法学部Faculty of Law
LAW300AB(法学 / law 300)法と遺伝学ⅡLaw and Genetics 2
和田 幹彦Wada Mikihiko
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2025 |
| 授業コードClass code | A0133 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
| 科目種別Class Type | 講義 |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
| 教室名称Classroom name | Y704 |
| 配当年次Grade | 3~4 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考(履修条件等)Notes | |
| 他学部公開科目Open Courses | ○ |
| 他学部公開(履修条件等)Open Courses (Notes) | 【他学部公開科目として履修する学生への案内】履修年次は3~4年 |
| グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
| 成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学生:履修を希望する場合は、所定の手続きに従って申請すること。 履修年次は3~4年。 |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
| カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | 選択科目 |
| カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | 自由科目(他学科主催科目) |
| カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) |
選択科目(84単位以上) 自由科目(他学科主催科目) |
| カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | 自由科目(他学科主催科目) |
| カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) | 自由科目(他学科主催科目) |
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Outline (in English)
【Course outline】: To learn the new issues of "Law, Behavioral Genetics, Evolutionary Biology & Psychology, and Neuroscience".
【Learning Objectives】:To learn and to think on your own, further to express your own understanding of the evolutionary foundations of law, and law's evolution itself.
【Learning activities outside of classroom】: Read the class material in advance and as review, taking 2 hours each, making the activity 4 hours per a weekly class.
【Grading Criteria/Policy】: Class participation for 50/100 points. Final exam or paper for 50/100 points.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
★この授業は「他学部公開科目」でもあり、他学部生も3-4年生はどなたでも履修できます!
★そこの人! ハイ、この頁に目をとめたあなたです。ちょっと考えてみて下さい。
【授業の概要】
人間の法と行動って、どこまで遺伝子・生物進化、そしてその産物である脳・思考の影響があるのでしょう?例えば:
①なぜ民法の「親族法」には、そもそも結婚についての法律があるの? その根源的な理由って何? ヒトの進化と関係があるの?(あります! 第8回授業【人類進化でなぜ家族は重要か、そこから「家族法」がいかに進化したか】を参照)
