国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
ARSa500G1－207（地域研究（ヨーロッパ） / Area studies(Europe) 500）多言語社会論ＢMultilingual Societies B
青の政治学Ⅱ ～現代ヨーロッパの基礎研究～
大中 一彌Kazuya ONAKA
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | X2027 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 水2/Wed.2 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市BT‐0906 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
[Course Outline]
This seminar is an introduction to the multiple facets of French culture, history, and society. Open to students with little or no previous instruction in French, this seminar will enable students to attain a basic understanding of Mainland France and its terroirs.
[Learning Objectives]
1) By taking this course, students, including those who have not necessarily studied modern Europe in a specialized way, will acquire the knowledge necessary to conduct independent research at the graduate level.
2) Textbook readings will provide students with a basic knowledge of French history and culture.
3) Students will watch video clips in class to help them relate historical knowledge from the textbook readings to contemporary political, social, and cultural topics in Europe.
[Learning activities outside of classroom]
(a) Read the textbook assigned each session.
(b) Post a link and a text for your topic in the classroom on the designated LMS (Learning Support System - Hoppii or Google Classroom) before each session.
(c) The study time required for preparation and review for this course will be the time required to do (a) and (b) above. Since this course is taken by students with different levels of proficiency in Japanese and other languages, a uniform length of time will not be indicated. However, according to the Standards for the Establishment of Universities, the preparation and review time for a two-credit lecture or seminar should be at least four hours per session.
[Grading Criteria/Policy]
1. Class participation 50%
2. Remarks and questions in class 50%
3. [For those who wish to do so] Presentation of a topic involving preparation outside of class (*)
4. Contribution to class management (*)
(*) Items 3. and 4. will be added as an extra 10% outside of the total of items 1. and 2. for each topic or contribution.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
・この科目「多言語社会論Ｂ」では、色彩と文化のつながりについて考えます。
・とりあげる事例は、主にヨーロッパ史のさまざまな局面で《青》という色彩がもつ意義です。
・本研究科の特色である、学際的なアプローチにもとづき、この事例に近づいていきます。
・なお、この科目「多言語社会論Ｂ」には、作品を鑑賞する時間帯も含まれています。
・2023年度には、「多言語社会論Ａ」の授業時間内に、都内の美術館を見学しました。
・ヨーロッパ地域の文化に詳しくない人も、研究のうえでの刺激やヒントを得られるよう心がけています。
・この授業を紹介する動画（約６秒）をご覧ください https://youtube.com/shorts/8jK2B1pRnI0
到達目標Goal
コースの終わりまでに、参加者の皆さんは次のことができるようになるでしょう：
1) 色彩の認識を、ただ自然の特徴を映し出す視覚の問題としてだけ考えるのではなく、「青」のように、色を分類して表現する言葉をもった文化や社会に由来する現象として考えることができる。
2) 文章や画像、映像など、人間が創り出す表現を検討する際に、単に表現を感覚的に捉えるだけでなく、そうした表現に影響をおよぼす物質的な条件について想像をめぐらせることができる。
