文学部Faculty of Letters
LIT300BC(文学 / Literature 300)日本文芸批評史B日本文芸批評史B
川鍋 義一Yoshikazu KAWANABE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 文学部Faculty of Letters |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | A2555 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリーCategory | |
他学科公開科目 | |
クラスGroup | |
昼夜表記Day or Night |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
The aim of this course is to help students acquire Japanese modern literary criticism concerned in novels, poems, politics, and so on.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
春学期の「日本文芸批評史A」と同様、先人たちの批評というたたかいから、わたしたち自身の考えるヒントを得ていきましょう。
秋学期は昭和初年から1950年代までの批評を読みます。
したがって、秋学期は春学期の問題意識に加え、もう一つ、戦争(第二次世界大戦)というテーマが加わります。戦争に突き進む時代に、文学者たちはどのように振る舞ったか。戦争中、権力とどのような距離をとったか。戦後、どのように新しい文学・思想を始めたか。
それらの時代に、文学者は流れに抵抗しようとしながらも、流れに棹さし、流れに飲み込まれ、密かに文学の孤塁を守り、あるいはとりかえしのつかないことをしてしまいました。
昨今単純で直線的で勇ましく、痛みを伴わない言説が幅を利かしています。わたしたちはそういう時流といかに向き合うか。そのヒントを得たいと考えます。
秋学期の授業では、諸君は「政治と文学」という、近現代文学の難問をいろんな局面で自らの課題として考えることが要求されます。
到達目標Goal
上記「授業の概要」の内容を達成することは、近現代日本文学史、表現理論、政治、思想の基本的なことがらについて理解することです。これらの問題について、知識を身につけることを諸君の目標とします。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
オンライン(オンデマンド)の講義形式。授業は金曜4限に授業支援システム、Google Classroomなどで公開されます。パワーポイントのファイルなどを視聴し、Google フォームの課題に答える形式で授業は進行します。
文学史上に残る著名な批評を1本読み、まずは作品の読解をし、次に時代(文学史・社会史)背景との関連で作品を理解し、批評史の通史的な観点を持てるようにし、さらに作品から逸脱して、発展的な考察を加えます(近現代文学史になじみのない人も多いでしょうから、そのあたりの導入にも配慮します。心配しないでいいですよ)。これを4講(8作品)で繰り返します。
以上のような形式で進行しますから、まずはテキストの指定箇所を事前に読んできてもらいます。難しい文章も多いけど、読む気のない人は受講しないでください。それが受講の条件です。難解な箇所は解説します。テキストは必ず持参すること。
また、批評の研究ですから、話が理屈っぽくなるのは仕方ない。「理屈なんかカンケーねーよ」という人は受講しないでください。
秋学期は三派鼎立のうちプロレタリア文学の理論と、その批判者であった小林秀雄から始めて、吉本隆明までを読みます。
各回、Googleフォームで課題に答えてもらいます。締め切り後、受講生の回答をまとめて公開し、受講生同士で共有します(氏名などは伏せます)。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:「様々なる意匠」とプロレタリア文学 蔵原惟人「プロレタリヤレアリズムへの道」
マルクス主義とはどういうものか
第2回:「様々なる意匠」とプロレタリア文学 蔵原惟人「プロレタリヤレアリズムへの道」
文学史的背景および蔵原文読解
第3回:「様々なる意匠」とプロレタリア文学 小林秀雄「様々なる意匠」
印象批評とはなにか
第4回:「様々なる意匠」とプロレタリア文学 小林秀雄「様々なる意匠」
小林文読解
第5回:戦後文学の始まり:無頼派と戦後派 武田泰淳「司馬遷伝」
戦中文学史概観・転向について
第6回:戦後文学の始まり:無頼派と戦後派 武田泰淳「司馬遷伝」
戦中文学史概観・転向について
第7回:戦後文学の始まり:無頼派と戦後派 坂口安吾「堕落論」
無頼派の戦中・戦後
第8回:戦後文学の始まり:無頼派と戦後派 坂口安吾「堕落論」
その文学史・思想史上の意義
第9回:戦後左翼の分岐点 小田切秀雄「文学における戦争責任の追求」
『新日本文学』について
第10回:戦後左翼の分岐点 平野謙「政治と文学」
『近代文学』について
第11回:戦後左翼の分岐点 平野謙「政治と文学」
「政治と文学」論争
第12回:『近代文学』から吉本隆明へ 本多秋五「転向文学論」(抄)吉本隆明「転向論」
本多文読解
第13回:『近代文学』から吉本隆明へ 本多秋五「転向文学論」(抄)吉本隆明「転向論」
吉本文読解
第14回:秋学期総括
秋学期総括
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
テキストの指定箇所は授業前に必ず読んでおくこと。これは受講のための必須の条件であり、これを怠る人には単位を認定しません。本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
千葉俊二/坪内祐三編『日本近代文学評論選【昭和篇】』(岩波文庫)品切れのため、プリントなどでこれに代える。ほかに適宜プリント配布。
参考書References
特になし
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(Google フォームなどを利用した課題)50%、期末のレポート50%。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
※ 近現代日本文学を専門としない学生の受講も歓迎するため、専門用語には解説をつけることを心がけています。
※ 上にも書いてありますが、この授業はオンライン(オンデマンド)で実施します。授業はそれぞれの曜日時限に、学習支援システム、Google Classroomなどで公開されます。
※ メール(大学のアカウント)は、頻繁にチェックしてください。2020年度は、チェック漏れによる課題未提出などのトラブルが続出しました。そういうことがないようにしましょう。
※ コンピュータ、通信などの問題が生じたとき、教員の使っているそれらの用語を知らないときは、まずググりましょう。
その他の重要事項Others
春学期の明治~大正と、秋学期の昭和とで問題が完結するので、通年での受講を強く推奨します。