国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
LIN200GA(言語学 / Linguistics 200)言葉と社会Language and Society
小川 敦OGAWA Atsushi
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | C1023 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 火1/Tue.1 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 市Y‐Y604 |
配当年次Grade | 1~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | |
人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | |
毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
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Outline (in English)
【授業の概要(Course outline)】
In this course, we will consider how language and society are related. Basic concepts will be explained, and then some of the language issues in societies where a number of languages are used due to historical circumstances and in societies with a large immigrant population will be focused on.
【到達目標(Learning Objectives)】
Students understand the role of language in social contexts. They will also understand that different people have different values about language and will be able to think in relative terms.
【授業時間外の学習(Learning activities outside of classroom)】
Before/after each class meeting, students will be expected to spend 2 hours to understand the course content.
【成績評価の方法と基準(Grading Criteria /Policy)】
Active participation 40%
Final report 60%
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
「言葉と社会」「多言語社会」「言語政策」をテーマに、言語と社会がどのように関わっているのか、社会において言語はどのような役割を果たしているのかなどについて考えていきます。
「言語と方言」「二言語併存」などの基本的な概念について解説した上で、歴史的な経緯でいくつもの言語が用いられる社会、移民が多く住む社会での言語問題について多く取り上げます。
到達目標Goal
・社会的なコンテクストで言語がどのような役割を担っているかを理解する。
・それぞれの社会において言語の持つ役割や重要性が異なっていることを理解する。
・言語に対する価値観は人によって異なることを理解し、相対化して考えるべきことを理解する。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講義形式ですが、できるだけ授業中にも学生同士で話し合うようにします。授業の最後にかならずリアクションペーパーを書いてもらいます。
授業の最初にリアクションペーパーに対してこちらからコメントをします。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1回[対面/face to face]:イントロダクション:言語と国家
言語についている名前と国家の名前が必ずしも一致しないことや、「○○人なら○○語を話す(べき)」といった言説が自明ではないことを理解し、これからの授業につなげていきます。
第2回[対面/face to face]:言語と変種(標準語と方言)
日常的に「標準語」「方言」と呼んでいるものの実態について扱い、さらに社会集団語などのさまざまな言語変種について扱います。
第3回[対面/face to face]:国家と言語、標準語と方言の関係
前回に引き続き、何が変種を「方言」「言語」たらしめるのかについて、社会や国家との関係から考えます。
第4回[対面/face to face]:方言のイメージ
地域変種(「方言」)に対して抱くイメージがどのように形成されてきたのかを考えます。また、「方言コスプレ」と呼ばれる現象について、「役割語」の視点も踏まえて見ていきます。
第5回[対面/face to face]:言語とジェンダー
これまでのテーマと関連付けて、言語をジェンダーの視点から考えます。
第6回[対面/face to face]:危機言語
アイヌ語や琉球諸語から、危機に瀕する言語について考えます。
第7回[対面/face to face]:少数言語・言語権
少数言語の定義を見た上で、言語に対する権利や法律上の位置づけなどについて考えます。
第8回[対面/face to face]:移民社会としての日本と言語
日本では移民背景を持つ人がますます増えています。日本社会の対等な一員とするための言語的な配慮や権利について考えます。「やさしい日本語」についても扱います。
第9回[対面/face to face]:言語景観と言語サービス
前回の授業を踏まえて、多民族化・多言語化する日本社会における「言語景観」について考えます。何気なく通り過ぎていた標示について、この授業を機に気をつけるようにしてください。
第10回[対面/face to face]:ケーススタディ:フランス・アルザスの言語教育とアイデンティティ
フランスの東、ドイツに接するアルザス地方の言語の歴史を見た上で、今日のフランス語とドイツ語の二言語教育、そしてアルザス人の言語アイデンティティについて考えます。
第11回[対面/face to face]:ケーススタディ:イタリア・南チロルの言語問題
イタリアの最北端に位置する南チロル地方(アルト・アディジェ)ではドイツ語系住民とイタリア語系住民が長年対立と和解を繰り返してきました。複数の言語集団の共存について、言語教育の点から考えます。
第12回[対面/face to face]:ケーススタディ:「方言」から「言語」を創り出した国家、ルクセンブルク
フランス語、ドイツ語、民衆の言語であるルクセンブルク語を公用語とする、多言語社会であるルクセンブルクを扱います。複数の言語を使えることを標榜しながら、アイデンティティの象徴として独自の言語を創り出してきた歴史を見ていきます。
第13回[対面/face to face]:ケーススタディ:「移民国家」としてのルクセンブルク
前回に続いてルクセンブルクを扱います。ルクセンブルクは人口の半数近くが外国籍であり、言語教育の面で課題に向き合っています。ルクセンブルクでの課題と日本社会への示唆について考えます。
第14回[対面/face to face]:本講義のまとめ
講義でこれまでに扱ってきたテーマについて、総括します。また、本講義で扱えなかった社会言語学のテーマについていくつかピックアップし、今後の学習につなげます。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
特定の書籍を購入する必要はありません。
こちらに紹介した文献や授業中に紹介した文献について、できるだけ図書館やインターネットで探して勉強してください。
配布資料はLMS等でダウンロードして参照できるようにします。
参考書References
平高・木村(編)『多言語主義社会に向けて』くろしお出版
真田信治(編)『社会言語学の展望』くろしお出版
田中・木村・宮里(編)『移民時代の言語教育—言語政策のフロンティア(1)』ココ出版
言語権研究会(編)『ことばへの権利』三元社
そのほか、授業中に紹介します。
成績評価の方法と基準Grading criteria
期末レポート60%、コメントペーパーを含めた授業への参加40%とします。この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とします。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
受講者が自ら発言しやすい授業運営とするように努めます。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
スマートフォンだけでなくPCやタブレット端末を準備すると受講しやすいです。
その他の重要事項Others
受講生の関心にあわせて、授業内容を柔軟に変更・修正することもありますので、ご承知おきください。
教員の専門の関係もあり、事例紹介ではヨーロッパ、とりわけドイツ語圏の話題が多くなりがちですが、受講生は必ずしも英語以外にドイツ語や他のヨーロッパ語を学んでいる必要はありません。言語と社会の関係に関心がある人、多言語社会や言語政策に関心がある人を歓迎します。