国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
CUA500G1－204（文化人類学・民俗学 / Cultural anthropology 500）マイノリティ社会論ＢPerspectives on Minority Communities B
北アメリカの先住民族・難民と中国の少数民族
張 勝蘭ZHANG Shenglan
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | X2024 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
| 曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市BT‐1007 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
（Course Outline）
This course deals with the basic concepts of nation-state and ethnic minority. It also deals with the relationship between culture and identity of ethnic groups, indigenous people, refugees in the United States, Canada, Mainland China and Taiwan.
（Learning Objectives)
At the end of the course, students are expected to (1)obtain basic knowledge about ethnic groups, indigenous people, refugees of North America and China, (2) enhance the concept of cross-cultural understanding and multicultural coexistence.
（Learning activities outside of classroom）
Before each class meeting, participants will be expected to have read the relevant chapter(s) from the text and prepared a resume . Your required study time is two hours for each class meeting. Your study time will be two hours.
（Grading Criteria/Policy）
Final grade will be calculated according to the following process: in-class contribution（70％）and term-end report（30％）．
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
北アメリカと中国の事例を通して、国民国家の構築と先住民族、少数民族、難民の問題について検討し、エスニック・マイノリティの文化とそのアイデンティティの変遷に関する理解を深めていく。
到達目標Goal
現代世界における先住民族・少数民族及び難民問題に関する知見を広げ、異文化理解・多文化共生について多角的な視点から考察する姿勢を養うことを目標とする。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
17世紀以降のヨーロッパにおいて国民国家が誕生し、世界中に広がっていくなか、絶対数や政治力・軍事力の上で支配的な民族が、自民族を中心とした国家を作り上げたケースが多くあった。マイノリティの位置にある少数民族、先住民族そして難民たちにとって、国家の中でマジョリティとどのような距離をとるべきか、差別や偏見にさらされながら、如何に自らの伝統文化とアイデンティティを維持するか、が深刻な問題である。本授業は、北米（アメリカ、カナダ）の先住民族、難民及び中国の少数民族を事例に、マイノリティの伝統文化とアイデンティティの維持・変遷及びその課題について考察する。課題へのフィードバックはHoppiiの掲示板で行う。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：イントロダクション
授業のアウトラインと進め方について説明する、受講者の自己紹介（研究テーマ、この授業を選んだ理由など）、教材の配布（分担を決める）
第2回[対面/face to face]：講義1
民族・エスニック集団・エスニシティについて講義する。
第3回[対面/face to face]：講義2
北アメリカの先住民族・難民（Hmong）と中国の少数民族の現状と課題について概観する。
第4回[対面/face to face]：政治・経済に関する講読と討論①
アメリカのモン難民を取り上げ、モン族出身の女性議員の誕生など関連文献を講読し、議論を行う。
第5回[対面/face to face]：政治・経済に関する講読と討論②
中国のオロチョン族の定住と社会変容に関する文献を講読し、議論を行う。
第6回[対面/face to face]：文化に関する講読と討論①
アメリカのプエブロ族の文化継承戦略に関する文献を講読し、議論を行う。
第7回[対面/face to face]：文化に関する講読と討論②
台湾のプユマ族の伝統文化とエスニック・アイデンティティに関する文献を講読し、議論を行う。
第8回[対面/face to face]：言語教育に関する講読と討論①
カナダの先住民デネーの教育に関する文献を講読し、議論を行う。
第9回[対面/face to face]：言語教育に関する講読と討論②
中国の少数民族（チベット族・モンゴル族・イ族）の三言語教育の現状に関する文献を講読し、議論を行う。
第10回[対面/face to face]：観光化と先住民に関する講読と討論①
観光開発と先住民について、世界の事例をいくつか読み、討論する。
第11回[対面/face to face]：観光化と先住民に関する講読と討論②
中国の西南地域におけるエスニック・ツーリズムに関する文献を講読し、議論を行う。
第12回[対面/face to face]：精神世界に関する講読と討論①
アメリカの先住民ナバホの伝統的な生活様式などを通して、その精神世界を読み解き、議論を行う。
第13回[対面/face to face]：精神世界に関する講読と討論②
中国の少数民族ミャオ族の祖先祭祀―鼓社節に関する文献を講読し、討論する。
第14回[対面/face to face]：まとめと議論
北アメリカの先住民族・難民と中国の少数民族における伝統文化とアイデンティティを比較し、全体を振り返り、議論を行う
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業ではテキストの講読と討論を行うが、受講者は分担部分を事前に読み込み、レジュメを作成する。具体的な文献リストなどは初回の授業で説明する。本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト（教科書）Textbooks
テーマごとにテキストを配布する
参考書References
新保敦子・阿古智子『勃興する「民」』（『超大国・中国のゆくえ』（５）（天児慧編『超大国・中国のゆくえ』（全5巻）東京大学出版会、2016年
吉川太恵子『ディアスポラの民モン―時空を超える絆』めこん、2013年
鈴木正崇『ミャオ族の歴史と文化の動態―中国南部山地民の想像力の変容』風響社、2012年
綾部恒雄編『世界の先住民族：ファースト・ピープルズの現在 10失われる文化・失われるアイデンティティ』明石書店、2007年
富田虎男、スチュアートヘンリ編『世界の先住民族：ファースト・ピープルズの現在 07北米』明石書店、2005年
末成道男、曽士才編『世界の先住民族：ファースト・ピープルズの現在 01東アジア』明石書店、2005年
綾部恒雄『現代世界とエスニシティ』弘文堂、1993年
綾部恒雄編『アメリカの民族 : ルツボからサラダボウルへ』弘文堂、1992年
成績評価の方法と基準Grading criteria
発表と討論への参加度：70％、期末レポート：30％。この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の 60%以上を達成した者を合格とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
発言しやすい雰囲気づくりに努めたい。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞地域研究（中国南部の少数民族地域）、文化人類学、歴史学
＜研究テーマ＞中国少数民族の歴史・社会・文化、アイデンティティの変遷、少数民族社会と漢族（華人）社会との関係、苗（ミャオ・Hmong）族研究
＜主要研究業績＞
「「改装」政令にみる苗族服飾の変遷と苗族アイデンティティ―清朝期及び民国期の貴州省を中心に―」『21世紀アジア学研究』第20号（国士舘大学21世紀アジア学会）2021年
「土司統治の変遷から見る高坡苗族の伝統文化－中曹長官司長官謝氏を中心に」工藤元男教授退休記念論集編集委員会編『中国古代の法・政・俗』汲古書院、2019年
「貴州高坡苗族「敲牛祭祖」について―高坡郷一帯を中心に」『WASEDA RILAS JOURNAL』NO.6、（早稲田大学総合人文科学研究センター）2018年、など。