文学部Faculty of Letters
LIN200BD(言語学 / Linguistics 200)社会言語学社会言語学
塩田 雄大Takehiro SHIODA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A2810 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 木1/Thu.1 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
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Outline (in English)
To study linguistics, there are two kinds of viewpoint, one is to clarify the structure of "the language itself", and the another one is to research "how the language is used in the real context of society". The latter one is called "sociolinguistics" which will be dealt in this lecture.
The themes dealt on sociolinguistics are diverse (ex. divercity of language usage / language change / consciousness of "language disturbance" / regional dialect / communication / identity / language contact / language policy / ...). In this lecture, these topics will be put in range, while the themes of "regional variation in recent years" should be discussed with greater emphasis in this term.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
言語を研究する観点として、「言語そのもの」の構造を明らかにしようとするものと、「現実の社会とのかかわりの中で、言語がどのように使われているか」に注目するものがある。後者が、当講義で扱う「社会言語学」と呼ばれる分野である。
社会言語学が取り扱うテーマは多岐にわたるが(ことばの使われ方の多様性/言語の変化/「ことばの乱れ」意識/ことばの地域差/コミュニケーション/アイデンティティー/言語・方言どうしの接触/言語政策/…)、講義ではこれらを射程に入れつつ、今年度は特に「方言・ことばの地域差」の観点から考察を進める。毎回の課題準備と、学生諸君からの意見の紹介・検討を通して、「いま・現在」のことばの使われ方を、各自が知恵を絞って考えてゆく。(履修者の状況に応じて、内容を適宜変更する場合がある)
到達目標Goal
社会言語学的・方言学的な「ものの見方・考え方」ができるようになる。履修前と履修後でことばをめぐる風景が異なって見えるようになり、最終的には自分で選んだテーマによるしっかりしたレポートを仕上げる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP3」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講師による講義形式のものだけではなく、学生諸君から寄せられた成果・意見の公開を積極的におこなう。また、スマホ・タブレット・PCを用いたアンケートや意見収集を講義中または講義時間外に実施することがある。
課題等の提出・フィードバックは、Googleフォームおよび学習支援システムを通じて行う予定。
対面講義を想定しているが、状況により判断する。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
春学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:ガイダンス
講義全般の説明
第2回:方言の区画・東西対立
西と東で異なることば ほか
第3回:周圏論的/逆周圏論的分布・いろいろな分布
「アホ」と「バカ」の分布、「ら抜き」の変化はなぜ遅いのか ほか
第4回:地点と年齢差
年齢差の観点から見た方言分布 ほか
第5回:発音・アクセント・イントネーションの地域差
「箸を持って橋の端を渡る」のアクセント ほか
第6回:アスペクト・条件表現・オノマトペの地域差
「この講義を受ければ/受けると/受けたら」の地域差 ほか
第7回:あいさつ・話の進め方の地域差
買い物をしたら何と言って店を出るか ほか
第8回:コミュニケーション意識・待遇表現・昔話の地域差
会話においてボケとツッコミは大切か ほか
第9回:共通語化・方言と共通語の使い分け
方言は共通語化したのか ほか
第10回:伝統方言・中間方言・新方言、近年の地域差
新たに生まれてくる方言 ほか
第11回:社会と方言、地域資源としての方言、方言研究の社会的意義
「方言がコンプレックス」から「方言ってかわいい」へ ほか
第12回:言語意識、バーチャル方言、方言ステレオタイプ、方言コスプレ
アニメのキャラクターがなぜ方言を話すのか ほか
第13回:レポート検討
各自のレポートについて検討する。
第14回:まとめ
講義の総括をおこなう。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
課題の事前準備(テキスト該当箇所の要約および批判的検討)・提出を毎回求める予定である。事前準備等には毎回ある程度のまとまった時間(標準的には4時間以上)が必要であるはずなので、その旨承知されたい。
テキスト(教科書)Textbooks
『方言学入門』(木部暢子ほか編著、三省堂、2013年、1,800円+税)
https://www.sanseido-publ.co.jp/publ/gen/gen2lang/hogengak_prm/
履修者は必ず購入のうえ毎回持参すること。
参考書References
一般論として、書籍はできるかぎり購入して自分のものにしておくこと。すぐに読めなくてもかまわない。そのなかに、いずれ役に立つものが出てくる。学生時代に三千円の投資をケチる人は、その後に三千円以上の損をすることになる。
(1)『はじめて学ぶ方言学』(井上史雄ほか 編著、ミネルヴァ書房、2016年、2,800円+税)
(2)『日本語は「空気」が決める』(石黒圭、光文社新書、2013年、840円+税)
(3)『朝倉日英対照言語学シリーズ[発展編]1 社会言語学』(井上逸平編著、朝倉書店、2017年、3,200円+税)
(4)『新・方言学を学ぶ人のために』(徳川宗賢ほか編、世界思想社、1991年、1,893円+税)
成績評価の方法と基準Grading criteria
・毎回の事前準備課題 30%
・最終レポート 70%
いずれも、「分量」よりも「内容の質」を重視する。
課題および最終レポートに関しては、剽窃・無断引用が不可であるのはもちろん、テキストの内容のみや、講義内で講師が提示した内容のみを記したものも、不可となる。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
前年度も優秀な学生が多く、共に学ぶことができた。引き続き努力を怠らないようにしたい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
各自が使用するメールアドレスは原則として法政大学のアカウントとする。全員への連絡事項は基本的に学習支援システムを用いておこなう予定である。
その他の重要事項Others
質問・相談は、講義終了後、あるいは学習支援システム上にて随時受け付ける。
本講義の受講にあたっては英語の能力を前提としておらず、日本語の知識だけで十分である。ただし毎回の事前準備が必要であり、決して「楽な」講義ではない。知的好奇心の高い学生、なにかを真剣に知ろうとする学生が集まって知恵を寄せ合い、満足度の高い時間を共有することを目指したい。こうした考えに共感する学生の履修を、強く希望する。