経営学部Faculty of Business Administration
MAN300FB（経営学 / Management 300）財務会計論ⅠFinacial Accounting (Advanced) I
川島 健司Kenji KAWASHIMA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 経営学部Faculty of Business Administration |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2021 |
| 授業コードClass code | A4375 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 金3/Fri.3 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | 3～4 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Program | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Program (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Program | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| 入学年度Admission year | |
| カテゴリー（2019年度以降）Category (2019～) | |
| カテゴリー（2018年度以前）Category (～2018) | 経営学科専門科目 |
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Outline (in English)
This lecture gives the system and theory of financial accounting and its application method. In learning of financial accounting, it is efficient to learn "how to make" and "how to read" financial statements at the same time, and this lecture aims to understand accounting practices through both viewpoints of the financial statement creator and reader.
Regarding how to prepare financial statements, I will explain basic accounting principles and accounting standards. This includes discussions on the concepts of financial accounting purposes, functions of double entry bookkeeping, concept of profit calculation, concept of accounting regulation, concept of asset valuation, and qualitative characteristics of accounting information, assets, liabilities, income and expenses.
With regard to how to read financial statements, I will discuss the types of alternative accounting procedures and the motivation patterns of financial statement preparers on their choices, and discuss how to interpret the meaning of the published accounting figures. In addition, I will explain representative financial indicators and techniques to infer the realities of companies from the actual published financial statements.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
基本的な簿記・会計（簿記入門Ⅰ／Ⅱ、会計学入門Ⅰ／Ⅱ）を習得した学生を対象に、財務会計の制度・理論とその活用方法を体系的に講義する。財務会計の学習においては、財務諸表の「作り方」と「読み方」を同時に学ぶことが効率的であり、本講義では財務諸表の作り手と読み手の双方の視点を通して会計実務を理解することを目指す。
財務諸表の作り方については、基本的な会計原則と会計基準を解説する。これには、財務会計の目的と機能、複式簿記の原理、利益計算の考え方、会計規制の考え方、資産評価の考え方、会計情報の質的特性、資産・負債・収益・費用の各概念に関する議論などが含まれる。
財務諸表の読み方については、代替的な会計処理の手続きの種類とその選択に関する財務諸表作成者の動機のパターンを解説し、公表された会計数値の意味をいかに解釈するかについて議論する。また、代表的な財務指標を解説し、実際の公表財務諸表から企業実態を推論する技法について講義する。
到達目標Goal
①各取引をどのように会計処理すべきかについて会計に関する語彙（概念）を用いて考察する力、さらにはそれを他者に対して説明する力を習得する。
②日本の会計基準、およびIFRS（国際財務報告基準）を読解することに必要な基礎概念について理解する。
③会計数値の背後にある財務諸表作成者の意図を読み解く力を習得する。
