公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance
SOC500P1-213(社会学 / Sociology 500)文化政策研究study on Cultural Policy
松本 茂章Shigeaki MATSUMOTO
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 公共政策研究科Graduate School of Public Policy and Social Governance |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | X9072 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期前半/Spring(1st half) |
曜日・時限Day/Period | 月 6/ Mon.6,月 7/ Mon.7 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
教室名称Classroom name | 市院棟‐801 |
配当年次Grade | |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
カテゴリーCategory |
公共政策学専攻 (修士課程)政策研究コース専門科目 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This course is designed for students who want to learn the actual situation and problems of community development with cultural activities in Japan. We are going to focus especially on municipal cultural policies, including tourism promotion, landscape conservation, and revitalization of central urban area. At the same time, however, it is possible to deepen your understanding of governmental cultural policies, with which municipalities have to build a mutually complementary relationship in order to realize these policies. Each of the cities or towns familiar to students is an important subject for our study. The main objective of this course is to extend the whole knowledge of cultural policies through concrete examples enough to discuss with each other and consider together the community development with arts and culture in the 21th century. Sometimes field research in Tokyo will be conducted.
Grading criteria
・Class attendance (50%)
・Attitude in class (20%)
・Term-end examination (30%)
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
自治体の文化政策についての理解を深め、論議することをテーマとする。狭義の自治体文化政策は文化施設の設置と運営、文化事業の実施等が中心になるだろうが、本授業では、広義の自治体文化政策に話を広げる。具体的には、観光、まちづくり、福祉、教育、産業振興など、文化芸術を通じた地域創生政策に言及する。
到達目標Goal
中央政府の文化政策を総括したうえで、近年に展開されてきた自治体文化行政、あるいは文化政策の現状を修得する。その後、全国各地で試みられている自治体文化政策の実例を学ぶ。さらに都内の文化施設等を踏査することで、現状の把握に努める。視察をもとに、受講生は自らの出身地、あるいは現在の居住地のありようについて調べ、討議し、21世紀の地域創生の将来像を考える。
観光、まちづくり、福祉、教育、産業振興など幅広い取り組みを紹介し、受講生の視野を広げたい。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻公共マネジメントコースにおいては「DP1」「DP3」に関連している。ディプロマポリシーのうち、公共政策学専攻政策研究コースにおいては「DP1」「DP2」「DP3」「DP4」に関連、特に「DP3」は特に強く関連している。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
教科書を読みながら進める。積極的に広義の文化政策を取り上げていく。文化芸術を活かした観光、まちづくり、社会包摂、福祉、教育、産業振興などである。地域にある文化資源を活かす試みを通じて、まちの空気が変わっていく……。このような全国の先駆的事例を紹介しつつ、都内を歩いて文化の現場を体験したいと想定している。
できるだけ、身近で具体的な事例を紹介することで、受講生とともに、21世紀の文化芸術を活かした地域創生のありようを考えていく。
しかし、政策は「生きもの」なので、適宜、新しいニュースが入れば、授業計画を変更して、新たなことに言及する可能性があることを了承願いたい。
まち歩き(フィールドワーク、視察)を行う予定にしているが、シラバス作成時で具体的な場所を明記できない。(これまでは杉並区・高円寺の文化施設などを訪ねてきた)市ヶ谷という都心に立地する法政大学の地理的利点を生かしたいと考えている。
受講生は自らの関心のある都市、たとえば出身地や居住地の取り組みについて調査を行い、適宜、発表することで、討議の材料を提供する。
原則、対面授業を行う。
(感染の広がり次第では、大学の方針に従い、オンライン授業になる可能性もある)
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:◆文化芸術基本法の制定
・2017年に制定された文化芸術基本法の意義や特色について説明する。
第2回[対面/face to face]:◆身近な地域の資源で交流を生み出す
・地元の食文化から生まれた小田原かまぼこ通り、回遊型まち歩きルートをつくろうとする奈良市写真美術館、など。
第3回[対面/face to face]:◆都内での現地踏査
・都内のまちを歩き、文化施設を訪ね、実態を把握する。
(シラバス作成時では未定)
