キャリアデザイン学研究科Graduate School of Career Studies
MAN500M1-1404(経営学 / Management 500)人事組織経済学Personal Economics
梅崎 修Osamu UMEZAKI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | キャリアデザイン学研究科Graduate School of Career Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X8017 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火6/Tue.6,火7/Tue.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
プログラム科目 ビジネスキャリアプログラム |
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Outline (in English)
This course will overview major topics in personnel and organizational economics including human capital theory, asymmetric information, and the provision of incentives. The course also explains empirical strategies and techniques using personnel records from within the firm.This course aims to encourage broader ways of thinking and practicing. This attitude is useful not only for writing Master's theses, but also for making decisions in business situations.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
経済学と言うと、市場の分析であると考える方も多いと思います。もちろん、労働市場の分析はキャリア研究にとって重要なテーマですが、それ以外に組織や人事制度に対しても経済学理論は有効な分析枠組みです。この授業では,まず人的資本,情報の非対称性,インセンティブ付与,などの理論・概念を学び,企業内人事データを用いて,実際の人事制度と企業組織を分析します.人事と組織の具体的事例を知るだけでなく、それらを分析できる思考方法を身に付けることを目標としています。経済学的思考方法は、修士論文作成はもちろんのこと、実際のビジネス意思決定にも役立つでしょう。
到達目標Goal
経済学の理論と分析ツールを使いこなせること、具体的には、組織や人事制度の解釈をインセンティブ理論によって説明可能になることなどを目標とする。修士論文作成のために必要な計量分析とヒアリング分析の実証方法も、「分析結果を読める」ことはもちろんだが、「自分で分析できる」までになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち,「DP1」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
人事経済学(Personnel Economics)と組織経済学(Economic Approaches to Organizations)の理論と分析事例を解説します。はじめに経済学理論と概念を解説した後に、具体的な企業事例を紹介し、参加者と議論します。理論解説→分析事例の紹介→議論という流れの中で、経済学思考方法を学びます。また、分析事例としてアンケート調査やヒアリング調査の分析結果を紹介しますが、その際、データの扱い方・読み方についても説明をします。なお、授業は2回連続で行い、半期で終了します。なお、課題等の提出は授業支援システムを利用し、フィードバックはを授業時間内とオフィスアワーを通じて行う予定です。また、対面での授業を考えておりますが、コロナの感染状況を踏まえ、受講生の基礎疾患等を考慮して実施形態を個別に検討する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:経済学的思考とは?
経済学の入門説明。
第2回:論文の読み方、議論の仕方。
実証研究の読解ポイントを紹介する。
第3回:労働市場分析
労働市場の需給分析フレームワークの解説。
第4回:労働市場分析(事例)
労働市場、失業研究などを紹介し、議論する。
第5回:労働統計
労働関係の各種統計を解説。
第6回:労働統計(事例)
労働統計を使った論文を紹介し、議論する。
第7回:情報の経済学
情報の非対称性とシグナリング理論を解説。
第8回:情報の経済学(事例)
就職・転職などの実証研究を紹介し、議論する。
第9回:内部労働市場
取引費用の発生と内部労働市場論を解説。
第10回:内部労働市場(事例)
取引費用の発生と内部労働市場論の実証研究を紹介し、議論する。
第11回:人的資本
人的資本理論、企業特殊的熟練を解説。
第12回:人的資本(事例)
人的資本理論、企業特殊的熟練に関する実証研究を紹介し、議論する。
第13回:学校教育の効果
人的資本理論を基にしながらに教育の経済効果の解説。
第14回:学校教育の効果(事例)
教育の経済効果の実証研究を紹介し、議論する。
第15回:工場の技能形成
生産システム論と知的熟練論を解説。
第16回:工場の技能形成(事例)
生産システム論と知的熟練論の実証研究を紹介し、議論する。
第17回:オフィスの技能形成
ホワイトカラーの技能形成を解説。
第18回:オフィスの技能形成(事例)
ホワイトカラーの技能形成における実証研究を紹介し、議論する。
第19回:イノベーションと技能
能力構築競争の理論を解説
第20回:イノベーションと技能(事例)
能力構築競争の実証研究を紹介し、議論する。
第21回:インセンティブ設計
プリンシパル-エイジェントモデルを解説。
第22回:インセンティブ設計(事例)
プリンシパル-エイジェントモデルの実証論文を紹介し、議論する。
第23回:組織内競争
インセンティブ設計としての競争を解説。
第24回:組織内競争(事例)
キャリアツリー法などの分析を紹介し、議論する。
第25回:賃金制度
インセンティブ設計としての賃金制度を解説する。
第26回:賃金制度(事例)
能力給・成果給などの賃金制度の分析事例を紹介し、議論する。
第27回:評価者負担と公平性
評者負担の理論を解説。評価分布分析を紹介。
第28回:評価者負担と公平性(事例)
評価分布の分析事例を紹介し、議論する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業の予習として、学部レベルの教科書(該当部分)と関連論文1本を読んでもらいます。学部レベル教科書の予習は理論の解説の事前準備になりますし、関連論文の予習は受講生とのディスカッションの前提となります。本授業の準備学習・復習時間は、各4~5時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書を使わずに、レジュメを配布しながら解説します。ただし、講義前に参考文献を読んでもらいます。
参考書References
参考文献
小池和男(2005)『仕事の経済学』(東洋経済新報社)
松繁寿和(2008)『労働経済』(放送大学教育振興会)
ラジアー(2000)『人事と組織の経済学』(樋口・清家訳:日本経済新聞社)(Lazear, E. “ Personnel Economics for Managers” John Wiley & Sons Inc)
学部向け教科書ですが、以下の本はデータが豊富で役立ちます。
松繁寿和・阿部正浩編(2010)『キャリアのみかた』(有斐閣)
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(50%)・・・議論への参加を評価します。
レポート課題(50%)・・・議論を発展させたレポート課題を提出してもらいます。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
経済学理論の紹介に関しては、基礎的文献や教科書を紹介して理解を深めるようにします。
担当教員の専門分野等
労働経済学、教育経済学、人事組織経済学
共編著『労働職場調査ガイドブック-多様な手法で探索する働く人たちの世界』(中央経済社,2019)
共編著『大学生の内定獲得―就活支援・家族・きょうだい・地元をめぐって』(法政大学出版局,2019)
共編著『学生と企業のマッチング-データによる探索』法政大学出版局,2019)