国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications
CUA500G1－203（文化人類学・民俗学 / Cultural anthropology 500）マイノリティ社会論ＡPerspectives on Minority Communities A
日本とイギリスにおける中国系移民の教育とアイデンティティ
張 勝蘭ZHANG Shenglan
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化研究科Graduate School of Intercultural Communications |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | X2023 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 春学期授業/Spring |
| 曜日・時限Day/Period | 金4/Fri.4 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 市BT‐1007 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience |
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Outline (in English)
【Course Outline】
This course deals with education and ethnic identity of Chinese migrant in Japan and the United Kingdom.
【Learning Objectives】
At the end of the course, students are expected to （1）obtain basic knowledge about the relationship between education and ethnic identity of Chinese migrant in Japan and the United Kingdom, (2) enhance the basic concept of transculturalism.
【Learning activities outside of classroom】
Before each class meeting, participants will be expected to have read the relevant chapter(s) from the text and prepared a resume . Your required study time is two hours for each class meeting. Your study time will be two hours.
【Grading Criteria/Policy】
Final grade will be calculated according to the following process: in-class contribution（70％）and term-end report（30％）．
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
この授業では、日本とイギリスにおける中国系移民集団の変遷を辿りながら、トランスカルチュラリズム概念に基づく移民研究について考察し、ホスト社会での共生の可能性と課題を検討する。
到達目標Goal
中国系移民を事例に、マイノリティとしてそのコミュニティと文化の変遷、特に定着後のアイデンティティの形成と変容に関する知見を獲得し、多文化共生について深く考えることを目標とする。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
グローバル化した移民現象は、個人が主体となって国境を越えて移動するという特徴を持つ。移民たちはホスト社会でどのように定着し、社会全体にどのような影響をもたらしているのか。本授業では、四大移民の一つである中国系移民（華僑）について、日本とイギリスにおける移住プロセス、コミュニティの形成、ホスト社会との関係、アイデンティティの変容を取り上げる。特に第二世代以降の教育に焦点を当て、それによる言語やアイデンティティの継承と変容を考察する。具体的には選定したテキストを講読し、議論を行う形で授業を進めていく。課題へのフィードバックはHoppiiの掲示板で行う。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]：イントロダクション
授業のアウトラインと進め方について説明する、受講者の自己紹介（研究テーマ、この授業を選んだ理由など）、教材の配布（分担を決める）
第2回[対面/face to face]：講義1
移民研究、エスニシティ、トランスカルチュラリズムについて講義する。
第3回[対面/face to face]：講義２
日本への移住過程について説明してから関連映像を視聴し、討論を行う。
第4回[対面/face to face]：講読と討論1-1
