人間社会研究科Graduate School of Social Well-being Studies

認知心理学とは、環境の意味するところを捉え、適切な行為を選択することに係る心の内的な処理に関する諸事象を明らかにすることを目指す心理学研究の一領域であり、知覚、注意、記憶、学習、言語、問題解決や推論・思考などの心的過程に関係します。
本科目ではこれらの人間の認知過程に関する、認知心理学、認知神経科学などのトピックスに触れます。
特に本科目は臨床心理学専攻において開講される科目のひとつであることから、認知心理学の知見がどのように臨床心理学(特に、認知行動療法の理論に関わる実証的基盤となっていること）に関連するのかを理解することを目的とします。

認知心理学の全体を俯瞰し、認知心理学研究の理論や手法を学び、理解します。
認知心理学研究と、臨床心理学に関わる異常心理学理論やアセスメント・介入などの実践活動を接続して捉えることができるようになります。

ディプロマポリシーのうち、「DP2」と「DP3」に関連

日本語 / Japanese

講義形式です。各回ごとにリアクションペーパーを提出し学習内容をふりかえります。
授業の初めに、前回の授業で提出されたリアクションペーパーからいくつか取り上げ、全体に対してフィードバックを行います。

なし / No

なし / No

※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。

第1回：ガイダンス／認知心理学の対象と方法

認知心理学の全体像を概観し、本科目の進め方について説明します。

第2回：知覚

知覚に関わる認知心理学的知見を学びます。

第3回：注意(1)

注意に関わる認知心理学的知見を学びます。

第4回：注意(2)

「注意障害」「注意バイアス」を特にとりあげ、臨床心理学に関連する研究を概観します。

第5回：記憶(1)

記憶に関わる認知心理学的知見を学びます。

第6回：記憶(2)

「記憶障害」「記憶バイアス」を特にとりあげ、臨床心理学に関連する研究を概観します。

第7回：言語

言語に関わる認知心理学的知見を学びます。

第8回：思考・推論・問題解決(1)

思考・推論・問題解決に関わる知見を学びます。

第9回：思考・推論・問題解決(2)

「解釈バイアス」「推論バイアス」を特にとりあげ、臨床心理学に関連する研究を概観します。

第10回：認知的制御・実行機能(1)

認知的制御や実行機能に関わる知見を学びます。

第11回：認知的制御・実行機能(2)

「認知的制御の困難」や「実行機能障害」を特にとりあげ、臨床心理学に関連する研究を概観します。

第12回：認知と感情(1)

認知と感情の関連に関わる知見を学びます。

第13回：認知と感情(2)

「認知と感情の関連に関わる問題」を特にとりあげ、臨床心理学に関連する研究を概観します。

第14回：意識と行動、まとめ

意識と行動に関わる知見を学びます。また、学期中の学習内容を振り返り、認知心理学研究と臨床心理学的な実践活動のつながりについて議論します。

あらかじめ、各回の内容に関連する学部での学習をふりかえっておくなどの準備学習を行うことが望まれます。
授業後には、扱われた内容を復習することが望まれます。
学期中に4回、授業内容に関連する小レポートの提出を求められますので、相応の授業時間外学習が必要です。
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。

使用しません。資料は学習支援システムにアップロードします。

適宜紹介します。

学期中の小レポート（4回）の結果（40％）と、平常点（60％）を総合して評価します。

認知心理学及び関連する神経科学的側面の領域に苦手意識があるもしくは関心が薄い方々にも興味を持って受講していただけたようなので、引き続き内容・進め方を工夫していきたいと考えています。

神経心理学、認知行動病理学