情報科学部Faculty of Computer and Information Sciences
HUI312KA-CS-321（人間情報学 / Human informatics 300）新ネットワーク理論New Network Theory
廣津 登志夫Toshio HIROTSU
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 情報科学部Faculty of Computer and Information Sciences |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2022 |
| 授業コードClass code | J0530 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 水5/Wed.5 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 小金井 / Koganei |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 他学部公開科目Open Courses | |
| 他学部公開（履修条件等）Open Courses (Notes) | |
| グローバル・オープン科目Global Open Courses | |
| 成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
| 成績優秀者の他学部科目履修（履修条件等）Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) |
（１） 受講希望者 (受講検討中の者も含む) は、情報科学部学部Googleフォーム（https://forms.gle/ECvwxVe2NcxmrbTK9）で初回講義前までに希望申請をしてください。（※以下URLのご案内があるGoogleフォームとは異なるのでご注意ください。） （２） 以下のURLと教育開発支援機構事務局の案内に従って、履修希望の申請を行ってください。 https://www.hoseikyoiku.jp/risyu/index.html （３） 履修取消については、ご自身の所属学部の履修取消期間内に必ず同時に履修削除を行ってください。 |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
| SDGsCPSDGs CP | |
| アーバンデザインCPUrban Design CP | |
| ダイバーシティCPDiversity CP | |
| 未来教室CPLearning for the Future CP | |
| カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
| 千代田コンソ単位互換提供（他大学向け）Chiyoda Campus Consortium | |
| 選択・必修Optional/Compulsory | |
| カテゴリー（2022年度以降入学者）Category (2022~) | |
| カテゴリー（2021年度以前入学者）Category (~2021) | |
| カテゴリーCategory |
専門教育科目 専門科目 |
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Outline (in English)
[Course outline]
This course introduces a knowledge and technologies related network science. Network science is a new research area based on the graph theory, that is used to express the problems of complex systems. Students are expected to expand their knowledge and to understand new area of the computer science topics during this lecture.
[Learning Objectives]
Students expected to understand the basic concepts of complex systems and universality found in it.
[Learning activities outside of classroom]
Students will be expected to spend four hours to understand the contents of that week's contents.
[Grading Criteria /Policy]
Final grade will be calculated according to the following process; final exam (80%), and report and in-class contribution (20%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
本講義ではネットワーク科学と呼ばれる情報科学の分野としては比較的新しいテーマを取り扱う。現在の科学技術の多くの部分は19世紀から20世紀にかけて還元要素法に基づいて築き上げられてきた学問に基づくが、ネットワーク科学では離散構造（離散数学）で学ぶグラフに対して複雑系という概念を導入し、これまでは解明が難しかった自然現象や生命現象を新たなアプローチで解き明かそうとするものである。具体的には、それぞれの動作は単純だが、それらが集団となって行動するときに創発的な複雑な振舞いを見せるような系について、新たな科学での方法論について学ぶ。
到達目標Goal
複雑系は比較的新しい学問分野であり、単純な動きをする多数のエージェントによる少ない資源をめぐる競争において、フィードバックにより相互に影響を及ぼし合いながら形成される複雑な系（ネットワーク）としてシステムを捉える。複雑系の中にどのような普遍性があるのかを理解することを一つの目標とする。さらに発展的な目標として、現実あるいは仮想的な世界にどのように応用できるかについても考える力をつけることが挙げられる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち「DP1」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
