文学部Faculty of Letters
LIT200BD(文学 / Literature 200)英米文学特殊講義Ⅳ英米文学特殊講義Ⅳ
小島 尚人Naoto KOJIMA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A2968 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金2/Fri.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
This is a special topics course focusing on Mark Twain's Adventures of Huckleberry Finn. Beginning with a historical survey of American slavery and the North-South divide the course offers a close reading of the novel. Through an intensive discussion on Twain's masterpiece and its film adaptations, students develop their skills to analyze literary texts in a critical way with focus both on their individuality and historicity. Most classes consist of quizzes, lectures, and group discussions.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
テーマ:『ハックルベリー・フィンの冒険』から読み解くアメリカ
概要と目的:
この授業では、19世紀後半の米国の国民的文学者Mark Twainの代表作Adventures of Huckleberry Finn(1884)を題材に、そこから見えてくる「アメリカ」の姿を学ぶ。名作長篇をくわしく読解することを通じて小説のおもしろさ、解釈をおこなうことのおもしろさを知るとともに、米文学・文化・社会の理解および文学研究の方法・意義の理解を深めることを目的とする。
到達目標Goal
・作品の細部に目を配り、正確に意味をとって読解しようとする習慣をつける。
・他者の考えに耳を傾けて理解し、建設的なやり方で応答することができる。
・自分の考えを分かりやすく効果的に伝えることができる。
・自分の解釈を論理的に記述することができる。
・多様な批評の方法についての知識を得て、関心を持つ。
・『ハックルベリー・フィンの冒険』について、テクストの具体的なキャラクターや細部に触れながら自分なりに語れるようになる。
・マーク・トウェインの生涯と作品、時代背景を学ぶことを通じ、米国の歴史・文化についての知識を深める。
・小説と映画の解釈および比較分析の実践を通して、文学研究の意義を体験的に理解し、その基本的方法を身につける。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
・講義と演習を組み合わせながら進める。
・学期序盤は講義が主となる。映画版を見て物語の内容を知るとともに、原作小説を読み解く上で必要なアメリカの文化的・歴史的背景(南北対立、黒人奴隷制など)を学ぶ。
・学期中盤以降は演習形式に適宜講義を取り入れた形式の授業となる。『ハックルベリー・フィンの冒険』の指定された版の翻訳を教科書として各自購入し、翌週で扱う範囲を予習として読んできた上で授業に臨む。
・予習状況の確認のために、作品の内容理解を問う授業内小テストが不定期に課される。
・各自の予習を前提としてグループディスカッションをおこない、受講者同士で解釈や疑問を共有しながら作品とその背景の多角的な理解を深める。
・リアクションペーパー等における良いコメントは翌週の授業内で紹介される。それを踏まえてさらに考察を重ね、より議論の射程を広げつつ掘り下げていく。
・そのような実践の積み重ねを通じて、小説や映画がアメリカの社会・文化の動向とどのように関連しあい、生み出された時代のありさまをどのように反映しているかを能動的に把握する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:イントロダクション
授業の進め方の説明、学習内容の概観
第2回:映画『ハック・フィンの大冒険』
ディズニー制作の実写映画版(1993年)を視聴して考察
第3回:『ハックルベリー・フィンの冒険』の背景①:アメリカ南部と北部
アメリカ南部と北部の文化的・社会的差異や対立・衝突の歴史を学ぶ
第4回:『ハックルベリー・フィンの冒険』の背景②:黒人奴隷制
黒人奴隷制はどのようにして始まり、なぜ南北戦争に至ったか、南北戦争後とはどのような時代だったのか、その歴史を学ぶ
第5回:『ハックルベリー・フィンの冒険』を読む①――語り手ハックの言葉と人物像
内容把握を問う小テスト、導入講義、グループディスカッション、クラス全体での議論と補足解説
第6回:『ハックルベリー・フィンの冒険』を読む②――黒人奴隷ジムの立場とその内面
内容把握を問う小テスト、導入講義、グループディスカッション、クラス全体での議論と補足解説
第7回:『ハックルベリー・フィンの冒険』を読む③――「冒険」と「逃亡」
内容把握を問う小テスト、導入講義、グループディスカッション、クラス全体での議論と補足解説
第8回:『ハックルベリー・フィンの冒険』を読む④――ハックとジムの「自由」とは
内容把握を問う小テスト、導入講義、グループディスカッション、クラス全体での議論と補足解説
第9回:映画『トム・ソーヤーの大冒険』
ディズニー制作の実写映画版(1995年)を視聴して考察
第10回:『ハックルベリー・フィンの冒険』を読む⑤――南部社会の姿
内容把握を問う小テスト、導入講義、グループディスカッション、クラス全体での議論と補足解説
第11回:『ハックルベリー・フィンの冒険』を読む⑥――ハックの葛藤と決断
内容把握を問う小テスト、導入講義、グループディスカッション、クラス全体での議論と補足解説
第12回:『ハックルベリー・フィンの冒険』を読む⑦――トム・ソーヤ―の(再)登場と結末の分析
内容把握を問う小テスト、導入講義、グループディスカッション、クラス全体での議論と補足解説
第13回:20・21世紀のハックたち
『ハックルベリー・フィンの冒険』がその後のアメリカ文学・文化・社会に与えた影響と現代的意義を学ぶ
第14回:学期のまとめ
学んだ内容を振り返りながらまとめる
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
・授業で扱う作品を事前に読む。気になった箇所、感想、疑問点などをメモしておき、授業内での小テストや課題に対応できるようにしておく。(3時間)
・授業で学んだ作家の他の作品や、教員が紹介する参考文献や映画を積極的に読んだり観たりする。(1時間)
テキスト(教科書)Textbooks
①マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』柴田元幸訳、研究社、2017年(ISBN: 9784327492014)
②Mark Twain, Adventures of Huckleberry Finn. Dover Thrift Editions, 1994. (ISBN: 9780486280615)
参考書References
柴田元幸『『ハックルベリー・フィンの冒けん』をめぐる冒けん』(研究社、2019年)
亀井俊介『マーク・トウェインの世界』(南雲堂、1995年)
後藤和彦『迷走の果てのトム・ソーヤー 小説家マーク・トウェインの軌跡』(松柏社、2000年)
日本マーク・トウェイン協会編『マーク・トウェイン 研究と批評』(毎年1冊発刊、南雲堂)
亀井俊介監修『マーク・トウェイン文学/文化事典』(彩流社、2010年)
成績評価の方法と基準Grading criteria
①平常点:小テスト、課題、グループディスカッションへの参加度:40%
予習ができているか(ちゃんと作品を読んできているか)、授業内容を理解しているか、課題やディスカッションを通じて積極的に参加しているか、自分なりの解釈を試みているか、他の人に伝わるような形で説明できているか
②期末試験:60%
小説を読み、授業内容を理解し、作品の内容を正確に把握していることを前提に出題される記述・論述中心のテスト
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
グループディスカッションや課題へのフィードバック等を通じて皆さんの考察や疑問をクラス全体に共有しつつ講義内容に反映させていくことで、各々の能動的な参加を促したいと思います。
その他の重要事項Others
必須ではありませんが、文学系の導入科目を少なくとも一つは履修済みで、文学研究の意義や作品解釈のアプローチについての基本的な理解を得ている状態で履修するとよいと思います。