法学部Faculty of Law
POL100AD(政治学 / Politics 100)国際協力論Ⅱ国際協力論Ⅱ
志賀 裕朗Hiroaki SHIGA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 法学部Faculty of Law |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2022 |
授業コードClass code | A0718 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金6/Fri.6 |
科目種別Class Type | 講義 |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | 成績優秀者の他学部科目履修制度で履修する学生:履修を希望する場合は、所定の手続きに従って申請すること。 |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー(法律学科)Category (法律学科) | |
カテゴリー(政治学科(2021年度以降入学者))Category (政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(政治学科(2020年度以前入学者))Category (政治学科(2020年度以前入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2021年度以降入学者))Category (国際政治学科(2021年度以降入学者)) | |
カテゴリー(国際政治学科(2020年度以前入学者))Category (国際政治学科(2020年度以前入学者)) |
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すべて閉じるHide All
Outline (in English)
How should we eradicate poverty and inequality? How should we achieve peace and justice? How should we guarantee prosperity, health, education, and decent work for all? Students are encouraged to think critically about the conventional wisdom on the global agendas mentioned above. The course will be interactive, with the combination of lecture, group discussion, and role-playing game. No prior knowledge is required.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
世界の政治経済を巡る秩序が大きな転換点を迎え、世界の先行きはますます不透明になっている。こうしたなか、「問題の本質がどこにあるのか」を的確に見定めたうえで、健全な猜疑心をもって「定説」を疑い、自らの頭で考え、他人を説得できる自分なりの見解を持つことが、現代国際社会を生きる上で不可欠のリテラシー(基礎的素養)となっている。
本講義では、途上国や開発援助に関する様々な問題を、ひとつひとつ時間をかけて深く掘り下げて検討することを通じて、正解の無い難問について「自分なりの考え」を持ち、それを友人や講師と議論することの重要性、難しさと楽しさを体感することを目指す。講師は、政府開発援助(ODA)の実務家であり研究者でもあるので、援助の現場における生の経験と、研究分野における最新の議論とのバランスのとれた講義を行いたい。
到達目標Goal
本講義では、ひとつのテーマについて徹底的に議論することを通じて、「国際協力論Ⅰ」で学んだ幅広い知識を深めることを目指す。同時に、様々な論点に関する多様な意見のなかから、自分なりの意見を形成して説得的に提示するためのスキルを獲得することも目指す。
なお、国際情勢の変動や受講生の希望により議論するテーマを変更する可能性が高い(そのため、シラバスに提示したテーマはあくまでも暫定的なものである)。議論したいテーマ、疑問に思うテーマの提案を大いに歓迎する。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP2」に強く関連。「DP1」、「DP3」、「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
本講義では、テーマについて講師が導入の説明を行ったのち、受講生からの意見の発表およびディスカッションを行う。重点は後者にあり、その意味で本講義は「講義」よりも「ゼミ」に近い形態となる。講師はしつこく「なぜ?」という問いを投げかけ、議論を奨励するので、受講生は事前に必要な準備を行ったうえで積極的に議論に参加することが求められる。自分らしい“Something New”を創造して世界に訴えたい、主体性と自律性をもって自分の夢を追いかけたい!と願う学生の積極的受講を期待している。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:オリエンテーション
講義の目的と概要の説明を行う。
2[対面/face to face]:途上国が直面する多様な課題①
サブサハラ・アフリカには、世界のHIV-AIDS患者の7割が集中すると言われ、特に南アフリカ共和国では30代前半の女性の罹患率が36%という深刻さである。なぜこうした事態が起きているのか、これに効果的に対処するにはどうすればよいかを議論する。
3[対面/face to face]:途上国が直面する多様な課題②
