人間社会研究科Graduate School of Social Well-being Studies
SOW500J2(社会福祉学 / Social Welfare 500)児童福祉特論Social Work and Services (Child and Family)
岩田 美香Mika IWATA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 人間社会研究科Graduate School of Social Well-being Studies |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | S0011 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 木5/Thu.5 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 多摩 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 1・2 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
臨床心理学専攻 専門展開科目(関連専門領域科目) |
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Outline (in English)
This course will examine the major issues of children and their families in a social context.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
子どもにとって家族は、安寧と権利を保障される場であると同時に、ストレスをもたらし虐待のような権利侵害の場としても存在している。この講義では、文献の検討を通して、広く社会構造の中で子ども・家族をとらえ直し、その求められる役割と機能等について社会福祉の立場から考察を深める。あわせて、子どもと家族への援助についての検討を行う。
到達目標Goal
・子どもと家族がおかれている現状を把握する。
・子ども家庭福祉、教育、それらに関連する研究論文を読み解く。
・子どもと家族に対するソーシャルワークおよび教育に関して、学際的な検討を行う。
・履修者の研究関心と照らし合わせ、批判的意見も含めて検討する。
・議論の積み重ねを各自の研究にフィードバックしていく。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」と「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
・上記の到達目標を達成するため、本年度は、親子関係と子育てに関する文献を題材として、各自の研究関心との関連で議論していく。
・履修者は、自身の研究関心をもとに、全員が文献に関する論点を書き出したペーパーを毎回用意し、それをもとに議論を進めていく。
・各自の研究について発表し、様々な領域や視点からの検討を行う。
・授業の最後に、課題についての講評を行い、フィードバックしていく。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:オリエンテーション
授業の進め方、各自の問題関心についての発表
第2回:「育児の社会化」の再構想
実施主義と「ハイブリッドな親子関係」、何が育児の社会化を阻むのか
第3回:代理出産における親子・血縁
代理出産の歴史、他人の受精卵、棄てられる子ども、ゲイカップルの依頼者
第4回:個人研究発表1
各自の研究関心について発表し議論する(2名)
第5回:特別養子制度の立法過程からみる親子観
戸籍の記載をめぐる議論、実親子の法律関係をめぐる議論、「実親子」と「血縁」をめぐるポリティックス
第6回:「家族」のリスクと里親養育
里親制度の変遷、被支援者としての「里親」の構築、「普通の家族」というフィクション
第7回:個人研究発表2
各自の研究関心について発表し議論する(2名)
第8回:「施設養護」での育児規範の「理想形の上昇」
戦後における乳児院と児童養護施設の増加、1960年代後半から70年代前半の「新しい児童問題」の興隆
第9回:<ハイブリッド>性からみる「ハイブリッドな親子」のゆくえ
「親子」の要素の分節・接合と解釈の政治、親子の序列化
第10回:個人研究発表3
各自の研究関心について発表し議論する(2名)
第11回:子育ての脱家族化をめぐる「家庭」ロジックの検討
施設養護と家庭的養護との優劣をめぐる論争、「家庭化」への収斂の背景
第12回:社会的養護施策の推進における家庭的養護観の検討
子ども家庭福祉における家庭養護観、家族社会学研究における家庭養護観、家庭的養護志向の今後
第13回:個人研究発表4
各自の研究関心について発表し議論する(2名)
第14回:総括
全体を通してのディスカッション
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・事前に文献を読み、自身の研究関心をもとにテーマに関する論点を書き出したペーパーを毎回用意すること。
・本授業の準備・復習時間は、各回4時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
野辺陽子・松木洋人・日比野由利・和泉広恵・土屋敦(2016)『<ハイブリッドな親子>の社会学―血縁・家族へのこだわりを解きほぐす』青弓社
参考書References
・藤間公太(2013)「子育ての脱家族化をめぐる『家庭』ロジックの検討―社会的養護に関する議論を手がかりに―」『家族福祉研究』No.38、91-107。
・武石卓也・山縣文治(2020)「社会的養護施策の推進における家庭的養護観の検討:家族社会学科らの批判を踏まえ」『人間健康学研究』13巻、97-108。
他は、履修者の関心に応じて、適宜紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
講義内発表と討論参加(30%)、課題の提出(30%)、最終レポート(40%)
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし
担当教員の専門分野
〈専門領域〉子ども・家族福祉論、教育福祉論
〈研究テーマ〉
1.子育て・子育ちの社会的不平等
2.子どもと家族へのソーシャルワーク