②なぜ民法の「相続法」により相続はできるのか? その根源的な理由って何? ヒトの進化と関係があるの?(あります! 第9回授業【「家父長制・相続の起源」「現代の個人相続」の解説】を参照)
③憲法や民法の詳しい法律の根底には、他の生物と共通の「法の根源的基盤」があるのか?(あります! 第5回授業【「法の進化的基盤」の解説】を参照)
【授業の目的・意義】
以上の中の一つでも関心があれば…これらの問いを解明するのが本授業の目的・意義です。ただ、ちょい待ち…正しい答は一つではない。世界中で誰もこの3つの問に絶対的な答を出した人はいないのです。答は一人一人が「独自の思考で考察する(自分の頭で考える)」のです。論理的に、法学的に。法学部生以外の方も市民の目線で。
本授業「法と遺伝学II」の内容・到達目標の1つ「進化の結果を踏まえて人間集団・国際社会での不当な差別をどのように解消すべきか」は、21世紀の人類社会の構図を決める問題なのです。ならば、自然科学の発展を踏まえ、「法と遺伝学」の関係を、法学の専門家だけでなく、市民が自ら考察し、理解を深めましょう。それこそがこの授業の問いかけであり、目的・意義なのです。
★この科目は「文化・社会と法コース」に属します。
到達目標Goal
【1】学生は、21世紀の遺伝学・進化生物学・文化進化論の発展の基礎を学び、これらの自然科学と連動して、新たに「法とは何か?」という法学の根源的な問いと向き合います。そして「正しい答えは一つではない」という大前提の下に、「独自の思考で考察する(自分の頭で考える)」ことにより「この問いに『応える』」能力を身につけること。
【2】さらに「生物とヒトとヒトの法がこのように進化した」結果は決して「現代の人間集団と国際社会」を束縛するのではなく、逆に「進化の結果を踏まえて人間集団・国際社会での不当な差別をどのように解消すべきか」という問いへの考察に繋げること。
【3】学生同士のグループディスカッションにより、教材中の論点についての疑問・理解の情報を交換し、相互に知的刺激を与えることで、上記の新たな問いについて「独自の考察」を行い、教員を含む授業全員でさらに議論を重ねて、新たな解決策を見いだす能力を身につけることも目標です。
以上の【1】【2】【3】がこの授業の到達目標です。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」、「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
【成績評価の方法と基準】も参照すること:
●法学部生・他学部生の皆さんには馴染みが薄い科学の分野を、まず解りやすく解説します:遺伝学・進化生物学・文化進化論の基礎と、さらに法・法学との関係を解説していきます。
●講義・解説形式に加えて講義内容の質疑応答(ディスカッション)形式を取ります。教室で、そして学習支援システム上の「掲示板」を用いた学生の自由な発言・質問・投稿を歓迎します。
●学生は、学期中に毎回、学習支援システム上の「掲示板」にリアクションペーパー提出の方法で、独自の考察に加えて、授業への質問・感想・批判などを書き、提出します(匿名・ペンネームの可否などについては初回の授業で詳しく説明します)。次回の授業でこれを教員が発表し、質問には応え、その他にはコメントします。
●リアクションペーパー提出の方法については【成績評価の方法と基準】も参照してください。
●学生は、指定された教材の箇所を、次回の授業までに必ず予習し、後日復習します。
●授業の進め方の基本方針:「自分の頭で考える:正しい答は一つではない!」日々の生活で実践できる、論理的・法学的思考を訓練します。<法と遺伝学>の問題には、いまだに世界中のどこにも「一つの正しい答」はありません。だから「誤った発言」はありえない。安心して自分の心の中で議論して下さい。その中で、法学的思考が少しずつ身に付くように、教師が工夫します。発言・掲示板投稿が恥ずかしいという学生も、毎年、皆すぐ慣れて発言・投稿しています。それに「モノ言う能力」は21世紀を生きていく中で必須です!これこそ国際市場と日本の社会で、今、求められている技能です。
●学生の皆さんが授業で学ぶ「法と遺伝学II」の内容が、ただの「教室での勉強」に終わらず、卒業後の実務や生活でも役立つように、教員が工夫して授業を進めます。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:イントロダクション
「法とは何か?」の自然科学による再分析・定義の可能性の解説とディスカッション; 動画教材による人類400万年史の解りやすい紹介【リアクションペーパー全員提出;以下同様】
第2回[対面/face to face]:法の新たな定義と新たな法源