(交通費、入場料は自己負担であることをあらかじめ了承する)
第4回[対面/face to face]:◆都内での現地踏査
・都内のまちを歩き、文化施設を訪ね、実態を把握する。
(シラバス作成時では未定)
(交通費、入場料は自己負担であることをあらかじめ了承する)
第5回[対面/face to face]:◆文化芸術と市街地活性化をつなげる
・音楽文化を育む姫路駅前芝生広場、ビルの公開空地を活用した横浜市の芸術創造の場づくり、など。
第6回[対面/face to face]:◆既に地域にあるものが創造人材を呼ぶ
・清流や湧き水を活かした福井県若狭町の移住促進策、空き家を活用した千葉県松戸市におけるーティスト滞在制作と芸術家移住、など。
第7回[対面/face to face]:◆都内での現地踏査
・都内のまちを歩き、文化施設を訪れ、実態を把握する。
(シラバス作成時は未定)
(交通費、入場料は自己負担であることを、あらかじめ了承する)
第8回[対面/face to face]:◆都内での現地踏査
・都内のまちを歩き、文化施設を訪れ、実態を把握する。
(シラバス作成時では未定)
(交通費、入場料は自己負担であることを、あらかじめ了承する)
第9回[対面/face to face]:◆まちの個性を市民の誇りに育てる
・都市の記憶をつなぎ、まちの個性を伝える鎌倉市の映画記念館、被災建物の保存で地域の記憶をつなぐ仙台市の震災遺構(元小学校校舎)、など。
第10回[対面/face to face]:◆文化と学びでまちの未来をつくる
・子どもたちと共に歩む演劇教育を進めてきた福岡県筑後市の公立文化施設、運営ボランティアが地域環境活動の担い手に育つ京エコロジーセンター、など。
第11回[対面/face to face]:◆都内での現地調査
・都内のまちを歩き、文化施設を訪れ、実態を把握する。
(シラバス作成時では未定)
(交通費、入場料は自己負担であることを、あらかじめ了承する)
第12回[対面/face to face]:◆都内での現地調査
・都内のまちを歩き、文化施設を訪れ、実態を把握する。
(シラバス作成時では未定)
(交通費、入場料は自己負担であることを、あらかじめ了承する)
第13回[対面/face to face]:◆文化芸術の分野から誰もが参画できる社会をつくる
・視覚障害者の映画鑑賞支援や交流事業に取り組む横浜市の映画館、俳優による視覚障害者への鑑賞サポート事業を展開する兵庫県立尼崎青少年創造劇場、など。
第14回[対面/face to face]:◆地域に開く新しい文化施設のかたち
・廃校になった小学校校舎を芸能文化拠点にした新宿区の芸能花伝舎、大阪府八尾市で展開される自治体ホールで「コモンズ」を創出する試み、など。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
松本茂章著『地域創生は文化の現場から始まる 社会の課題解決と文化をつなぐ現場から』(学芸出版社、2024年2月発行)
同書を教科書に用い、受講生と教員が一緒に読みながら授業を進める。
参考書References
・松本茂章著『日本の文化施設を歩く 官民協働のまちづくり』(水曜社、2015年)
・松本茂章編著『岐路に立つ指定管理者制度 変容するパートナーシップ』(水曜社、2019年)
・松本茂章編著『文化で地域をデザインする 社会の課題解決と文化をつなぐ現場から』(学芸出版社、2020年)
・松本茂章編著『はじまりのアートマネジメント』(水曜社、2021年)
・松本茂章編著『ヘリテージマネジメント 地域を変える文化遺産の活かし方』(学芸出版社、2022年)
など。
必要があれば、授業中に指示する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
単位取得には、授業の3分の2以上に参加することが前提となる。不足する場合、学期末レポートの提出資格を得られない。
配布するコメントペーパーへの記入状況 50%
授業中の発言など授業参加の姿勢 20%
期末レポート30%
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
公立文化施設等を訪ねるまち歩き(フィールドワーク)は、毎年好評なので継続したい。
法政大学公共政策研究科は都心にあり、地理的に恵まれている。この環境を生かして都内各地に足を運ぶ予定である。
(これまでは杉並区・高円寺の文化施設等を訪れてきた)
授業中に改めて指示を行う。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
特になし。
その他の重要事項Others
文化政策研究は、「市民社会ガバナンスコース」の専門科目に含まれているものの、自治体文化政策を主に取り上げるので、ぜひ「公共マネジメントコース」の院生にも受講していただきたい。
自治体職員、自治体文化財団職員、NPO職員、あるいはこれらを目指す院生にも参考になる、と考えている。
政策は日々動いているので、新たな取り組みが展開したり話題になったりした場合、ニュースとして直近の動きを取り上げる場合がある。
視察に関しても、ゲストの都合や天候などを考慮して変更される場合がある。このため、上記の授業計画の内容や順番は変更される可能性があることを事前に了承願いたい。
視察に関しては、交通費、入館料は自己負担であることを、あらかじめ了承して受講すること。
社会人受講生の場合、仕事に追われるため、日々の通学は大変だと思われるが、頑張って出席していただけければ……と願う。やる気のある院生の受講を期待する。
授業中に教員の連絡先を伝えることで、積極的にフィードバックや意思疎通を図る。
講義のなかで、おりをみて、修士論文作成に臨む姿勢や図書館の利用等についても助言できれば、と考えている。
担当教員の専門分野等
<専門領域>
政策科学、自治体文化政策、文化施設の管理と運営、アートマネジメント
<研究テーマ>
自治体文化政策の現状と課題、文化による地域デザイン、文化施設研究、指定管理者制度、ヘリテージマネジメント
(日本アートマネジメント学会や日本文化政策学会などに所属)
(全国紙記者・デスク・支局長を経て大学教員に転じた)
<主要研究業績>
◆単著
松本茂章『芸術創造拠点と自治体文化政策 京都芸術センターの試み』)(水曜社、2006年)
松本茂章『官民協働の文化政策 人材・資金・場』(水曜社、2011年)
松本茂章『日本の文化施設を歩く 官民協働のまちづくり』(水曜社、2015年)
松本茂章『地域創生は文化の現場から始まる』(学芸出版社、2024年)
◆単独編著
松本茂章編『岐路に立つ指定管理者制度』(水曜社、2019年)
松本茂章編『文化で地域をデザインする』(学芸出版社、2020年)
松本茂章編『はじまりのアートマネジメント』(水曜社、2021年)
松本茂章編『ヘリテージマネジメント』(学芸出版社、2022年)
◆共編著
中川幾郎、松本茂章編『指定管理者は今どうなっているのか』(水曜社、2007年)
など
◆共著
『入門 文化政策』(ミネルヴァ書房、2008年)
『地域の自律的蘇生と文化政策の役割』(学文社、2011年)
『都市自治体の文化芸術ガバナンスと公民連携』(公益財団法人日本都市センター、2018年)
など