「戦後最悪の人道危機」と言われ、国民の実に半数が難民となっているシリア紛争と難民問題に国際社会はどう対処すべきかを、近年欧米を中心とする先進国で台頭する排外主義的な動きと関連づけながら議論する。
4[対面/face to face]:途上国が直面する多様な課題③
「なぜ異なる民族は殺し合うのか、殺し合った民族を共存・和解させるにはどうすればよいのか」を、1990年代に発生したボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争とその後の同国の状況、日本の援助(平和構築支援)の実例を題材に議論する。
5[対面/face to face]:途上国が直面する多様な課題④
1970年代の東京の深刻な交通渋滞を見たタイの政府関係者は「バンコクは東京のようにはならない」と言ったが、バンコクは世界有数の交通渋滞都市になってしまった。これを見たベトナムの政府関係者は「ハノイはバンコクのようにはならない」と言ったが、ハノイもまた深刻な交通渋滞に悩まされている。他の国の教訓から学ぶことはなぜ難しいのだろうか?アジアの都市交通問題を例に、考えてみたい。
6[対面/face to face]:開発思想と援助手法①
「東・東南アジア諸国の多くが高度経済成長を達成したのに対して、アフリカ諸国の多くはなぜ長期にわたる経済停滞を経験し、今なお貧しいままなのか?」という問いを検討する。
7[対面/face to face]:開発思想と援助手法②
「汚職腐敗がひどい独裁国家に対しては援助を行うべきではない」という主張の是非を検討する。
8[対面/face to face]:近年の国際政治経済情勢の激変と国際援助秩序①
これまで国際開発援助を主導してきた欧米先進国において、異なる文化や価値観に対する軽蔑や不寛容が台頭しているほか、客観的な事実が重視されない「ポスト真実(post-truth)の時代」が来たと言われる。こうした動きは、今後の開発援助や途上国問題の解決にどう影響するのかを議論する。
9[対面/face to face]:近年の国際政治経済情勢の激変と国際援助秩序②
2015年に採択されたSDGs(持続可能な開発目標)を読み、2000年に策定されたMDGs(ミレニアム開発目標)と比較しながら、その特徴と問題点を議論する。
10[対面/face to face]:近年の国際政治経済情勢の激変と国際援助秩序③
「2000年代以降、中国は援助を急増させ、人権侵害を行っている独裁国家を支援したり環境を破壊したりしているほか、アジアインフラ投資銀行(AIIB)等の援助機関を設置して開発援助に関する既存の国際秩序を混乱させている」という見解について議論する。
11[対面/face to face]:日本の政府開発援助(ODA)の特徴①
第二次大戦における敗北から10年も経っていない1954年、日本はアメリカや世界銀行から多額の援助を受けながら、途上国に対する援助を開始した。それは何故だったか、そうした経験が日本のその後の援助のあり方にどのように影響したかを検討する。
12[対面/face to face]:日本の政府開発援助(ODA)の特徴②
日本のODAは借款を多用するという特徴を持っている。このことは、「援助は豊かな国が貧しい国に対して行う慈善なのだから無償であるべきだ」と考える欧州諸国からの強い批判にさらされてきた。「金利を取ってカネを貸す」援助方式の是非を議論する。
13[対面/face to face]:日本の政府開発援助(ODA)の特徴③
2015年に日本政府が発表した「開発協力大綱」を読み、日本がODAを通じてどのように国際貢献をしようとしているか、過去の「ODA大綱(1992年制定、2003年改訂)」と比較しながら読み解く。
14[対面/face to face]:授業内容の振り返りと総括
これまで学習した内容を振り返り、これから学習すべきことを展望する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
受講生は、講義で取り上げる問題について事前に調べ、自分の意見とその根拠を簡潔に記載したペーパー(A4サイズで2枚以内)を作成して講義に臨むこと。事前の調査に際しては、英語のソースにアクセスすることを推奨する。なお、講義のトピックは学生の興味も勘案して決定する(シラバス通りとは限らない)。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
特に使用しない。
参考書References
近藤康太郎、2020年、『三行で撃つー<善く、生きる>ための文章塾』、CCCメディアハウス。
小坂井敏晶、2017年、『答えのない世界を生きる』、祥伝社。
成績評価の方法と基準Grading criteria
授業で提出を求める課題(60%)およびディスカッションへの積極的参加の度合い(40%)によって成績を評定する予定(最終試験は行わない)であるが、履修学生の数によって変更がありうる。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
授業時間の延長が無いように心がける。なお、授業の内容・方法等に関する要望・提案・批判は大歓迎であるので、随時受け付けます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
各自PC持参が望ましい。
その他の重要事項Others
■本講義は、国際協力機構、国際協力銀行、財務省等で開発援助の実務に携わってきた講師が、援助の実務と理論の双方を踏まえた講義を行う。
■途上国問題や開発援助に関する前提知識があることが望ましい。本講義の履修に先立って履修しておくべき科目は無いが、「国際協力論Ⅰ」を併せて受講することを推奨する。
■本講義は決して「ラクタン」(楽に単位が取れる科目)ではない。特に、全く発言しないような消極的姿勢の場合には単位を与えないので、その点を十分に理解したうえで履修に臨むよう希望する。
■提出物において剽窃が認められた場合には、理由の如何を問わず不合格判定とするので十分に注意すること。受講生は「剽窃」の意味を事前に確認しておくこと。