経済学研究科Graduate School of Economics
ECN515C1-2(経済学 / Economics 500)計量経済学BEconometrics B
濱秋 純哉Junya HAMAAKI
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 経済学研究科Graduate School of Economics |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2021 |
授業コードClass code | X3009 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 木7/Thu.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
This course explains microeconometric methods from both a theoretical and practical perspective. Microeconometrics is a statistical approach used to analyze individual- and household-level as well as firm-level (micro)data. Analyses using microdata often focus on limited dependent variables (that is, quantitative variables whose range of possible values is restricted) or on qualitative dependent variables (variables that take discrete values), for which the use of ordinary least squares (OLS) techniques is inappropriate. This course presents the appropriate estimation techniques for these different types of variables and explains how the estimation results are interpreted.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
この授業では,ミクロ計量経済学の手法を,理論と応用の両面から解説する。ミクロ計量経済学は,個人・世帯あるいは企業レベルのデータ(個票データ)を分析するために用いられる統計的手法である。個票データを用いる分析では,しばしば被説明変数の定義域に制約がある量的変数(制限従属変数)や離散的な値をとる変数(質的従属変数)が対象となるが,これらの変数に最小二乗法を適用するのは不適切である。この授業では,各変数の性質に応じた手法について,その推定方法や結果の解釈の方法を説明する。
到達目標Goal
この授業のテーマは,経済変数を用いた実証分析において問題となる説明変数の内生性への対処法の一つである操作変数法,及び質的従属変数や制限従属変数を扱う際に必要となるミクロ計量経済学の理論とその応用方法を学ぶことである。ミクロ計量経済学の学習を通じて,実証論文を正確に理解する力及び個票データを自力で分析する力を身に付けることを到達目標とする。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
Zoomを通じたリアルタイム配信型のオンライン授業で,数式による説明だけでなく具体例を交えながらミクロ計量経済学のトピックを解説する。また,授業内容の理解を深めること(及び,計算力の向上とデータ分析のやり方を身に付けること)を狙いとして,数回の宿題を課す。提出された宿題に対するフィードバックは「学習支援システム」を通じて行う。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
秋学期
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回:ガイダンス
ミクロ計量経済学とは何か
第2回:操作変数法(1)
説明変数の内生性
第3回:操作変数法(2)
操作変数の満たすべき性質
第4回:最尤法
最尤法の考え方と推定量の性質
第5回:二値選択モデル(1)
LPM/プロビット/ロジット
第6回:二値選択モデル(2)
限界効果とあてはまりの尺度
第7回:多項選択モデル(1)
多項ロジットの対数尤度関数
第8回:多項選択モデル(2)
多項ロジットの限界効果とIIA
第9回:順序選択モデル
順序選択モデルの対数尤度関数
第10回:区間回帰モデル
区間回帰モデルの対数尤度関数
第11回:トービットモデル(1)
トービットモデルの対数尤度関数
第12回:トービットモデル(2)
トービットモデルの限界効果
第13回:標本選択モデル
標本選択の原因,ヘックマンの二段階推定法
第14回:まとめと期末試験
まとめと期末試験
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
統計学・計量経済学の基礎的な知識(具体的には計量経済学A程度の内容)を有していることを前提とする。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とする。
テキスト(教科書)Textbooks
1. Stock, James H and Mark W. Watson. 2019. “Introduction to Econometrics (4th Edition),” Pearson Education.
2. Winkelmann, Rainer and Stefan Boes. 2009. “Analysis of Microdata,” Springer.
参考書References
1. 西山慶彦・新谷元嗣・川口大司・奥井亮,2019年,『計量経済学』,有斐閣。
2. Wooldridge, Jeffrey M. 2019. “Introductory Econometrics: A Modern Approach (7th Edition),” Cengage Learning.
3. Hensher, David A., John M. Rose and William H. Greene. 2015. “Applied Choice Analysis (2nd Edition),” Cambridge University Press.
4. Train, Kenneth E. 2009. “Discrete Choice Methods with Simulation (2nd Edition),” Cambridge University Press.
5. 鹿野繁樹,2015年,『新しい計量経済学 データで因果関係に迫る』,日本評論社。
6. 末石直也,2015年,『計量経済学 ミクロデータ分析へのいざない』,日本評論社。
7. 浅野皙・中村二朗,2009年,『計量経済学(第2版)』,有斐閣。
8. Cameron, A. Colin and Pravin K. Trivedi. 2005. “Microeconometrics: Methods and Applications,” Cambridge University Press.
成績評価の方法と基準Grading criteria
期末試験(50%)と4回の宿題(50%)によって評価する。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
データ分析を行う際に統計ソフトを使えば,自分で計算しなくても推定結果が得られる。しかし,推定結果が意味することを正確に解釈したり,自分の問題意識と整合的なデータ分析を行うための最適な方法を検討したりする際には,自分である程度の計算を行わなくてはいけない場面もある。このような力を付けるために授業内で計算を行う時間をとったり,宿題を課したりする。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
授業支援システムを通じて資料の配布や宿題のアップロードなどを行う。この際に,受講者に通知のメールが届くようにするので,授業支援システムに登録されているメールアドレスを通常使用しているものに更新しておくことを勧める。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
公共経済学・応用計量経済学
<研究テーマ>
家計行動のミクロ計量分析
<主要研究業績>
(1) Hamaaki, Junya, Masahiro Hori, and Keiko Murata 2019, “The Intra-family Division of Bequests and Bequest Motives: Empirical Evidence from a Survey on Japanese Households,” Journal of Population Economics, Vol. 32, No. 1, pp. 309–346.
(2) 上野綾子・濱秋純哉,2017年,「2009 年度介護報酬改定が介護従事者の賃金,労働時間,離職率に与えた影響」,『医療経済研究』,Vol.29,No.1,33-57頁。
(3) Hamaaki, Junya, Masahiro Hori, Keiko Murata, 2014, “Intergenerational transfers and asset inequality in Japan: Empirical evidence from new survey data,” Asian Economic Journal, Vol.28(1), pp.41-62.
(4) Hamaaki, Junya, Masahiro Hori, Saeko Maeda, Keiko Murata, 2013, “How does the first job matter for an individual’s career life in Japan,” Journal of the Japanese and International Economies, Vol.29, pp.154-169.
(5) Hamaaki, Junya, Masahiro Hori, Saeko Maeda, Keiko Murata, 2012, “Changes in the Japanese employment system in the two lost decades,” Industrial and Labor Relations Review, Vol. 65, No. 4, pp.810-846.