④財務諸表（英文財務諸表を含む）から企業実態を推論する力を習得する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1-2」に関連が特に強く、「DP1-1」、「DP1-3」、「DP1-4」、「法学」、「DP2-1」、「DP2-2」、「DP4」、「DP5」に関連がかなりある
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
本授業は基本的にオンラインによるオンデマンド方式で行う。
【各回の授業構成】
各回とも授業は前半と後半に分割する。前半では財務会計の制度・理論・歴史について解説する。簿記や会計というと技術的・制度的な印象を強くもたれがちだが、本講義ではこれらの側面を踏まえながらも、さらに各取引内容の理解とその会計処理の背後にある理論的根拠や歴史的経緯に触れながら講義を進める。
後半では実際の公表財務諸表を用いて会計処理や企業実態の様子を観察・分析する。財務会計の制度と理論にもとづいて、それらを企業が実際にどのように適用して財務諸表を作成しているかを観察する。また、主要な財務指標を解説したうえで、財務諸表から企業実態を推論・分析する。とくに、公表された財務数値が企業によってどのように作られ、そこにそこからどのような企業の意図が読み取れるかを分析することに主眼を置く。
-本講義で学習する主な財務指標
売上高利益率、流動比率、自己資本比率、固定長期適合率、インタレスト・カバレッジ・レシオ、総資本回転率、棚卸資産回転率、総資産利益率、自己資本利益率(ROE)、1株当たり当期純利益(EPS)、時価簿価比率(PBR)、経済的付加価値(EVA)
【問題意識の共有と質疑応答】
受講生の理解度の確認と受講生間の問題意識の共有化を目的として、適宜、質疑応答の機会を設定する。受講生は毎回の講義で、理解できなかった点や関心をもった点などを質問票に記述し（任意）、その質問票の内容を教員が整理・体系化し、それに公開回答するかたちをとる。公開された質問者には成績評価の際に加点する(後述の「成績評価の方法と基準」を参照)。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
Ⅰ 春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1：本講義の概観
講義全体の学習内容と講義計画を説明。
2：会計システム
会計システムの構造を解説し、財務会計の主な論点を認識する。
3：会計システムの目的と役割
財務会計の目的と役割を明確化。利害調整と情報提供という目的観を解説。
4：会計システムのインプット
会計システムのインプットたる「取引」について理解する。
5：会計システムのアウトプット
損益計算書と貸借対照表について解説。収支計算書との関係を理解する。
6：複式簿記
簿記一巡の手続きの説明・実践を行う。
7：会計基準と会計法規
財務会計に関わる会計基準と法規制について、その存在理由と期待される役割を解説。
8：日本の会計基準
日本の会計基準の歴史を概観し、『企業会計原則』と『企業会計基準』について解説。
9：世界の会計基準
米国会計基準、英国会計基準、および国際財務報告基準（IFRS）の歴史と「概念フレームワーク」を解説。
10：利益計算のアプローチ
損益法と財産法の特性を考察する。
11：発生主義会計
収益・費用の認識基準について、現金主義と発生主義を対比させながら解説。
12：費用収益対応の原則
費用収益対応の原則について、具体例を用いながら解説。
13：原価主義会計
代替的な資産評価基準を検討、取得原価の合理性について解説。
14：会計システムの評価：理論と実証
現行の会計システムの理論的根拠と実証研究の発見事項を解説。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
企業のIR資料を教材として活用する。受講生は各自、企業のホームページから教材として指定された書類を入手・持参すること。なお、本授業の準備学習・復習時間は、各 2 時間を標準とする。
テキスト（教科書）Textbooks
川島健司『起業ストーリーで学ぶ会計学』中央経済社, 2021年.
参考書References
1 伊藤邦雄『新・現代会計入門』日本経済新聞社, 2018年4月現在の最新版.
2 桜井久勝『財務会計講義』中央経済社, 2018年4月現在の最新版.
3 飯野利夫『財務会計論』三訂版, 同文舘, 1993年.
4 佐藤信彦他『スタンダードテキスト財務会計論Ⅰ・基本論点編』第9版, 中央経済社, 2015年.同『スタンダードテキスト財務会計論Ⅱ・応用論点編』第9版, 中央経済社, 2015年.
5 W・H・ビーヴァー著・伊藤邦雄訳『財務報告革命』第3版, 白桃書房, 2010年.
6 W・R・スコット著・太田康広他訳『財務会計の理論と実証』中央経済社, 2008年.
7 Craig, D. Financial Accounting Theory, 3rd, McGraw-Hill, 2009.
8 Kieso, D.E. et al. Intermediate Accounting, 15th, Wiley, 2013.
成績評価の方法と基準Grading criteria
以下の2点にもとづいて評価する。括弧内はウエイト。①各授業の確認テスト（70％）、②質問票への記述状況（30％）：各回の授業終了後に受講生は質問や感想をGoogle Formで提出する。その内容は、匿名にして全受講生で共有する。その際、授業への参画と貢献に対する評価として、最大30％の範囲内で成績評価に反映する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
演習問題を増やしてほしいという要望があり、対応する。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
オンライン授業を受けるためのPC。表計算ソフトのExcel。
その他の重要事項Others
「簿記入門Ⅰ／Ⅱ」および「会計学入門Ⅰ／Ⅱ」を履修していることを前提に授業を進める。