法務研究科Law School
LAW500A2（法学 / law 500）現代的契約関係法Modern Contract Law
高須 順一Junichi TAKASU
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 法務研究科Law School |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2021 |
| 授業コードClass code | V4111 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 水4/Wed.4 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | |
| 配当年次Grade | 2～ |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | 選択 |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory |
展開・先端科目群 展開 |
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Outline (in English)
In modern contract society, it becomes the contents of the class to have you recognize the importance that contract-related law has enough. It is a class about "the modernization of the civil law". At first I examine the problems every each contract type such as type contracts concretely in a contract about the way ,③ buying and selling of the general rules about contract relations represented by ,① contract social fabric ,② observance of a contract obstacle law, a contract about the finance, a contract about the real estate, the present age. I understand that であり, the new rules about modern contract relations are established in a new law. It is a purpose to learn social significance, the influence that a contract-related principle of law in the modern society has concretely.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
現代契約社会において、契約関係法が有する重要性を十分に認識することが授業の内容となる。「民法の現代化」に関する授業である。①契約社会の基本構造、②履行障害法に代表される契約関係に関する一般的規律のあり方、③売買に関する契約、金融に関する契約、不動産に関する契約、現代型契約等の各契約類型ごとの問題点などを具体的に検討する。現代的な契約関係に関する新しい規律が改正債権法に設けられていることを理解する。現代社会における契約関係法理が有する社会的意義、影響を具体的に学ぶことができるようにすることがこの授業の目的である。
到達目標Goal
現代契約社会において、契約関係法がどのような機能を有しているかを理解できるようにする。契約の拘束力が重視される現代社会の有り様を実感できるようにする。そのうえで、このような現代的契約関係法に関する、最新の解釈法理を習得して理解できるようにする。
１２１年ぶりの民法の抜本的改正となる改正債権法がすでに成立し、2020年４月１日から施行されている。債権法改正の目的のひとつが、「民法の現代化」である。この点を十分に認識できるようにする。
なお、債権法の改正内容に関する基本的理解は、すでに民法の授業で行われているので、本授業では、テキストの具体的な例題を通して、債権法改正後の実務的課題について双方向、多方向で検討を加えることとする。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「ＤＰ６」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
既に改正法が施行されるているので、事例検討を通じて具体的な検討を行いたい。テキストを指定するので、そこに掲載される事例の検討を行う。改正債権法の規律を前提とすれば、どのような法律関係になるのかについて、予め検討して授業に臨んでもらいたい。授業では改正法案に基づく新しい契約法の規律が、現行法の規律とどのように異なることになるのかについて、しっかりとした理解をしてもらえるように解説したいと考えている。
テキストに示された課題については、授業の中でフィードバックする。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回：履行障害法の変容１
パクタ原則に基づく債務不履行損害賠償法理と解除の検討
［準備学習等］
テキスト55頁から80頁及び事前配付資料の検討
第2回：履行障害法の変容２
危険負担制度の変容と解除との関係の検討
［準備学習等］
テキスト81頁から100頁及び事前配付資料の検討
第3回：売買契約の現代化
売主の担保責任に関する規律の検討
［準備学習等］
テキスト298頁から321頁及び事前配付資料の検討
第4回：役務提供契約の現代化
新しい請負契約の規律の検討
［準備学習等］
テキスト322頁から343頁及び事前配付資料の検討
第5回：金融取引の現代化
差押えと相殺、債権譲渡と相殺に関する具体的事例の検討
［準備学習等］
テキスト203頁から224頁及び事前配付資料の検討
第6回：法定利率制度の変容
法定利率制度の改正が実務に与える影響の検討
［準備学習等］
テキスト12頁から32頁及び事前配付資料の検討
第7回：新しい保証法制の規律
根保証の規律の拡大、保証意思宣明公正証書、情報提供義務に関する規律の検討
［準備学習等］
テキスト172頁から202頁及び事前配付資料の検討
第8回：契約の効力保全に関する法理１
新しい債権者代位権の規律の検討
［準備学習等］
テキスト101頁から125頁及び事前配付資料の検討
第9回：契約の効力保全に関する法理２
新しい詐害行為取消権の規律の検討
［準備学習等］
テキスト126頁から151頁及び事前配付資料の検討
第10回：債権譲渡取引の現代化１
新しい債権譲渡法制の検討
［準備学習等］
テキスト225頁から247頁及び事前配付資料の検討
第11回：債権譲渡取引の現代化２
将来債権譲渡に関する規律の検討
［準備学習等］
テキスト248頁から269頁及び事前配付資料の検討
第12回：定型約款の規律
定型約款の規律の内容及び取引社会に与える影響の検討
［準備学習等］
テキスト270頁から297頁及び事前配付資料の検討
第13回：時の経過に関する規律の現代化
新しい消滅時効法制の検討
［準備学習等］
テキスト33頁から54頁及び事前配付資料の検討
第14回：現代的契約関係の特徴とこれをめぐる議論
現代的契約関係論の紹介と改正債権法の残された課題［準備学習等］
テキスト334頁から365頁及び事前配付資料の検討
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
テキストの該当頁及び毎回、事前配布する資料については、目を通しておく必要がある。とりわけ、テキストの当該部分の説例については解答の道筋を事前に検討しておくことが望ましい。また、授業を通じて関心が生じた事柄については、自ら文献にあたるなどすれば、より学習効果が向上する。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
道垣内弘人・中井康之編著『債権法改正と実務上の課題』有斐閣、2019年をテキストとして使用する。
さらに、理解の手助けとして事前配布資料を用意する予定である。
参考書References
利用は任意であるが、改正債権法に関する以下の書籍を参考書とする。
１．筒井健夫・村松秀樹編著『一問一答 民法（債権関係）改正』商事法務、2018年
２．潮見佳男『民法（債権関係）改正法の概要』きんざい、2017年
成績評価の方法と基準Grading criteria
①現代取引社会における契約の重要性に関する理解が正確か否か
②契約の拘束力に関する明確な認識を持ち得るか否か
③債権法改正に基づく影響を正確に理解しうるか否か
等を評定の基準とする。
授業期間中における評価（平常点）
授業中の質疑応答３０％
期末における評価
定期試験 ７０％
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
現代的事象に関わる授業であるため、馴染みのない事柄も多いようである。平易かつ具体的な授業を心がけたい。また、改正債権法の理解の手助けとなる授業としたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特にない。
その他の重要事項Others
平成の大改正と言われ、多くの法律が改正されている。その中でも今回の債権法の改正は、１２１年ぶりの民法の抜本的改正であるというのみならず、民法の現代化という重要課題に直結する問題である。新しい契約法の要諦を学習するという意識をもって授業に臨んでほしい。
なお、担当教員は、2009年から2015年まで開催された法務省法制審議会民法（債権関係）部会幹事として債権法改正作業に直接に関与した。また、改正債権法成立後は、司法研修所や全国の弁護士会等において数多くの研修講師を務めている。その経験を生かした授業を実施する予定である。