国際文化学部Faculty of Intercultural Communication
HUI200GA(人間情報学 / Human informatics 200)道具のデザイン学Experience and Artifacts Design
魅力的な体験をデザインする、という考え方
甲 洋介Yousuke KINOE
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 国際文化学部Faculty of Intercultural Communication |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | C0810 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | ヒューマンインターフェイス論 |
開講時期Term | 春学期授業/Spring |
曜日・時限Day/Period | 木2/Thu.2 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 市ヶ谷 / Ichigaya |
教室名称Classroom name | 市Y‐Y802 |
配当年次Grade | 2~4 |
単位数Credit(s) | 2 |
備考(履修条件等)Notes |
情報関連科目を履修済みであることが望ましい 旧:ヒューマンイタンーフェイス論の修得者は履修不可 |
他学部公開科目Open Program | ○ |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | ○ |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
SDGsCPSDGs CP | ○ |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | ○ |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
旧科目との重複履修Duplicate Subjects Taken Under Previous Class Title | × |
人数制限・選抜・抽選Capacity/Selection/Rondom | 初回の授業に出席すること |
毎年・隔年Frequency | 毎年開講 |
すべて開くShow all
すべて閉じるHide All
Outline (in English)
This class allows you to learn the "User Experience (UX) Design". By the end of the course, student understands the basic principles of the "UX Design" and should be able to understand how to apply some basic methods.
Before/after each class meeting, students will be expected to spend four hours to understand the course content.
Final grade will be decided based on (1) final report/exam (50%) and (2) short reports and the quality of the student’s in-class contribution (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
● デザイナーだけではない。利用者の視点がデザインに役立つ!
日常生活はたくさんの道具やサービスであふれている。日常生活で出会う道具にはコンタクトレンズのような小さなモノから建築物やアミューズメントパークのような大きなモノまである。それらの道具が魅力的で使いやすいと日常生活も豊かで楽しくなる。
利用者としてのあなたの体験に目を向けよう。お気に入りの道具を楽しむこともあれば、面倒な操作で不快になった体験もあるだろう。
● デザインすると、暮らしはもっと快適になる
暮らしの道具やサービスを使いやすく魅力的にデザインすることは、その道具の利用者の生活をもっと豊かで快適なものにすることに直結している。道具のデザインは重要である。そのデザインに、ユーザからの視点が非常に役立つことが分かってきた。
● ユーザの体験(エクスペリエンス)をデザインする、という考え方
ではどうデザインするか。本講義では、利用者にとって使いやすく、魅力的なものをデザインすることを目指す方法論「ユーザーエクスペリエンス・デザイン」の基本から、デザイン手順までを実践的に学べる。それは、デザインする際の主役である「ユーザ」について深く理解し、特性を分析する作業から始まる。
「モノづくり」、特に道具・家具・文具のデザインに興味のある皆さんの参画を期待する。
文化や特性が異なるために摩擦が生じるのは人種や民族間だけではない。ロボットを始め、人が造った人工物と人間も、材質や見かけだけでなく、知的能力、言語コミュニケーション能力、感覚、情動などさまざまな側面において異なっている。このため、人工物と人間の間でも様々な摩擦が生じる。このことを学ぶことは、これからの社会に重要な、人と人工物が共生する社会について考える際の基礎となる。
到達目標Goal
UXデザインの基礎が身につく
・使いやすく魅力的な道具やサービスをデザインするための方法論、「ユーザーエクスペリエンス・デザイン」の基本的な考え方を説明できるようになる。
・デザインの基本原則から、ユーザ特性の分析方法、デザイン手順まで、実践的に説明できるようになる。