講義はニール・ジョンソンの「複雑で単純な世界」とバラバシの「新ネットワーク思考 世界のしくみを読み解く」を用いて複雑系に見られる事象や基礎的な概念を理解する。講義が中心とするが、複雑系に関するトピックをNetLogoを用いたマルチエージェントプログラムにより実現することで、理解を深める。
最新の科学技術に関する話を聞き、補足的な情報を自分で調べ、全体的な理解を深めることが求められるため、話からノートを作成し自分で資料化する力をつけること。授業で課した課題(小テストやレポート)等を取り上げ、授業内で全体に対してフィードバックを行う。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1週[対面/face to face]：複雑な要素・複雑な現象
1. 複雑性の意味
2. 創発現象の予測
3. 複雑性だらけの毎日
4. 八つの条件
第2週[対面/face to face]：NetLogo紹介
1. NetLogoとは？
2. NetLogoの世界
3. NetLogoのGUI
4. NetLogoプログラミング
第3週[対面/face to face]：秩序ポケットの出現
1. 秩序と無秩序の間
2. 情報のフィードバック
3. 宇宙と乱雑さ
4. 乱雑さと偏り
第4週[対面/face to face]：カオスとフラクタル
1. 複雑系のダイナミクス
2. 時系列の規則性とランダムネス
3. 複雑系のモデル化
第5週[対面/face to face]：群衆の行動の予測
1. 「二者択一」問題
2. 週末の夜の過ごし方
3. 意思決定の科学
4. 群集と反群集
第6週[対面/face to face]：金融市場の動向の予測
1. 金融市場とフィードバック
2. 標準モデルの限界
3. 株式市場の類似挙動
4. 暴落の分類学
5. 予測可能ポケット
第7週[対面/face to face]：複雑性とネットワーク
1. 動的ネットワーク
2. ネットワークの生態学
3. 栄養取り回しモデル
4. 不変な構造
5. 公平さと効率のバランス
第8週[対面/face to face]：最適ネットワーク
1. ルート選びのジレンマ
2. 輸送・供給・経営・人体
3. 渋滞税による制御
4. スーパーハブ
5. ハブの適正限界
第9週[対面/face to face]：六次の隔たり
1. 六次の隔たり
2. ミルグラムの実験
3. 社会的ネットワークの大きさ
第10週[対面/face to face]：弱い絆の強さ
1. 強い絆と弱い絆
2. 弱い絆の強さ
3. ランダムネットワーク
第11週[対面/face to face]：ネットワーク構造
1. 構造の定量化
2. クラスタリング係数
3. エルディッシュ数
4. ワッツ=ストロガッツのモデル
第12週[対面/face to face]：スケールフリーネットワーク
1. ハブとコネクター
2. 80対20の法則
3. べき乗則
4. スケールフリー性
第13週[対面/face to face]：無秩序と秩序の相転移
1. 相転移
2. 自己組織化
3. 成長するネットワーク
4. 優先的選択
5. 適応度モデル
第14週[対面/face to face]：感染症とネットワーク科学
1. 感染とネットワーク構造
2. コミュニティの相互作用
3. 感染症流行解析
4. 癌成長のモデル化と対策
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備・復習等の授業時間外学習は、各週につき4時間を標準とする。
講義後に配布する講義資料を元に、講義中にとったノートとその内容の双方を確認し、補足的な調査を行う、という基本的な理解の手順を復習として行うこと。
課題やレポートが出たものについては必ず〆切までに提出すること。
テキスト（教科書）Textbooks
講義内容はスライドで提示し、講義を進めるので各自でノートを取る
講義後にスライドを元にした参考資料をCIS Moodleから提供する
参考書References
以下の参考文献は講義初回でも紹介する
「複雑で単純な世界」 ニール・ジョンソン (著), 阪本 芳久 (翻訳)
「新ネットワーク思考 世界のしくみを読み解く」 アルバート・ラズロ・バラバシ (著), 青木 薫 (翻訳)
Wilensky, Uri; Rand, William. An Introduction to Agent-Based Modeling: Modeling Natural, Social, and Engineered Complex Systems with NetLogo (MIT Press)
「ガイドツアー 複雑系の世界」メラニー・ミッチェル
「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」ニコラス・Ａ・クリスタキス／著 ジェイムズ・Ｈ・ファウラー／著 鬼澤忍／訳
「スモールワールド・ネットワーク 世界を知るための新科学的思考法 」ダンカン ワッツ (著), Duncan J. Watts (原著), 辻 竜平 (翻訳), 友知 政樹 (翻訳)
「スモールワールド ネットワークの構造とダイナミクス」 ダンカン ワッツ (著), Duncan J. Watts (原著), 栗原 聡 (翻訳), 福田 健介 (翻訳), 佐藤 進也 (翻訳)
「複雑な世界，単純な法則 ネットワーク科学の最前線」マーク・ブキャナン，阪本 芳久
「複雑ネットワークの科学」 増田 直紀 (著), 今野 紀雄 (著)
「複雑ネットワークとは何か複雑な関係を読み解く新しいアプローチ 」増田 直紀 (著), 今野 紀雄 (著)
「SYNC」スティーヴン・ストロガッツ
成績評価の方法と基準Grading criteria
期末試験を80%, 課題レポートを含む平常の学習状態や授業への積極性を20%の配分で総合的に判断する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
特になし
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
貸与 Note PC を使用する場合がある。講義回毎の使用の可否は教員の指示に従うこと。
その他の重要事項Others
本講義で取り扱うのはグラフに基づく理論的なネットワークで、インターネットやイントラネットなどの実際に稼働しているネットワークの制御・運用等の技術に触れるものではないので、科目選択においては注意すること。
本講義は担当教員の企業での情報科学・ネットワーク科学に関する研究・開発の経験を元に複雑系やネットワーク科学に関する講義を行う。