人文科学研究科Graduate School of Humanities
HIS600B4（史学 / History 600）西洋史学演習ⅢSeminar on Occidental History Ⅲ
皆川 卓
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 人文科学研究科Graduate School of Humanities |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | X0370 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 月6/Mon.6 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市院棟-302 |
| 配当年次Grade | 院人史・修士課程・専門科目 |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
| カテゴリーCategory |
史学専攻 （修士課程） |
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Outline (in English)
（Course outline）Taking into consideration the subject matter and language skills of the student, the student may subscribe to one of the two volumes of Joachim Whaley, Germany and the Holy Roman Empire (Oxford University Press, 2012) (which one to read is up to the student's research). (determined after planning hearings), and critically examine its contents with reference to other related literature.
（Learning Objectives）Through the rule of the early modern Holy Roman Empire, which constituted an order that was the opposite of a "sovereign state," we will learn about the tension between traditional identity and functional innovation in early modern European politics, and the structure of their symbiosis.
（Learning activities outside of classroom）In addition to preparing for the text (not a Japanese translation, but understanding the content in advance), we will also do preliminary research on historical issues that appear in the text.
（Grading Criteria /Policy）Students will be graded based on the degree to which they demonstrate originality based on previous research regarding the political structure of early modern Europe.
授業で使用する言語Default language used in class
その他言語 / Other
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
【授業概要】受講者の専門とするテーマおよび語学力を考慮しながら、Joachim Whaley, Germany and the Holy Roman Empire(Oxford University Press, 2012)2巻のうちいずれかを購読し（どちらを読むかは受講者の研究計画ヒアリングを経て決定）、他の関連文献も参考にしてその内容を批判的に検討します。
【授業の目的】「主権国家」の対極にある秩序を構成した近世神聖ローマ帝国の統治を通じて、近世ヨーロッパ政治における伝統的アイデンティティと機能的革新の緊張関係、およびその共生のメカニズムを学びます。
到達目標Goal
・近世ヨーロッパ史におけるアイデンティティと機能の相関関係について、基礎的知識を身につけることができる。
・近世西中欧の政治構造とその背景にある制度的条件について、自分なりの認識を持つことができる。
・近世西中欧の事例と比較して、近世・近代に関する自身の研究テーマについて、新たな角度からの見方や足りない部分について認識し、その研究テーマに活かすことができる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語を基本とし、必要に応じて英語もしくはドイツ語を併用する。
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
テキストを中心とした演習ですが、章立て順に逐語訳をするのではなく、テーマを中心に据えテキストからそれに関わる情報を発見し検討するスタイルを取ります。またその記述内容や取り扱いが受講者の研究テーマから見てどのように評価されるか、また受講者の研究テーマにフィードバックするとどのようなことが言えるかを発問し、授業後次の回までにリアクションペーパーとして共有します。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：「帝国改革」の成立／「ウェストファリアの和」に基づく国制
いずれかのテーマを通じて、神聖ローマ帝国国制の枠組みを学びます。
第2回[対面/face to face]：「宗教改革」の発生と拡大／「三十年戦争」の処理
いずれかのテーマを通じて、西中欧における宗派の影響力を理解します。
第3回[対面/face to face]：「宗教和議」の締結／帝国裁判所の機能の拡大
いずれかのテーマを通じて、神聖ローマ帝国における「平和」の概念を検討します。
第4回[対面/face to face]：「帝国執行令」の発布と発動令／「帝国イタリア」の変容
いずれかのテーマを通じて、神聖ローマ帝国の地域的多元性を学びます。
第5回[対面/face to face]：帝国裁判所の運営と発展／バロック宮廷文化とハビトゥス
いずれかのテーマを通じて、西中欧における支配の正統性の特徴を学びます。
第6回[対面/face to face]：対オスマン帝国政策／帝国秩序と国際関係
いずれかのテーマを通じて、西中欧における当該期の「外交」の多元性を検討します。
第7回[対面/face to face]：同宗派諸国間の調整と制度化／帝国軍制
いずれかのテーマを通じて、西中欧の群小国間におけるコンセンサスの形成を検討します。
第8回[対面/face to face]：「宗派化」の発展／大トルコ戦争と対ルイ14世戦争の影響
いずれかのテーマを通じて、権力政治とキリスト教的正統性の関係を学びます。
第9回[対面/face to face]：帝国政治における宗派対立／帝国公法学
いずれかのテーマを通じて、西中欧における宗教と法の秩序構成力を検討します。
第10回[対面/face to face]：「宗派化」の限界／領邦高権の至上権化
いずれかのテーマを通じて、近世ヨーロッパにおける「国家理性」の特性を学びます。
第11回[対面/face to face]：文学・視聴文化・メディアの役割／ハプスブルク家「断絶」の衝撃
いずれかのテーマを通じて、西中欧のハビトゥス形成における伝統の影響力を分析します。
第12回[対面/face to face]：「三十年戦争」の勃発／啓蒙改革と帝国
いずれかのテーマを通じて、メディアと黎明期の「世論」の影響力を検討します。
第13回[対面/face to face]：「ドイツの自由」－伝統的国制のアイデンティティ化／ドイツ・エスニシティの勃興
いずれかのテーマを通じて、統治者層ないし知識層のアイデンティティの発信について考えます。
第14回[対面/face to face]：「ウェストファリアの和」締結の目的／帝国解体の背景
いずれかのテーマを通じて、諸領邦の連合の背景にある精神的・社会的背景を検討します。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は、各2時間を標準とします。
テキスト（教科書）Textbooks
・Joachim Whaley, Germany and the Holy Roman Empire, Vol.1(Oxford University Press, 2012)
または
・Joachim Whaley, Germany and the Holy Roman Empire, Vol.2(Oxford University Press, 2012)
テキストは部分コピーにて用意します。自身のテーマに深く関わる方は購入しても構いません。為替レートによって上下しますが、kindle版で3000-4000円程度、ペーパーバックで6000-8000円程度です。
参考書References
・Peter H. Wilson, Heart of Europe: A History of the Holy Roman Empire(Harvard University Press, 2016)
・Peter H.Wilson, The Holy Roman Empire: A Thousand Years of Europe's History(Penguin, 2017)
その他ドイツ語文献等教場で指示します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
各回の課題の遂行と発表、平常点によります（100%）。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
本年度授業担当者変更によりフィードバックできません。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特にありません（kindle版を使う場合、開く端末）。
その他の重要事項Others
特にありません。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞西洋史
＜研究テーマ＞
近世神聖ローマ帝国史（西中欧・北イタリアの一部）
＜主要研究業績＞
『等族制国家から国家連合へ』（創文社 2005）
"Der Kapuziner Marco d’Aviano und die Reichs- politik des Kaisers Leopold I", Annali dell’ Istituto Storico Italo-Germanico 43(2016)他