法務研究科Law School
LAW500A2(法学 / law 500)労働法ⅠLabor Law Ⅰ
浜村 彰Akira HAMAMURA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法務研究科Law School |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | V4141 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火4/Tue.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 2~ |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 選択 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
展開・先端科目群 展開 |
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すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This lecture aims to acquire legal theory and practical legal knowledge of Labor Contract Law/Labor Standards Law and application skill to solve problems. For each item, we first give an overview of the theoretical precedents and learn labor law theory in a case-study manner with the case problem. The goal is to acquire the ability to solve the problem appropriately, especially with regard to major themes of the Labor Contract Law and the Labor Standards Law.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
・労働契約法・労働基準法の法理論と実務的法知識および問題を解決する応用力の修得を目的する。各項目について最初に学説判例の概観をし、それを踏まえて事例問題を題材にケース・スタディ方式で労働法理論を学んでいく。とくに労働契約法・労働基準法の主要テーマについて、最高裁を中心とした判例動向を押さえながら、判例学説の議論を学習し、問題を適切に解決する能力を身につけるのが目標である。
到達目標Goal
・本授業を受講した院生は、労働法総論として労働法全体の基本的仕組みや労働法の基本理念・原理を踏まえたうえで、昨今の労働法の改正動向を理解することができる。
・各論としては、労働契約法については、労働契約の締結から終了にいたる過程で発生する労働契約をめぐる法的問題を学習することを通じて、採用や配転・出向、就業規則による労働条件の決定と変更、解雇規制などの具体的問題を正確に理解することができる。
・また、労働基準法上の労働時間規制をめぐる問題として、具体的には労働時間の原則、労働時間の弾力化、休憩・休日・休暇に関する法律問題などを正確に理解することができる。
・本授業を受講した院生は、これらの学習を通じて、労働契約法や労働基準法の適用に関する具体的事例問題について、論点を正確に把握し、その点をめぐる裁判実務の現状を踏まえたうえで、適切な解答を記述できる力を身につけることができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP6」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
・各テーマについて判例学説の到達点を概観する。そして、各テーマに関する事例問題を提示し、その論点の析出と議論の整理を中心としたケース・スタディ方式の授業とする。
・各テーマごとに事例問題を宿題として出し、院生と応答しながら論点整理を行って、それを踏まえた答案を作成してもらう。
・毎回授業で用いる事例問題や資料等は印刷物で配布する。
・提出された課題等に対して、添削・返却する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:労働法の基本原理と法源
労働法総論として労働法の理念と基本原理および労働法の全体を概観して、この授業の全体の組み立てを説明した後に、契約・就業規則・労働協約・労使慣行等の各種法源の相互関係を理解する。
[準備学習等]
授業前に学習支援システムにアップした資料を事前に読んでくること、授業で配布した事例問題の争点整理をしてくること。
第2回:労働基準法・労働契約法上の労働者とは
労働基準法・労働契約法上の労働者の概念をめぐる最近の議論の整理とそれを前提とした法適用のあり方を検討する。
[準備学習等]
同上
第3回:労働契約法上の使用者概念の拡張
労働契約法上の使用者をめぐる最近の議論を整理し、判例法理の到達点を学習する。
[準備学習等]
同上
第4回:労働契約の終了-解雇
労働契約法の様々な問題のかなめ石となる解雇法制と退職、解雇の金銭解決制度などの労働契約の終了をめぐる法的問題を検討する。
[準備学習等]
同上
第5回:労働契約の締結
労基法上の労働条件明示義務、採用内定、試用期間などの労働契約の締結をめぐる法的問題を理解する。
[準備学習等]
同上
第6回:労働契約の期間と有期労働契約の法的規制
労基法上の労働契約の期間に関する規定と有期労働契約をめぐる法的問題を労働契約法の規制を含めて講義する。
[準備学習等]
同上
第7回:就業規則による労働条件の決定と変更①
労基法上の就業規則法制を踏まえたうえで、労働契約上の労働条件を決定する就業規則の法的性質をめぐる議論と労働契約法上の就業規則に関する規定の意義・内容、その適用をめぐる問題について学ぶ。
[準備学習等]
同上
第8回:就業規則による労働条件の決定と変更②
就業規則による労働契約上の労働条件の不利益変更をめぐる問題について判例法理を整理し、労働契約法の仕組みを理解するとともに、その他の労働条件変更手段について学ぶ。
[準備学習等]
同上
第9回:労働契約上の権利・義務
労働契約の主たる権利・義務と個別的労働条件の決定と変更に関して配転・出向を素材に講義する。
[準備学習等]
同上
第10回:労働基準法上の賃金規制と成果主義的賃金をめぐる法的問題点
労基法上の賃金規制と成果主義的賃金制度などの最近の賃金制度の変容に伴う法律問題を検討する。
[準備学習等]
同上
第11回:法定労働時間と労働基準法上の労働時間の概念
労働基準法の法定労働時間の原則と例外(適用除外も含む)を整理し、労働時間の概念や起算点をめぐる法律問題を検討するとともに、ホワイトカラーエグゼンプションの導入論議を検討する。
[準備学習等]
同上
第12回:時間外・休日労働の法的規制と残業義務
時間外労働・休日労働の法的規制の仕組みと残業義務をめぐる学説判例の到達点を学ぶ。
[準備学習等]
同上
第13回:労働時間の弾力化とみなし労働時間制
変形労働時間制などの労働時間の弾力化措置と裁量労働制などの労働時間のみなし制を学ぶ。
[準備学習等]
同上
第14回:休憩・休日・休暇
休憩・休日・休暇をめぐる法的規制と判例法理の到達点を学ぶ。
[準備学習等]
同上
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・学生は事前に各テーマに関する基本テキストを読んでくること。
・学生は宿題として出される事例問題の論点を整理すること。
・学生は事例問題の答案を作成し、提出すること。
・本授業の準備学習・復習時間は各2 時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
・特に教科書は指定せず、授業中に配布するプリントと裁判資料を題材に授業を進める。
参考書References
・労働判例百選(第9版)
・労働法の争点(2014年)
・石田眞・豊川義明・浜村彰・山田省三編『ロースクール演習労働法(第2版)』(法学書院)
・なお、初めて労働法を学ぶものは、浜村彰・唐津博・青野覚・奥田香子『ベーシック労働法(第8版)』(有斐閣、2020年)を読んでおくこと。
成績評価の方法と基準Grading criteria
・授業期間中における評価(平常点)
-授業出席時の質疑応答-15%、練習問題の答案の評価-25%
・期末における評価
-定期試験 60%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
・できる限り、学生と討論する時間を確保したい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし
その他の重要事項Others
・オフィスアワーについては、適宜応じることとする。
専門領域と研究業績
<専門領域>労働法
<研究テーマ>従業員代表制、労働契約法、労働時間法
<主要研究業績>
『ベーシック労働法第8版』(有斐閣、2020年)、「ライフステージと法(第8版)(有斐閣、2020年)、「改正労働者派遣法による派遣労働者の均等・均衡待遇」季労268号(2020年)、「最高裁判例法理の再検討⑥秋北バス事件-就業規則の法的性質」労旬1957号(2020年)、「プラットホームエコノミーと就労者の法的保護」労委労協762号(2020年)、「タクシー乗務員の歩合給からの残業手当相当額の控除」ジュリスト令和2年度重要判例解説(2021年)