・最終課題に取り組むことで、道具・商品・サービスのデザイン案を、利用者のエクスペリエンス(experience=体験)の観点からデザインし、企画を提案できるようになる。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
国際文化学部のディプロマポリシーのうち、「DP2」「DP3」「DP4」に関連。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
日常生活を豊かで暮らしやすくする「ユーザーエクスペリエンス・デザイン」を、基本から実践までを体系的に学ぶことができる。
●各回において受講生のコメントシートを踏まえながら前回のおさらいと解説をし、理解の深化を促す。受講生どうしの討議・意見交換の機会を適宜促すとともに解説を行う。改良アイディアがさらに得られるように工夫する。
●「ユーザーエクスペリエンス・デザイン」の手法を学び、実践する
特に後半では、具体的なデザイン方法論の基本から実践手順までを学ぶ。講義での説明に基づいて、各自が練習課題に取り組む。その成果を蓄積していくとレポートが仕上がるように工夫されている。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
あり / Yes
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1[対面/face to face]:『暮らし』をシナリオに書いてみよう
日常生活の道具に着目し、「暮らしのシナリオ」を描く
2[対面/face to face]:なぜ使いにくいモノが暮らしにあふれるのか
デザイナーだって、利用者に喜んでほしい
3[対面/face to face]:使いやすい道具は生活を快適にする
決め手は、ヒトと道具のコミュニケーションのデザインだ
4[対面/face to face]:ユーザの心理学
ユーザの認知過程: 道具の「使いにくさ」を科学的に解析する
5[対面/face to face]:ヒューマンエラー
ヒトは間違えやすく、思い込みが強く、新しい事をなかなか覚えない動物である
6[対面/face to face]:道具の使いやすさ
「使いやすさ」を定義する。ユーザビリティの国際規格
7[対面/face to face]:「ユーザーエクスペリエンス・デザイン」① User Experience (UX) Design
ユーザの特性を理解し、体験(experience)をデザインする、という考え方
8[対面/face to face]:「ユーザーエクスペリエンス・デザイン」②理論
UX Designの考え方の基礎と基本原則を学ぶ
9[対面/face to face]:「ユーザーエクスペリエンス・デザイン」③手順
デザインの流れと、具体的な手順
10[対面/face to face]:道具のデザイン実習①商品の企画
魅力ある商品の企画書を作るために
11[対面/face to face]:道具のデザイン実習②ユーザー分析
ユーザ・ニーズとシナリオに基づくデザイン
12[対面/face to face]:道具のデザイン実習③デザインプロセス
ユーザの快適な体験(experience)をデザインする
13[対面/face to face]:道具のデザイン実習④評価技法の例
道具の使いやすさの評価技法
14[対面/face to face]:デザイン案の発表会
受講生によるデザイン案の発表、ディスカッション
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業の復習を兼ねて、課題練習を少しづつ積み重ねる。本授業の準備学習・復習時間は各2時間を標準とします。
テキスト(教科書)Textbooks
・「誰のためのデザイン」(D.A.ノーマン、新曜社)2015
・「人間計測ハンドブック」(甲ほか、朝川書店)2013
他については適宜指示する。
参考書References
・「ユーザーインタビューをはじめよう」(ポーチガル著、ビー・エヌ・エヌ新社)2017
・「ユーザビリティエンジニアリング」(樽本徹也、オーム社)2014
・「UXデザインの教科書」(安藤昌也著、丸善出版)2016
・NPO人間中心設計推進機構: http://www.hcdnet.org/
成績評価の方法と基準Grading criteria
・レスポンスシート、授業・討議における積極性な貢献度合い(50%)
・発表とレポート(50%)
この成績評価の方法をもとに、本授業の到達目標の60%以上を達成した者を合格とする。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
受講生による互いのデザイン企画案の発表会が、大いに刺激になる、との感想が寄せられる。私もそれを楽しみにしている。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
資料配布、レスポンスシート・課題提出等に学習支援システム等を利用する。授業前後にアクセスし確認すること。
その他の重要事項Others
いわゆるコンピュータの授業ではないので、注意のこと。
履修条件
・国際文化学部生は「情報リテラシーⅠ・Ⅱ」を単位取得済みであること。
・他学部生(国際文化学部生以外)は初回の授業に出席し必ず先生に履修の許可について相談すること。
関連科目
・姉妹科目の「文化情報のデザインワークショップ」は、ユーザーエクスペリエンス・デザイン手法の実践ワークショップになっている。これと併行履修することで知識と実践の相乗効果が得られる。
・「こころの科学」「道具による感覚・体験のデザイン」「システム論」と組み合わせて受講すると、知識が関連し合って面白くなる仕組みになっている。
・本科目の主題は、「文化情報空間論」においてさらに発展される。
情報機器・視聴覚設備の活用
PC、プロジェクター等の視聴覚設備を活用する。