余剰の合計が最大になるような結果)が実現する場合とそうならない場合について学びます。
第17回:外部性
教科書10章に基づいて,取引が当事者以外の経済主体の利害に影響を及ぼすときの取引内容に関して学びます。
第18回:情報の非対称性
教科書22章を参照しつつ,当事者間で情報量が異なる場合に起こる問題とそれに対する対応策について学びます。
第19回:問題演習5
第16回から第18回の内容に関する問題演習を行います。
第20回:独占
教科書15章に基づき,独占企業の生産量決定について学びます。
第21回:独占的競争
教科書16章に基づき,各企業が違いのある製品を生産している場合の企業行動について学びます。
第22回:問題演習6
第21回と第22回の内容に関する問題演習を行います。
第23回:寡占・ゲーム理論(1)
教科書17章に基づき,市場の企業数が2社以上だが少数である場合の企業行動について学びます。また,このような市場における企業行動を分析するために利用できるツールであるゲーム理論について学びます。
第24回:寡占・ゲーム理論(2)
引き続き,教科書17章に基づき,市場の企業数が2社以上だが少数である場合の企業行動と,それを分析するために利用できるツールであるゲーム理論について学びます。
第25回:寡占・ゲーム理論(3)
ゲーム理論について更に学びます。
第26回:問題演習7
第23回から第25回までの内容に関する問題演習を行います。
第27回:その他のトピックス/まとめ
受講者の関心に合わせて,ミクロ経済学の分野のその他のトピックスについて補足説明します。最後に,全体のまとめを行います。
第28回:期末テスト(2)
秋学期に学習した内容に関するテストを実施し,その後,解説を行います。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
学生は事前に以下のテキストを読んでくることが求められます。また,毎週あるいは隔週程度で課される宿題を解くことが求められます。
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
以下のテキストを使用する予定である。ただし,受講者が求める場合には,もう少しレベルの高いものを使用する可能性がある。
マンキュー『マンキュー経済学Ⅰミクロ編(第4版)』東洋経済新報社,2019年(あるいはその原著)
参考書References
[1]伊藤秀史『ひたすら読むエコノミクス』有斐閣,2012年
[2]安藤至大『ミクロ経済学の第一歩』有斐閣,2013年
[3]芦谷政浩『ミクロ経済学』有斐閣,2009年
[4]神取道宏『ミクロ経済学の力』日本評論社,2014年
*[1]と[2]は上記の教科書よりも易しいテキスト,[3]と[4]は上記教科書よりも難しいテキストで,易しい順になっています。
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(授業への積極的な参加・貢献)30%,宿題・問題演習30%,期末テスト(2回)40%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
一昨年度にこの科目を担当し,また,これまでに夜間の修士課程や通信教育課程の同等科目を担当した経験を踏まえて,ミクロ経済学を初めて勉強する学生向けの内容で実施することを想定しています。ただし,受講者の要望によっては,より発展的・応用的な内容も取り扱いたいと考えています。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
学習支援システム,Zoom社の会議システムなどのオンラインシステムを利用しますので,これらを使うために必要な情報端末(PC,タブレットなど)と通信環境が必要になります。
その他の重要事項Others
学習支援システムを利用して授業に関する情報をこまめに確認するようにしてください。
担当教員の専門分野等
<専門領域>応用ミクロ経済学(特に,企業金融論,産業組織論)
<研究テーマ>
企業金融と市場競争の相互作用に関する研究
<主要研究業績>
[1] “Financial Contract and Capital Allocation: A Comparison between Market-based Finance and Bank Finance” 経営志林 第55巻第2号,49-58頁,2018年.
[2] 「企業間信用に関する一考察―銀行と供給者との間の利害衝突を考慮して―」 経営志林 第53巻第4号,25-52頁,2017年.
[3] 「EU国家補助規制の考え方の我が国への応用について」(大久保直樹氏ほかと共著)競争政策研究センター共同研究報告書 CR03-13 2013.
[4] 「公的金融と市場競争―産業組織論アプローチ―」 フィナンシャル・レビュー 133, 147-168頁,2013.
[5] "Optimal borrowing structure: An explanation of multiplicity of large-share creditors and asymmetry among them,"
Journal of The Japanese and International Economies 26, pp434-453, 2012.
[6] 「国家賠償と求償に関する経済分析」,社会科学研究 第62巻第2号,55-79頁,2011年.
[7] 「偏波弁済の詐害行為取消しに関する分析―法と経済学の視点から―」(藤澤治奈氏との共著),新世代法政策学研究 第10号,351-369頁(担当部分),2011年.(倒産・再生法制研究奨励金賞(トリプルアイ・高木賞)(奨励賞)(財団法人民事紛争処理研究基金)受賞)
[8] 「情報財の価格差別と著作権保護」,知的財産法政策学研究 第24号,229-257頁,2009年.
[9] "Innovative interaction in mixed market: An effect of agency problem in state-owned firm," Economics Bulletin 12, pp1-8, 2008.