「法」の再定義に先立つ、遺伝学・行動遺伝学・進化生物学・進化心理学・脳科学の基礎的解説とディスカッション;動画教材の人類400万年史視聴(続き)
第3回[対面/face to face]:ヒト集団・社会に法が進化した要因(1)[(2)は第11回]
教科書欄の【教材1】に基づき、ヒト集団・社会に法が進化した「機能」「進化史」「しくみ」「発達」の概要解説とディスカッション
第4回[対面/face to face]:遺伝学モデルに基づく「文化進化論」による「法の進化」
教科書13章「ヒトに於ける文化の重要性」に基く「文化としての法」の「文化進化」の解説とディスカッション
第5回[対面/face to face]:「遺伝学」による「生物進化学」の解説:「自然淘汰」の基礎(1)
教科書1,2,3章+【教材2】に基き「遺伝学は生物進化に直結する」ことと「法の進化的基盤」の解説;動画教材視聴;テーマの解説&ディスカッション
第6回[対面/face to face]:「遺伝学」による「生物進化学」の解説:「自然淘汰」の基礎(2)
教科書1,2,3章に基き「生物進化の遺伝学上のしくみ」の解説;テーマのディスカッション
第7回[対面/face to face]:ヒト属集団・社会の200万年史における「法の進化」
教科書4,5,6章【+河田雅圭・動画教材】に基き「人類史上の進化の中で法はどのように進化し得たか」の解説;テーマのディスカッション
第8回[対面/face to face]:ヒト属集団・社会における「家族・家族法」の重要性;及び「家族以外との協力行動」としての「法の進化」
教科書7, 8, 9章に基き「人類進化でなぜ家族は重要か、そこから「家族法」がいかに進化したか;家族以外との協力行動こそ「法の進化」の中核であることの解説;テーマのディスカッション
第9回[対面/face to face]:「遺伝学」による「生物進化学」の解説:「性淘汰」の基礎
教科書10,11章に基き「生物とヒトにおける性淘汰」と性差・「家父長制・相続の起源」「現代の個人相続」の解説;それがジェンダー・性的志向・性自認ほかに基づく「差別の根拠とならない」ことの学び;テーマのディスカッション
第10回[対面/face to face]:ヒトの心の進化と「法の進化」の結びつき
教科書12章に基き「ヒトの心の進化」が「法の進化」にいかに結びつくかの考察・解説;テーマのディスカッション
第11回[対面/face to face]:ヒト集団・社会に法が進化した要因(2)[(1)は第3回]
教科書欄の【教材1】【教材4】に基づき、ヒト集団・社会に法が進化した「機能」「進化史」「しくみ」「発達」「言語進化と法の進化の連動性」の詳細解説とディスカッション
第12回[対面/face to face]:ヒト集団・社会に法が進化した要因(3)
新たな「教材」で提示する藤本悠雅博士の研究に基づく、≪言語進化以前のヒト集団・社会における法の進化≫の詳細解説とディスカッション
第13回[対面/face to face]:ヒト集団・社会に法が進化した要因(4)
縄文時代の日本において、「認知考古学」という新しい研究方法に基づく ≪言語進化以後の集団・社会規範とそれに基づく法の進化≫の詳細解説とディスカッション
第14回[対面/face to face]:本授業の総括
本授業「法と遺伝学II」の「到達目標」に達したかを、総括する解説とディスカッション
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
●学生は、各回に必ず【教科書】と【教材】の予習箇所を指定するので、各自自宅で予習をすること。
●学生は、授業で扱った【教科書】と【教材】の箇所と授業内容を必ず復習すること。
●準備(予習)・復習時間は、1回の授業につき各々2時間(合計4時間)である。
テキスト(教科書)Textbooks
●【教科書】長谷川寿一・長谷川眞理子・大槻久『進化と人間行動』第2版(2022年)東京大学出版会(2,500円+税):多用するので、必ず入手すること。
●【教材】追加的に、最新の文献を含めて初回および各回の授業で指示する。教員の和田がネット上のURLを教示、またはPDF化して学習支援システムの「教材」にアップロード・配布する予定。
【例】【教材1】和田幹彦(2021年刊)「律する」『進化でわかる人間行動の事典』234-238頁.pdf
【教材2】和田幹彦(2023年刊)「『法の進化』研究・素描」.pdf
【教材3】河田雅圭[東北大学教授・進化生物分野](2021年版;学術的内容)「ヒトはいつ出現し、どう進化をたどってきたのか」
https://note.com/masakadokawata/n/n79991282d860
