人間社会研究科Graduate School of Social Well-being Studies
PSY500J2(心理学 / Psychology 500)発達心理学特論Developmental Psychology
斎藤 慈子
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間社会研究科Graduate School of Social Well-being Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | S1014 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期集中/Intensive(Fall) |
曜日・時限Day/Period | 集中・その他 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市富士-F401 |
配当年次Grade | 2 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | 2023年度の授業実施日は、2024年1月25日(木)・26日(金)・29日(月) |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
臨床心理学専攻 専門展開科目(基礎心理科目) |
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Outline (in English)
The child development is supported by child-rearing and education. However, today's child-rearing and education are full of assumptions. Parental isolation and lack of social support are problems. Parents have no experience interacting with children and rely on information on the Internet. Evolutionary perspective can help us to look at parenting and education objectively. We will acquire the perspectives on human development, child-rearing and education outside the bounds of common sense by learning the evolutionary biology and cultural variation.
Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content.
Indicate 50 percentages for participation and attitude and 50 percentages of report evaluation
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
子どもの発達を支えるものとして、子育てや教育があげられるが、現代の子育てや教育には、「すべし」が蔓延している。少子化、核家族化が進み、幼い子どもと接する経験がほとんどないまま親となり、社会的なサポートも少なく、孤独な子育ての中で、今の親は、インターネット上にあふれる情報の中の無数の「すべし」に翻弄されているようである。安易なハウツーに走らず、客観的に子どもの発達、子育て、教育をとらえるのに役立つものとして、進化的な視点がある。ヒトも進化の産物、一動物種であることを前提にし、進化生物学的な視点から発達や子育てをとらえ、いろいろな動物の子育てを眺め、かつ文化的な多様性についても理解を深めることで、ヒトの発達、子育て、教育を「すべし」の枠の外からとらえる視点を身に付ける。
到達目標Goal
ヒトの発達・子育て・教育を進化的視点からとらえることができる。
ヒトの発達・子育て・教育の多様性を理解し、「常識」の枠の外から発達・子育て・教育とらえることができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」と「DP2」と「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
授業の前半では教員からの講義を行い、講義内容に基づき、感想及び疑問点について、5名程度のグループでディスカッションを行う。グループごとに感想や疑問点をまとめて発表し、教員がフィードバックを行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:イントロダクション・ヒトが育つ環境について、動物行動の4つのなぜ
受講生が考えるヒトの発達において重要なものについてディスカッションを行ったのち、ヒトを含めた動物の行動のとらえ方について解説する。
第2回[対面/face to face]:ヒトが育つ要因:遺伝と環境
ヒトの発達における遺伝と環境に関する講義を行った後、講義内容に基づいてディスカッションを行う。
第3回[対面/face to face]:適応と自然淘汰・性淘汰
進化プロセスを説明する一つである適応についての講義を行った後、講義内容に基づいてディスカッションを行う。
第4回[対面/face to face]:利他行動の進化
子育てはある種自己を犠牲にする行動ともとらえられるが、自己を犠牲にして他者の利益となる行動、利他行動の適応論的説明について講義を行った後、講義内容に基づいてディスカッションを行う。
第5回[対面/face to face]:発達・子育てを進化的にとらえる(生活史・親行動と親子の対立)
発達・子育て行動の進化的説明について講義を行った後、講義内容に基づいてディスカッションを行う。
第6回[対面/face to face]:げっ歯類・霊長類の子育て行動のメカニズム
ヒトの行動を理解するためのモデル動物として用いられることも多い、げっ歯類・霊長類の子育て行動のメカニズムに関する講義を行った後、講義内容に基づいてディスカッションを行う。
第7回[対面/face to face]:さまざまな動物の子育て(霊長類)
コモンマーモセットという小型霊長類の子育てを中心に、霊長類の子育てについて講義を行った後、講義内容に基づいてディスカッションを行う。
第8回[対面/face to face]:さまざまな動物の子育て(その他哺乳類・哺乳類以外)
哺乳類やその他の動物の子育てについて講義を行った後、講義内容に基づいてディスカッションを行う。
第9回[対面/face to face]:ヒトの発達・子育て・教育の特殊性
霊長類と比較することによりヒトの発達・子育て・教育の特殊性について講義を行った後、講義内容に基づいてディスカッションを行う。
第10回[対面/face to face]:ヒトの子育て行動のメカニズム(認知・生理)
ヒトの子育て行動にかかわる認知、生理、神経基盤等について講義を行った後、講義内容に基づいてディスカッションを行う。
第11回[対面/face to face]:「母親」をめぐる大きな誤解
母性神話、三歳児神話が「神話」である理由について講義を行った後、講義内容に基づいてディスカッションを行う。
第12回[対面/face to face]:文化進化
文化の進化、文化と生物進化について講義を行った後、講義内容に基づいてディスカッションを行う。
第13回[対面/face to face]:ヒトの子育ての多様性
ヒトの子育ての地域・文化による多様性について講義を行った後、講義内容に基づいてディスカッションを行う。
第14回[対面/face to face]:発表と振り返り
講義全体を通して学んだことについてディスカッションおよび各自で振り返りを行い、内容について履修者が発表を行う。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
発達、子育て、教育に関する関連文献を読むとともに、自身や周囲の子どもや大人の発達について、その要因に関して考えておくこと。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
特に使用しない。
参考書References
「正解は一つじゃない 子育てする動物たち」 齋藤慈子・平石界・久世濃子(編) 長谷川眞理子(監修) 東京大学出版会
成績評価の方法と基準Grading criteria
1回の授業に対して、予習・復習を各2時間、計4時間の学修時間を確保すること
受講中の参加度や意欲や行動(50%)提出レポートの評価(50%)の総合評価を行う
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特にない。
その他の重要事項Others
市ヶ谷校舎で集中講義を行います。受講の条件は集中講義期間に出席できることが、望ましいです。
担当教員の専門分野等
<専門分野>
発達心理学、進化心理学、比較認知科学
オフィスアワー
授業の開始前または授業後に教室で質問・相談を受け付けます。