キャリアデザイン学研究科Graduate School of Career Studies
EDU500M1-1303(教育学 / Education 500)キャリア教育論Career Education
上西 充子Mitsuko UENISHI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | キャリアデザイン学研究科Graduate School of Career Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X8011 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 土5/Sat.5,土6/Sat.6 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 4 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
プログラム科目 キャリア教育・発達プログラム |
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Outline (in English)
Amid emerging social problems young people face during the difficult transition from school to work, and the appalling ways in which young employees are often treated in the workplace, the purpose and ideal form of career education have to be reexamined.
In this class, we will study career education policy in light of contemporary social situations confronting young people, and we will take a step back as we question the essential purposes and functions of career education and career support.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
若者の学校から職業への移行の困難、さらに若年労働者の働かせ方の劣悪さが社会問題化する中で、キャリア教育の在り方が改めて問われてきている。
本授業では、若者をめぐる今日の社会状況と政策としてのキャリア教育を照らし合わせ、キャリア教育・キャリア支援が行うべきことは何であるのかを、一歩引いた視点から改めて問い返す。
到達目標Goal
受講者一人一人が、それぞれの現場におけるキャリア教育・キャリア支援の抱える課題を認識し、キャリア教育・キャリア支援の枠組みを再考し、再構築できる。
修士論文作成に向けて、文献を的確に読み取った上で自らの論点を論述の中で展開できるようになる。
データの出所を確認してデータを的確に理解し、活用できる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち,「DP1」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業では、テーマごとにあらかじめ関連する文献を読み、レジュメの作成と論点の提示をもとにディスカッションを行う。また、文献の内容を踏まえた論述の練習を適宜行い、論述の方法を実践的に習得する。データの出所を確認し、データの批判的検討も行う。受講者の実践現場の事例の報告と検討なども取り混ぜて行いたい。
課題レポートについては次の授業回に具体的にフィードバックを行う。
テーマとしては下記の授業計画の内容を考えているが、受講者の方々の問題関心に応じて多少の変更がありうる。授業後半では、1冊の本をじっくり読むことも検討したい。
Covid-19の状況に対応し、リアルタイム・オンライン方式で実施する可能性があるため、学習支援システムで確認すること。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:授業ガイダンス
自己紹介と問題意識の共有/授業計画の説明/文献の種類と主要文献紹介
第2回:学術的な論述の基礎
事実と意見を書き分ける/出典の明示と紹介文/根拠を示した論述
第3回:紹介文課題の検討
紹介文課題の検討を通じ、論述の形式を学ぶ
第4回:論点を取り出し、考える
論点を取り出して論じ、説得力のある論述を行う
第5回:論点考察課題の検討
論点を考察する課題を振り返り、論点との対話のあり方を検討する
第6回:実践と研究の関係
現場の視点を離れて研究することの意味を考える
第7回:他者の合理性の理解
他者の合理性の理解とは
第8回:「溜め」とエンパシー
「溜め」の厚さと薄さ、エンパシーの視点の重要性
第9回:労働問題とキャリア教育
若年雇用問題とキャリア教育
第10回:キャリア教育と労働法教育
キャリア教育の視点、労働法教育の視点
第11回:政策としてのキャリア教育の経緯
キャリア教育施策の展開と背景
第12回:政策としてのキャリア教育の課題
キャリア教育施策の概要と問題点
第13回:現場から見たキャリア教育
受講者の現場から見たキャリア教育の現状の振り返り
第14回:現場から見たキャリア教育の課題
受講者の現場から見たキャリア教育の課題の共有
第15回:キャリア教育と夢
「夢」を手掛かりにした気キャリア教育の再考
第16回:メンバーシップ型雇用とキャリア教育
メンバーシップ型雇用と現状のキャリア教育の整合性の再考
第17回:大卒就職の現状
大学生の就職・採用活動の現状
第18回:大卒就職とキャリア教育
大卒就職の現状と課題に対応したキャリア教育とは
第19回:雇用形態の多様化の現状
雇用形態の多様化と困難を抱えた若者の課題
第20回:雇用形態の多様化とキャリア教育
卒業後を見据えたキャリア教育とは
第21回:女性のキャリアの現状
女性のキャリア展望とキャリアの現在
第22回:女性のキャリアの課題
女性のキャリアの課題とキャリア教育
第23回:職業教育とキャリア教育
職業教育とキャリア教育の関係
第24回:職業教育再考
ジョブ型雇用と職業教育
第25回:キャリア教育と望ましい人間像
「生きる力」とキャリア教育
第26回:キャリア教育と「自立」
「自立」を問い直す
第27回:総合的なキャリア教育・キャリア支援
キャリア教育・キャリア支援の担い手と取り組むべき課題
第28回:キャリア教育再考
授業全体を振り返り、みずからの考察を文章化して発表する
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
各回の課題文献を読み、データの出典を確認し、データの適切な利用を検討する。レジュメや論説文、レポートの作成を行う。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は使用しない。
参考書References
各回のテーマにかかわる文献は授業の中で指定・紹介する。さしあたり以下を挙げておく。
・井下千以子(2014)『思考を鍛えるレポート・論文作成術 第2版』慶應義塾大学出版会
・木下是雄(1994)『レポートの組み立て方』ちくま学芸文庫
・岸政彦・石岡丈昇・丸山里美(2016)『質的調査の方法 他者の合理性の理解社会学』有斐閣
・児美川孝一郎(2013)『キャリア教育のウソ』ちくまプリマー新書
・濱口桂一郎(2013)『若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす』中公新書ラクレ
・本田由紀(2009)『教育の職業的意義-若者、学校、社会をつなぐ』ちくま新書
・本田由紀(2020)『教育は何を評価してきたのか』岩波新書
・湯浅誠(2008)『反貧困』岩波新書
成績評価の方法と基準Grading criteria
出席と討論への参加:20%(積極性と共に討論内容に沿った的確性を評価する)/レジュメの作成と論点提示:30%(的確な整理と的確な論点提示を評価)/論説文・レポートの作成50%(文献の論旨の的確な把握、引用や記述のルールの順守、文章の明確さ、論理構成の的確さを評価)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
「自分の従来の見方が覆され視野が広がった」「レポートの添削がありがたかった」「大学院で学ぶ意味を、スタンスや心構えも含めて学ばせていただいた」といった意見があった。現在の若者が置かれている状況と抱えている課題から各自がキャリア教育を問い直す機会としたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
リアルタイム・オンラインの方式により実施する可能性があるため、対応する通信環境を整えておくこと。
担当教員の専門分野等
<専門領域>労働雇用問題、キャリア教育、社会政策、職業能力開発
<研究テーマ>学校から職業への移行過程と初期のキャリア形成、ならびに、それにかかわる支援の在り方
<主要研究業績>
・『大学のキャリア支援』(編著、経営書院、2007年)
・「なにが早期離職をもたらすのか」上西充子・川喜多喬編『就職活動から一人前の組織人まで』(同友館、2010年)
・『アルバイト・就職トラブルQ&A』(石田眞・浅倉むつ子・上西充子)(旬報社、2017年3月)
・「職業安定法改正による求人トラブル対策と今後の課題-法改正に至る経緯を踏まえて―」『季刊・労働者の権利』Vol.324(2018年2月)
・『呪いの言葉の解きかた』(晶文社、2019年)
・「働き方改革の国会審議を振り返って―『多用な働き方』の言葉に隠された争点」(横田伸子・脇田滋・和田肇『「働き方改革」の達成と限界―日本と韓国の軌跡をみつめて』第Ⅰ部第2章、関西学院大学出版会、2021年)