法学部Faculty of Law
LAW200AB(法学 / law 200)ジェンダーと法ⅠGender and Law 1
谷田川 知恵Tomoe YATAGAWA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2023 |
授業コードClass code | A0011 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 金2/Fri.2 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学生:履修を希望する場合は、所定の手続きに従って申請すること。 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | ○ |
未来教室CPLearning for the Future CP | ○ |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | 選択科目 |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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すべて閉じるHide All
Outline (in English)
We are going to learn issues around gender and law system in Japan and global struggling to achieve gender equality de facto. Succeeding feminist approaches derived in 1970’s, we should be critical to review present law system which has been built by only male for last 2 centuries. Our topics are not only for women, but also for men and LGBTIQA or other sexual minorities.
【Learning Objectives】
1. To know what gender discrimination is like and how to solve the problems from international perspectives.
2. To make a better argument with respectfulness involving diversity.
3. To reach a solution that is fair and based on facts without gender biases.
【Learning activities outside of classroom】
1. Reading textbook and making your own answer about each topic are recommended for 2 hours each before and after the lecture.
2. Submitting reaction paper after every lecture.
3. Make or join arguments in a forum on the class website.
【Grading Criteria /Policy】
1. In-class contribution(20%): how your participation of arguments among students in a forum on the class website was.
2. Reaction paper on each lecture(30%): how you understood every lecture was.
3. Reports of some important issues (3-4 times required)(50%): how you explained and presented your thought about gender law issues.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本講義は「行政・公共政策と法コース」「企業・経営と法コース(労働法中心)」「文化・社会と法コース」に属する。
1.ジェンダー法学について学ぶ。この呼称は新しいものだが、扱われる内容は、古くから続く性差別と法の問題である。20世紀後半に興隆した第2波フェミニズムの成果を引き継ぎながら、性差別のない社会を構築するため、既存の法体系を批判的に検討して、あらたな法理論の構築を試みる。
2.女性差別の構造を中心に学ぶ。性差別には、女性差別だけではなく、男性差別も性的少数者(従来の女性か男性かとの分類におさまらない人々)差別もあり、各差別の構造は一様ではない。しかし、法が「普遍的」「中立的」としながら排除してきた人間社会最大のマイノリティである女性に対する差別の構造を理解することは、男性差別と性的少数者差別、さらにはあらゆるマイノリティに対する差別をも理解することに繋がる。
到達目標Goal
1.これまでに身につけた狭い価値観や偏見にとらわれずに、性差別をめぐる実態と、その解決のために国際社会が積み重ねてきた到達点を知る。
2.教員の解説を無批判に受容するのではなく、また、自分と対立する見解をやみくもに批判するのでもなく、多様性を尊重しつつ建設的な議論ができる。
3.事実に基づき、論理を用いて、反対意見にも目配りしながら、実質的平等にかなう提案を導く。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
0.オンライン授業をオンデマンド配信でおこなう。資料は学習支援システムに掲示する。
1.講義:受講者がこれからの人生で出会うであろうさまざまな問題を取り上げる。日本は性差別を禁じた憲法を擁し、女性差別撤廃条約も批准しているが、国民の7割は「日本社会全体で見ると男性の方が優遇されている」と感じている。このような国民の意識と法のあり方にはどのような関係があるのか、法は歴史的に女性をどのように遇してきたのか、法は女性が現実の生活で出会う出来事に対
応しているのか、ジェンダーバイアスは法制度にどのように埋め込まれているのか等を解説する。
2.リアクションペーパー:教員の解説を学んだ後、学習支援システムに非公開で毎回提出する。
3.議論への貢献:学習支援システムの公開掲示板に意見を投稿し、受講生同士で議論を行い、より良い方策を検討する。この方法が有効に機能するためには、受講生各人が、主権者として、法のあるべき姿を探求する知的好奇心を持っていることが前提となる。
4.レポート:容易に解決法の見つからない重要な問題についてのレポートを、3-4 回提出する。
5.課題へのフィードバック:原則として提出締切後の翌週の授業で行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:オンライン/online
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[オンライン/online]:イントロダクション
ジェンダー統計から見える日本と世界
2[オンライン/online]:ジェンダー法の見取り図
ジェンダーと法で何を学ぶのか、全体像の把握
3[オンライン/online]:ジェンダーをめぐる法の歴史1
欧米を中心にした女性の権利の歴史
4[オンライン/online]:ジェンダーをめぐる法の歴史2
日本における女性の権利の歴史、天皇制と性差別
5[オンライン/online]:国連と女性差別撤廃条約
国連憲章、女性差別撤廃条約
6[オンライン/online]:ポジティブ・アクション(PA)、アファーマティブ・アクション(AA)
事実上の平等を進めるための装置AA/PAの歴史と種類、効果
7[オンライン/online]:SOGI(性的指向と性自認)1
伝統的な女性・男性の枠組みにあてはまらない人々(LGBTQ+)の現状
8[オンライン/online]:SOGI(性的指向と性自認)2
伝統的な女性・男性の枠組みにあてはまらない人々(LGBTQ+)の権利保障
9[オンライン/online]:男女共同参画社会基本法
基本計画と条例
10[オンライン/online]:政治分野のジェンダー平等
諸外国の状況、日本の候補者男女均等法
11[オンライン/online]:家族とジェンダーと法1
多様な家族と現行法
12[オンライン/online]:家族とジェンダーと法2
民法改正をめぐる問題
13[オンライン/online]:家族とジェンダーと法3
少子化と家族制度のこれから
14[オンライン/online]:まとめ
これまでの学びから、性差別が続くのはなぜか、どのような変化が必要かを考える
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
初回から内閣府男女共同参画局のパンフレット『ひとりひとりが幸せな社会のために――男女共同参画社会の実現を目指して』を使用するので、男女共同参画局ホームページからダウンロードして持参する。http://www.gender.go.jp/kaigi/renkei/pamphlet/index.html
授業前にパンフレットと教科書の該当箇所を通読し、各回のテーマについて基礎知識を得ておくことが望ましい。
授業後は、毎回リアクションペーパーを提出すること、そして掲示板での問題提起・議論を可能な範囲で行うこと。
本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は初回授業で指示する。また、有斐閣『ポケット六法』等の小型六法があれば常時利用し、使いこなしてほしい。
参考書References
授業で適宜紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
期末テストは行わない。【到達目標】で示したことが身に付いたかを、【授業の進め方と方法】で示した議論への貢献(20 %)、コメント(30 %)、およびレポート(50 %)の完成度から、総合的に評価する。議論について、受講生は開講当初は不慣れなため参加にためらいがあるかもしれないが、当初はうまくできなくてかまわないので、恐れずに発言してほしい。教室は失敗するための場所と割り切り、だんだんとチカラをつけていく姿を見せてほしい。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
受講生からは「説明が明快で非常にわかりやすい」と言われる。しかし、現実の問題はそれほど単純ではない。担当者の説明を手がかりに、もう一歩、自分で踏み込んで考えてほしい。
その他の重要事項Others
人生の大海原で航路を見失いかけたときに、手がかりを与えてくれる星座のひとつとなるような講義を目指している。受講生は、十分に予習・復習を行い、集中して講義を聴き、つねに自分が発言を求められることを期待(覚悟?)して主体的に参加することで、自分だけの海図を得られる。しなやかに、したたかに、自分の手で、漕ぎ続けよう。