【教材4】河田雅圭[同上]『多様性と異文化理解』(東北大学出版会/2021年)の第1章「進化的視点からみる人間の『多様性の意味と尊重』」(購入は不要;以下の公式サイトを用いる)
https://note.com/masakadokawata/n/nb758462b63fb
【教材5】経塚淳子(監修)『遺伝のしくみ』新星出版社、2021年刊の必要な頁のみ【購入不要】
参考書References
不要(特に指定しない)。
成績評価の方法と基準Grading criteria
【予定】:新・学習支援システム(lms2025;以下同様)の機能に従い、初回授業で詳しく説明する。
[1]平常点【配点100点】:【授業計画】の各回も参照。
以下の詳細は初回の授業で指示する:
各回の授業テーマの教員による解説の後、教室の履修者/授業参加者を数グループに分け、事前に学習支援システムでの「お知らせ」等で告知したテーマ(課題・論点)について、教室でグループディスカッションを行い、各グループから議論の内容を発表してもらう。その結果を踏まえ、授業の最後に充分な時間を取り、各自が今度は独自に深めた考察で、テーマを論じる「ミニ課題(長めのリアクションペーパー)」を書いて提出する。以上全体を、授業1回につき、0~10点で評価する。
【5回以上、教室での授業に欠席した者は、単位を与えない。】
各回の授業で:
【例a】評価が高い9点を毎回取得 ⇒10回授業に参加⇒90点⇒成績S
【例b】評価が低い5点を毎回取得⇒全14回授業に参加⇒70点⇒成績B-
【例c】評価が中程度の平均6点取得⇒10回授業に参加⇒60点⇒成績C-
【例d】評価が低い5点を毎回取得 ⇒10回授業に参加⇒50点⇒成績D
病気その他やむを得ない事情で欠席した学生などの例外は初回の授業で詳しく説明する。
[2]期末試験・レポートは無い。その代わりに、[1]の教室での授業参加に基づく平常点評価を厳密に行うので、単位取得予定者は十分に注意すること。
●秋学期を通じて、グループディスカッションとその内容の発表、その内容を踏まえたリアクションペーパーの内容では、到達目標である:
【1】21世紀の遺伝学・進化生物学・文化進化論の発展の基礎を学び、これらの自然科学と連動して、新たに「法とは何か?」という法学の根源的な問いと向き合えたか。そして「正しい答えは一つではない」という大前提の下に、「独自の思考で考察する(自分の頭で考える)」ことにより「この問いに『応える』」能力を身につけられたか。
【2】さらに「生物とヒトとヒトの法がこのように進化した」結果は決して「現代の人間集団と国際社会」を束縛するのではなく、逆に「進化の結果を踏まえて人間集団・国際社会での不当な差別をどのように解消すべきか」という問いへの考察に繋げることができたか。
【3】学生同士のグループディスカッションにより、教材中の論点についての疑問・理解の情報を交換し、相互に知的刺激を与えることで、上記の新たな問いについて「独自の考察」を行い、教員を含む授業全員でさらに議論を重ねて、新たな解決策を見いだす能力を身につけることができたか。
以上を基準として、評価します。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
●質問をしやすい環境をより良く整備します。
●授業のスピードを速くしすぎず、ゆったりしたテンポで、学生がフォローし、ついていきやすいように工夫します。
●【動画教材】ビデオ、DVD、ブルーレイ、ネット上の内容・質の良い動画などの教材を多用する予定です。
●時々、【教科書】【教材】【参考書】にもないが、法学・法そのものの理解、遺伝学・進化生物学・進化心理学・脳科学などの理解に役に立つ「手がかり」を挿入し、授業を聞きやすくします。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
電子機器として、最低限、スマートフォンは毎回教室に持参すること(パソコン持参が可能な学生は持参を勧める)。
その他の重要事項Others
●「実務経験のある教員による授業」に該当します。日本・スイスにおける銀行業務で日本法・英米法・スイス法・ドイツ法に基づく法務を経験しており、それに関連して、各国の法・法律・法制度の共通点に着眼し、「法とは何か?」という主題を、実務の観点からもこの授業で取り上げます。
●法学部以外の学生も、誰でも履修ができます。
この科目履修以前の、他の法律科目の履修も必要ありません。
●法学部法律学科の学生は、通常の選択必修科目、選択科目を適正に履修していれば、準備としては十分です。
●法学部政治学科・国際政治学科生は「法学を学際的に学ぶ!」姿勢をしっかり持って下さい。
●全学部生に、同じく私による春学期の「法と遺伝学I」との合わせての履修を強く勧めます。義務ではありません。