3) ヨーロッパ地域における「青」のような、ひとつの文化要素についても、検討する時代や、社会階級が異なれば、ひとつの要素がもつ意味合いに、さまざまな違いやニュアンス、価値の逆転などが生じるという前提に立って、研究を発想することができる。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
（ア）この科目は基本的に「対面」です。ただし、参加者の皆さんの個別の事情や状況により、Zoomを使った参加を積極的に認めています。
（イ）毎回、教員から授業内容の説明があり、これに対し、学生から質問や意見を出す時間帯があります。
（ウ）【希望者のみ】ひとりひとりの参加者が今関心をもっていることについて、話題提供した場合、加点をいたします。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：はじめまして！
シラバスの説明や自己紹介、美術館見学に興味があるかどうか、など
第2回[対面/face to face]：サマルカンドの青
ドームを建築する文化を中央アジアとヨーロッパは共有しています。ウズベキスタン、なかでもサマルカンドは、寺院や廟にあざやかな青をもちいた装飾が多いことで世界的に有名です。
第3回[対面/face to face]：ヴェネツィア：商人貴族たちがまとう黒服とアラブ・イスラーム世界
14世紀まで、最高級の布は黒ではなく、赤、青、紫の染料で染められていた。しかし、高品質の黒染料が登場し、色彩に富む衣服は貴族のみに限る法律（奢侈禁止法）が施行されたことで、イタリアの裕福な銀行家たちは、重要性の証として黒い服を着るようになった。
第4回[対面/face to face]：「満ちたりし時」と豪華さの嫌悪
16世紀初頭、ローマにおける盛期ルネサンスと、北方ヨーロッパにおける宗教改革が相次いで発生します。色彩への見方に、これらの出来事はどうかかわるのでしょうか。
第5回[対面/face to face]：17世紀：カメラ・オブスクラとラピス・ラズリ
小説や映画でとりあげられて有名な画家フェルメール。しかし残された作品は謎めいており、さまざまな解釈をすることができます。
第6回[対面/face to face]：18世紀：プルシアン・ブルーと江戸時代の日本
葛飾北斎《富嶽三十六景》中の〈神奈川沖浪裏〉をとりあげます。太平洋の波に翻弄される船と、遠景にどっしりと安定した富士山。青が印象的な絵ですが、この青は「日本の浮世絵に独特の神秘的な青」なのでしょうか？
第7回[対面/face to face]：中間ふりかえり①
作品鑑賞
第8回[対面/face to face]：ドイツ・ロマン派の夢と青
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの風景画と後ろ姿の人物たち
第9回[対面/face to face]：共和派の青とヴァンデの旗
「ゴォヴァン、よく心得ておきたまえ。相手がたとえ女でも、マリ・アントワネットという名前のときは、女ともたたかわねばならんのだ。相手がたとえ老人でも、法王ピウス六世という名前のときは、老人に対して、またたとえ子供でも、ルゥイ・カペ〔＝フランス国王〕という名前のときには、子供に対して戦いをいどまねばならぬのだ」ヴィクトル・ユゴー『九十三年』
第10回[対面/face to face]：マネの青
画家エドゥアール・マネの作品は、発表当時は世論の批判を浴びたが、今日では西洋美術史の一時代を作った画家として知られています。マネに特徴的な青には、ジャポネズリとして知られる日本趣味が活かされています。
第11回[対面/face to face]：グローバル化する青①
ファスティアン／フュテーヌとデニム。綿（コットン）の大量生産と大量消費への批判
第12回[対面/face to face]：中間ふりかえり②
作品鑑賞
第13回[対面/face to face]：グローバル化する青②
両大戦間期：欧米における黒からマリン・ブルーへの移行（制服、背広、スポーツウェアなど）
第14回[対面/face to face]：まとめ：青は「まとまる」色？
EUの旗。シラバス第13回までの内容がこなせなかった場合には予備日
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
日本語やその他の言語の習熟度が異なる多様な学生が、このセミナーに参加します。そのため、一律の時間の長さは定めません。しかし、大学設置基準によれば、２単位の講義及び演習の準備・復習時間は１回につき４時間以上とされています。
テキスト（教科書）Textbooks
教科書を購入する必要はありません。
参考書References
下記【その他の重要事項】にあるリンク先をご覧ください。
成績評価の方法と基準Grading criteria
1. 授業への毎週の参加（平常点）50%
2. 授業中における発言や、掲示板等への書き込み 50%
3. 【希望者のみ】この授業に関連する作品の鑑賞や話題提供など（※）
（※）項目3.は、100%の枠外で5～20%程度の加点をします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
・ヨーロッパ地域のさまざまな文化をめぐる学びは、必要そうではあるけれど、わかりづらそうで敬遠したくなるという方もいるようです。
・この多言語社会論Ｂは、「青」という、多くの人が知る色を軸とした組み立てとすることにより参加のハードルを下げ、そうした方が、必要な学びにアクセスできる場となることを目指しています。
・致所有中国留学生：让我们用日语了解欧洲文化（谷歌翻译）
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
スマートフォンやタブレット、ノートパソコンのような情報端末が必要です。なお、市販されている映像作品の公衆送信は行いません。
その他の重要事項Others
・わからないことは、気兼ねなく、お問合せください。
・留学や進学、就職などの相談もOKです。
・問い合わせ先や、取り上げる予定の映像作品、参考書については、次のリンク先をご覧ください。https://bit.ly/3UKUAvL
担当教員の専門分野等
<専門領域> 政治学、政治思想
<研究テーマ> 言語や文化のはざまにいる人たちや、そうした人たちがどのように主体になっていくのかについて関心があります。
<主要研究業績> 法政大学学術研究データベースをご覧ください。 https://kenkyu-web.hosei.ac.jp/Profiles/20/0001982/profile.html