中華学校における歴史的変遷に関する文献を講読し、多文化教育について議論を行う。
第5回[対面/face to face]：講読と討論1-2
日本の華僑社会と中華学校教育の変容に関する文献を講読し、議論を行う。
第6回[対面/face to face]：講読と討論1-3
中華民国系の東京中華学校と横浜中華学院に関する文献を講読し、議論を行う。
第7回[対面/face to face]：講読と討論1-4
中華人民共和国系の横浜山手中華学校、神戸中華同文学校に関する文献を講読し、議論を行う。
第8回[対面/face to face]：関連映像鑑賞と討論
神戸、横浜、東京の中華学校の関連映像を視聴し、日本の華僑学校について議論を行う。
第9回[対面/face to face]：講義3
前半を振り返り、文化境界とアイデンティティについて講義する。
第10回[対面/face to face]：講読と討論2-1
イギリスへの移住過程、学校教育の展開について文献を読み、討論する。
第11回[対面/face to face]：講読と討論2-2
コミュニティ、家庭、補習校などの側面から教育の現状を論じる文献を講読し、議論を行う。
第12回[対面/face to face]：講読と討論2-3
第二世代の立場から彼らのアイデンティティの形成を考察する文献を講読し、議論を行う。
第13回[対面/face to face]：講読と討論2-4
教育とアイデンティティの形成にフォーカスした文献を読み、討論する。
第14回[対面/face to face]：まとめと考察
日本とイギリスにおける中国系移民の文化とアイデンティティの変遷を比較し、全体を振り返る。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業ではテキストの講読と討論を行うが、受講者は分担部分を事前に読み込み、レジュメを作成する。具体的な文献リストなどは初回の授業で説明する。本授業の準備・復習時間は、各2時間を標準とする。
テキスト（教科書）Textbooks
テーマごとにテキストを配布する。
参考書References
白璐、柳本雄次「日本の中華学校における歴史的変遷からみた多文化教育の展開とその要因 : 横浜山手中華学校を中心に」『東京福祉大学・大学院紀要』10(1・2) p.121-131、2020年
陳 天璽「長崎から横浜へ・横浜中華街の変貌 : 広東系老華僑から福建系新華僑へ (特集 華僑華人 : グローバルとローカルのダイナミズム) 」『多文化社会研究』 4 p.193-216、 2018年
陳 天璽「虹のメタファー」から多文化共生を再考する : 移動する華人やチャイナタウンを事例として (特集 東アジアにおける人の移動と多文化共生) 」『21世紀東アジア社会学』 (7) p.50-61、2015年
石川朝子「日本の華僑社会と中華学校教育の変容 : 華僑教育から華文教育へ」『帝京大学宇都宮キャンパス研究年報. 人文編』 (21) p.23-50、2015年
Ｓ.カースルズ/Ｍ.Ｊ.ミラー（関根正美・関根薫監訳）『国際民の時代〔第４版〕』名古屋大学出版会、2011年（1993年）
張建国「東京中華学校の現状から日本の教育の明日を考える」 (特集 華人とは誰か : 教育とアイデンティティ) 日本華僑華人学会編『華僑華人研究』（(8)p.49-54、2011年
潘民生「横浜山手中華学校の過去、現在、未来」『華僑華人研究』（(8)p.55-61、2011年
李慈満「百年の華僑学校の見証」『華僑華人研究』（(8)p.62-70、2011年
陳來幸「神戸中華同文学校にみる多文化共生とアイデンティティ」『華僑華人研究』（(8)p.71-74、2011年
杉村美紀「変容する中華学校と国際化時代の人材育成」『華僑華人研究』（(8)p.75-77、2011年
山本須美子『文化境界とアイデンティティーロンドンの中国系第二世代』九州大学出版会、2002年
裘暁蘭『多文化社会と華僑・華人教育 - 多文化教育に向けての再構築と課題』青山ライフ出版、2012年
朱彗玲『華僑社会の変貌とその将来』日本僑報社、1999年
江淵一公編『トランスカルチュラリズムの研究』明石書店、1998年
また授業時に適宜紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
発表と討論への参加度：70％、期末レポート：30％。この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
発言しやすい雰囲気づくりに努めたい。
担当教員の専門分野等
＜専門領域＞地域研究（中国南部の少数民族地域）、文化人類学、歴史学
＜研究テーマ＞中国少数民族の歴史・社会・文化、アイデンティティの変遷、少数民族社会と漢族（華人）社会との関係、苗（ミャオ・Hmong）族研究
＜主要研究業績＞
「「改装」政令にみる苗族服飾の変遷と苗族アイデンティティ―清朝期及び民国期の貴州省を中心に―」『21世紀アジア学研究』第20号（国士舘大学21世紀アジア学会）2021年
「土司統治の変遷から見る高坡苗族の伝統文化－中曹長官司長官謝氏を中心に」工藤元男教授退休記念論集編集委員会編『中国古代の法・政・俗』汲古書院、2019年
「貴州高坡苗族「敲牛祭祖」について―高坡郷一帯を中心に」『WASEDA RILAS JOURNAL』NO.6、（早稲田大学総合人文科学研究センター）2018年、など。