授業コード
Class code
X7033
年度
Year
2017
学部・研究科
Faculty/Graduate school
経営学研究科
添付ファイル名
Attached documents
カテゴリー 経営学専攻
開講時期
Term
単位数
Credit(s)
4
曜日・時限
Day/Period
キャンパス
Campus
市ヶ谷
備考
Notes

【授業の概要と目的(何を学ぶか) / Outline and objectives】
近年の日本経済は、バブル景気とその崩壊、失われた10年、世界金融危機といった大きな出来事を経験してきました。現在の日本経済は、いわゆるアベノミクスや量的緩和、マイナス金利政策の効果もあり、景気は緩やかな拡大基調にあります。とはいえ、今後も安定した経済成長の経路をたどることができると予想するのは楽観的すぎるでしょう。少子高齢化、巨大な政府債務といった短い期間では解決できない問題には、いまだ有効な手段がとれないままです。
この授業では、過去・現在・未来の日本経済を敷衍し、我々が経済社会情勢の変化に対しどのような対応を取りうるのかについて考えていきます。
例えば学生が経済政策の立案者となったとき、適切な提言をするための知識を習得すること、あるいは将来企業の企画立案者や経営者となったとき、企業経営に関する重要な意思決定する際の判断の基礎とすべき基本的な概念と考え方を習得することを目的とします。

【到達目標 / Goal】
タームペーパーにより成績評価しますので、その作成を通じて日本経済の現状と課題を理解し、政策立案者や経営者の視点から的確な提言ができるようになることを到達目標とします。

【授業の進め方と方法 / Method(s)】
輪読とタームペーパーの中間報告を主とします。
輪読は、各自担当を割り当て、内容を説明してもらいます。テキストの項に挙げた文献を対象とする予定です。春学期のテーマはマクロ経済と財政、秋学期のテーマは金融とします。
その上で、春学期と春学期それぞれ、関連するテーマについてタームペーパーを作成します。途中、1回以上中間報告をしてもらいます。
受講希望者は、必ず初回授業に出席するか、担当教員に連絡してください(メールアドレスは、担当教員のウェブサイト参照)。
http://www.rhasumi.net/

【授業計画 / Schedule】

通年

回 / No. テーマ / Theme 内容 / Contents
01 イントロダクション 授業内容の説明、担当箇所の割り当てを行います。
02 戦後日本の経済成長 戦後日本の経済成長を概観します。
03 景気循環の姿とそのとらえかた 景気循環の姿とそのとらえかたについて議論します。
04 雇用の変動と日本型雇用慣行の行方 雇用の変動と日本型雇用慣行の行方について考えます。
05 産業構造の変化と日本型経営の行方 産業構造の変化と日本型経営の行方について考えます。
06 物価の変動とデフレ問題 物価の変動とデフレ問題について考えます。
07 貿易と国際収支の姿 貿易と国際収支の姿を概観します。
08 円レートの変動と日本経済 円レートの変動が日本経済に与える影響を考えます。
09 グローバル化の中の日本経済 グローバル化の中の日本経済を考えます。
10 財政をめぐる諸問題 財政をめぐる諸問題について考えます。
11 格差問題 格差問題について議論します。
12 少子高齢化と社会保障 少子高齢化と社会保障について考えます。
13 人口構造の変化 人口構造の変化が日本経済の未来にどう影響するかを議論します。
14 タームペーパーの中間報告(春学期) 学生にタームペーパー(春学期)の中間報告をしてもらいます。
15 総括(春学期) 春学期に学んできた内容を踏まえ、わが国経済が抱えるボトルネックを整理し、何が求められているのかを考えていきます。
16 質的・量的緩和の効果とリスク 質的・量的緩和の効果とリスクについて考えます。
17 異次元緩和が長期金利と資産価格に及ぼした影響 異次元緩和が長期金利と資産価格に及ぼした影響について議論します。
18 国債発行と緩和効果 国債発行と緩和効果について考えます。
19 金融緩和策の出口で発生するコスト 金融緩和策の出口で発生するコストについて考えます。
20 米国、英国、欧州のフォワード・ガイダンス 米国、英国、欧州のフォワード・ガイダンスについて議論します。
21 日本のフォワード・ガイダンス 日本のフォワード・ガイダンスについて議論します。
22 マクロ・プルーデンス政策 マクロ・プルーデンス政策について考えます。
23 米国の量的緩和と新興国のマネーフロー 米国の量的緩和と新興国のマネーフローについて考えます。
24 マイナス金利政策と長期停滞 マイナス金利政策と長期停滞について議論します。
25 金融機関から見たマイナス金利政策 金融機関から見たマイナス金利政策について考えます。
26 日本銀行のコストと財政務の健全性 マイナス金利によって日本銀行が負担するコストについて考えます。
27 長期停滞の罠 日本はデフレから抜け出せるのかについて議論します。
28 3次元QQEはどこまで継続できるのか 量的緩和の限界について考えます。
29 タームペーパーの中間報告(秋学期) 学生にタームペーパー(秋学期)の中間報告をしてもらいます。
30 総括(秋学期) これまでに学んできた内容を踏まえ、わが国経済が抱えるボトルネックを整理し、何が求められているのかを考えていきます。

【授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等) / Work to be done outside of class (preparation, etc.)】
輪読に向けた予習、レジュメの作成、タームペーパーの作成・中間報告準備など。

【テキスト(教科書) / Textbooks】
福田 慎一・照山 博司 (著)『マクロ経済学・入門 第5版 (有斐閣アルマ) 』、有斐閣、2016年
小峰 隆夫・村田 啓子 (著)『最新|日本経済入門 (第5版)』、日本評論社、2016年
岩田 一政ほか (編)『人口回復 出生率1.8を実現する戦略シナリオ』、日本経済新聞出版社、2014年
横山 彰ほか (著)『現代財政学 (有斐閣アルマ) 』、有斐閣、2009年
岩田 一政・日本経済研究センター (編)『量的・質的金融緩和 政策の効果とリスクを検証する』、日本経済新聞出版社、2014年
岩田 一政ほか (著)『マイナス金利政策 3次元金融緩和の効果と限界』、日本経済新聞出版社、2016年

【参考書 / References】
各種論文等を参考資料として紹介する予定です(授業支援システムに掲載予定)。

【成績評価の方法と基準 / Grading criteria】
以下の2つによって行います。
①授業内での報告内容、授業参加度合い(40%)
②春学期、秋学期の2回のタームペーパー(60%)

【学生の意見等からの気づき / Changes following student comments】
新規担当につき該当なし。

【担当教員の専門分野等】
<専門領域>
マクロ経済学、計量経済学(ベイズ統計学)
<研究テーマ>
マクロ経済モデルによるシミュレーション分析、財政・社会保障、経済予測、中小企業金融論
<主要研究業績>
蓮見亮・中田大悟「少子高齢化,ライフサイクルと公的年金財政」,『季刊社会保障研究』,第46巻,第3号,274-289頁,2010年
Arito Ono, R. Hasumi, H. Hirata, Differentiated use of small business credit scoring by relationship lenders and transactional lenders: Evidence from firm-bank matched data in Japan, Journal of Banking & Finance 42, 371-380, 2014.
蓮見亮「法人税減税の政策効果―小国開放経済型DSGEモデルによるシミュレーション分析」,RIETI Discussion Paper Series 14-J-040,2014年