法務研究科Law School

家族法全般を概観する。親族法・相続法の基礎的事項について、判例、主要学説を検討しつつ習得することを目的とする。最近の家族法改正についても適宜触れる。授業時間の制約上、講義で扱う内容は限られるため、受講者各自が十分な予習・復習を行う必要がある。
　

親族法・相続法の基礎概念をしっかり把握し、それぞれの制度趣旨を徹底的に理解することができる。親族法および相続法の分野の全体構造および基本的ルールを把握し、それを用いた法的議論を展開できるようになるとともに、具体的事例へのアプローチの方法をつかむ。

ディプロマポリシーのうち、「ＤＰ１」と「ＤＰ２」に関連

日本語 / Japanese

授業は、担当教員による基本事項の解説からなる。各分野ごとに制度の概要を解説し、実践的な解決方法を考えることができるようにする。解説に関わる部分は、学生への質問を活用する。学生の理解度に応じて、授業計画は変更されることがある。
定期試験実施後、問題解説、答案返却を行う。

あり / Yes

なし / No

※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。

第1回：家族・家族法とは何か
戸籍制度

日本家族法の理解、制度的特徴

第2回：家事事件処理手続き、親族

親族法総論

第3回：婚姻

婚姻の要件、効果

第4回：離婚

離婚の要件、効果

第5回：実親子法

実親子法の構造と諸問題

第6回：養子法

養子法の構造と諸問題

第7回：親権・後見

親権法、後見法の諸問題

第8回：扶養

扶養法の諸問題

第9回：相続法の構造

日本相続法の構造的問題

第10回：相続人・相続分

相続人・相続分の解説

第11回：相続の要件、相続回復請求権

相続の要件等の諸問題、相続回復請求権の意義

第12回：遺産共有

遺産共有の諸問題、相続財産の取引など

第13回：遺産分割

遺産分割の方法と効果

第14回：遺言・遺留分

遺言・遺留分制度の意義と機能

授業内容を確実に消化するためには、教員の指示に従い課題をこなすほか、授業の予習・復習が必要とされる。事前に詳しいレジメを配布する予定である。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。

授業中に使用する教科書はない。しかし親族法・相続法の概説書をどれか購入して、該当部分を予習・復習、とくに予習しておくことを強く勧める。私の比較的お勧めの概説書は、前田陽一ほか『民法６リーガルクエスト（第５版）』（有斐閣、2019年）である。

テキスト欄に書いた本の他、参考書としては、
大村敦志『家族法（第3版）』（有斐閣、2010年）
潮見佳男『詳解相続法』（弘文堂、2018年）
窪田充見『家族法（第4版）』（有斐閣、2019年）
内田貴ほか『民法判例集　親族・相続』（有斐閣、2014年）
水野紀子ほか編『民法判例百選Ⅲ（第2版）』（有斐閣、2018年）
青竹美佳ほか『START UP判例30！民法5親族・相続』（有斐閣、2017年）

授業期間中における評価（平常点）
　授業態度、授業での質疑応答（20％）

期末における評価
　定期試験　80％

本年度授業担当者変更により、気づきはありません。