法務研究科Law School
LAW500A2（法学 / law 500）債権回収法Debtor and Creditor Law
大中 有信Arinobu ONAKA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 法務研究科Law School |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2021 |
| 授業コードClass code | V4121 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 火4/Tue.4 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | 2～ |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | 選択 |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory |
展開・先端科目群 展開 |
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Outline (in English)
Civil law receivables under the Civil Code have claiming power, grasping ability, benefit retention capability as substantial rights. Therefore, the obligee exercises the claiming power and the grasping ability of these authorities to collect the debts, but as a remedy method in the case of arbitrary repayment of the claim can not be obtained and falling into the defaulted state, the procedure law It is planned to collect by force enforcement under the civil execution enforcement law. If we go further and the obligor falls into insolvency, we will try to recover by the legal system concerning the bankruptcy process. Under such circumstances, however, under the circumstances of a single creditor and the debtor only the problem can not be processed and focuses on the viewpoint of maximizing the satisfaction of the creditors group. Under various stages leading from insolvent defaults to insolvency, substantive claims are subject to various transformations due to procedural and procedural law changes to substantive legal norms.
By analyzing the phenomenon form of the transformation of the substantive law by the Procedural Law and its justification principle and concrete consideration for each individual collection target, it is possible to analyze the substantive law and It is the purpose of this lesson to deepen the comprehensive understanding of the procedural law.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
民法上の金銭債権は，実体法上の権利として，請求力，掴取力，給付保持力を有する。したがって，債権者はこれらの権能のうち請求力と掴取力を行使して債権回収を図るが，請求に対する任意の弁済がえられず債務不履行状態に陥った場合の救済方法としては，手続法である民事執行法上の強制執行による回収を図ることになる。さらに進んで，債務者が支払不能に陥った場合は，倒産処理にかかる法制度によって回収を図ることになるが，このような状況下では，単独の債権者と債務者の関係でのみでは問題を処理することはできず，債権者集団の満足の最大化という観点を中心におくことになる。単なる債務不履行から，支払不能に至る諸段階の中で，実体法上の債権は，手続きと手続法による実体法規範の変更によって，様々な変容を被る。
手続法による実体法の変容の現象形態とその正当化原理がどのようなものであるか，個別の回収対象ごとに具体的な考察をおこなうことで，債権回収という観点から見た，実体法および手続法の総合的な理解を深めることがこの授業の目的である。
到達目標Goal
この講義は，主として民法上の債権の物的・人的担保および債権の効力，債権の消滅並びに多数当事者の債権関係に関する諸規定のうち金銭債権の回収に関わる制度と関連する民事執行法，倒産処理法（破産法，会社更生法，民事再生法等）の諸制度における債権の処遇の比較を通じて，債権を回収するに際して生ずる法律問題群を明確に理解することが目標である。
このことを通じて，債権回収という機能的観点から見た，実体法と手続法のより立体的な理解に到達する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「ＤＰ６」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
一応講義形式ではあるが，比較的複雑な具体的事例を中心にして，与えられた設問に解答を与える中で，主要な判決例，民法，民事執行法，倒産処理法の制度の内容について理解を深めて行く。
第1，2回において，導入として債権回収法というコンセプト自体について解説するとともに，民法以外の関係諸制度の概要について概観する。
第3回以降は，個別の回収についての問題群を，債権回収対象ごとに大きく，I. 金銭債権を対象とする債権回収（第3回〜第6回），II. 動産を対象とする債権回収（第7及び第8回）， III. 不動産を対象とする債権回収（第9回〜第11回），IV. 保証による債権回収（第12回〜第14回）に分けて検討する。設問については，適宜質疑応答を行うから，事前に配布する教材の事案を，判例集，教科書等を参考にしながら，各自検討したうえで受講していただきたい。
また授業中に指示する課題等に対して，授業内で講評する。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回：債権回収法の意義と視角（その1）
債権回収法の対象，債権回収における実体法と手続法の関係
［準備学習等］
教材の検討
第2回：債権回収法の意義と視角（その２）
民事執行法，倒産処理法の概要
手続法による実体法の変容とその分析視角
債権回収と「私的整理」および「私的整理ガイドライン」の意義
第3回：金銭債権執行による債権の回収
金銭債権執行の構造，金銭債権執行による債権の回収，金銭債権執行と債権者代位権による債権の回収
第4回：倒産手続きにおける否認と詐害行為取消権
否認と詐害行為取消権の対比，個別構成要件の比較，個別債権についての優先的債権回収とその正当化
第5回：債権譲渡
指名債権債権譲渡の対抗要件構造，特例法による登記，集合債権譲渡担保とその効力，倒産手続きにおける集合債権譲渡担保の効力
第6回：相殺
相殺による債権回収の概要，差押えと相殺についての債権回収的視角からする文責，相殺の担保的機能を巡る倒産処理法における処遇
第7回：集合動産譲渡担保
動産執行の手続き，集合動産譲渡担保の性質と意義，集合動産譲渡担保の実行手続，倒産処理における集合動産譲渡担保の処遇
第8回：動産売主の代金債権回収
売主の代金債権回収方法の概観，執行手続における代金債権回収，倒産処理における代金債権の処遇
第9回：占有による執行妨害
占有による執行妨害と執行法上の対応，執行妨害に対する実体法上の対応，執行妨害に対する倒産法上の処遇
第10回：不動産の果実を対象とする債権回収
賃貸不動産からの債権回収，抵当権による物上代位，不動産収益執行制度，賃貸不動産の倒産処理法における処遇
第11回：抵当不動産の任意売却
抵当不動産の売却，代価弁済と抵当権消滅請求，倒産手続きによる抵当不動産の譲渡
第12回：弁済による代位と共同抵当
弁済による代位の法的性質，共同抵当における負担の割り付け，
弁済による代位と法定代位権者の負担割合，一部弁済と個別執行の関係，一部弁済による代位と倒産処理法
第13回：主債務者の免責と保証
主債務者の免責と保証，付従性との関係，倒産処理法における主債務者の免責と保証，私的整理における主債務者の免責
第14回：機関保証と特約
協会保証の契約複合類型，保証人間の特約，保証人と債権者との特約
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
事前に配布するプリント教材について検討すること。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
事前に配布するプリント教材
高須・木納・大中編著『事案分析 要件事実―主張整理の基礎』（弘
文堂，2015 年）
参考書References
講義中に指示する
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業期間中における評価（平常点）
質疑応答10 ％
期末における評価
試験90 ％
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
法的文書の起案に際しての注意点についても，詳細な指示をおこなう。