理工・生命科学部教養科目KLAC Course
BSP100LC(初年次教育、学部導入教育及びリテラシー教育 / Basic study practice 100)技術者倫理Ethics for Engineers
詫間 直樹Naoki TAKUMA
授業コードなどClass code etc
学部・研究科Faculty/Graduate school | 理工・生命科学部教養科目KLAC Course |
添付ファイル名Attached documents | |
年度Year | 2024 |
授業コードClass code | H3121 |
旧授業コードPrevious Class code | |
旧科目名Previous Class title | |
開講時期Term | 秋学期授業/Fall |
曜日・時限Day/Period | 火3/Tue.3 |
科目種別Class Type | |
キャンパスCampus | 小金井 |
教室名称Classroom name | 小東館-E201 |
配当年次Grade | 1 |
単位数Credit(s) | |
備考(履修条件等)Notes | |
他学部公開科目Open Program | |
他学部公開(履修条件等)Open Program (Notes) | |
グローバル・オープン科目Global Open Program | |
成績優秀者の他学部科目履修制度対象Interdepartmental class taking system for Academic Achievers | |
成績優秀者の他学部科目履修(履修条件等)Interdepartmental class taking system for Academic Achievers (Notes) | |
実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | |
SDGsCPSDGs CP | |
アーバンデザインCPUrban Design CP | |
ダイバーシティCPDiversity CP | |
未来教室CPLearning for the Future CP | |
カーボンニュートラルCPCarbon Neutral CP | |
千代田コンソ単位互換提供(他大学向け)Chiyoda Campus Consortium | |
カテゴリー<理工・生命科学部教養科目>Category | 人文・社会・自然科学系 |
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Outline (in English)
【Course Outline】
Many of the students who graduate from the faculties on this campus will face various ethical problems as an engineer or as a staff related to engineering. This course aims at nurturing students' capability to cope with such ethical problems, by providing typical examples in engineering ethics, together with useful concepts and ways of thinking for tackling them.
【Learning Objective (Goal)】
(1) Students learn what kind of ethical problems does technology have.
(2) Students become familiar with useful concepts and ways of thinking to cope with various ethical problems.
(3) Students become capable of applying the above-mentioned concepts and ways of thinking to concrete problems.
【Learning activities outside classroom hours】
Each class assumes that students have understood all the contents given so far in previous classes. Therefore, students must review the previous class contents by the next class.
The lecturer provide students with references used for the class material and literature for advanced learning. Students are expected to read such references and literature.
【Grading Criteria /Policy】
Class Performance (40%): Class Performance is evaluated drawing on the Reaction Papers submitted after each class.
Mid-term Report (20%): Students tries to find an example of "Universal Design" and an example of "Circumstance-managing Power" and reports them.
Term Exam (40%): Examination about the whole contents given in the course.
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的(何を学ぶか)Outline and objectives
本キャンパスの学生は将来、技術者として或るいは技術に関連する人材として、様々な倫理的問題に直面することが予想される。本授業は、さまざまな状況において発生する倫理的問題に取り組む能力を涵養するため、重要概念と事例に接し、理解を深めることを目的とする。
到達目標Goal
(1) 技術にまつわる倫理的問題にどのようなものがあるかを知る。
(2) 上記の倫理的諸問題に取り組むにあたって有用な概念や考え方を身につける。
(3) 上記の概念や考え方を用いて様々な事例を理解し論じる能力を身につける。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか(該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連)Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
ディプロマポリシーのうち、以下に関連している。理工学部:「DP2」と「DP4」、生命科学部「DP1」。
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)(学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. )
講師が準備したオリジナル・コンテンツをスライド等を用いて解説する。適宜、ビデオや動画を観てもらう。
また、毎回の授業後、印象に残ったトピックを一つ選んでそれに対するごく簡単な考察を行い、リアクションペーパーとして Hoppii の課題機能を使って提出してもらう。重要なコメントに対しては翌週に回答するなどして、双方向性を高める。
アクティブラーニング(グループディスカッション、ディベート等)の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
なし / No
フィールドワーク(学外での実習等)の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching:対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
第1週[対面/face to face]:ガイダンスおよびイントロダクション
授業の進め方、授業の目的・到達目標、成績評価方法などについて説明する。
また、イントロダクションとして、「科学」「技術」「道徳」「倫理」といった用語の定義とニュアンスの説明を行う。
第2週[対面/face to face]:伝統的倫理学と技術(者)倫理
倫理学の考え方に親しんでもらうため、アリストテレスの徳倫理や、カントの義務倫理、ベンサムやミルによる帰結主義・功利主義倫理などを簡単に紹介する。また、こうした伝統的な倫理学と技術(者)倫理がどう違いうのか、についても説明する。
第3週[対面/face to face]:スペースシャトル・チャレンジャー号事故とその教訓(1)
スペースシャトル・チャレンジャー号事故に関する社会学者 D. Vaughan による分析をベースとし、技術的・倫理的な教訓を学ぶ。
第4週[対面/face to face]:スペースシャトル・チャレンジャー号事故とその教訓(2)
引き続きチャレンジャー号の事故を事例に、「例外的状況」における権力関係の顕在化と、その対策としての専門職倫理規定および高信頼性組織について解説する。
第5週[対面/face to face]:ユニバーサル・デザイン ― 倫理を予めデザインに埋め込む ―
「ユニバーサル・デザイン」は、障害者・高齢者と健常者の区別なく等しく利用できるという倫理的・政治的意図を予めデザインに組み込むことを提案している。ユニバーサル・デザインの7原則と倫理性、ユニバーサル・デザインの事例、米国のユニバーサル・デザインと日本のバリアフリーデザインの違い、などについて学ぶ。
第6週[対面/face to face]:アーキテクチャーの権力
ユニバーサル・デザインと関連したトピックとして、「アーキテクチャの権力」について学ぶ。人工物のアーキテクチャに、人種差別などの政治的意図が埋め込まれていることがある。そのような事例を紹介しつつ、倫理的側面を考察する。
第7週[対面/face to face]:立証責任と事前警戒原則 ― 水俣病を例に ―
事故や災害が起こるかメカニズムがよく分かっていない場合、事故・災害が発生する可能性を単に指摘することと、証拠を十分に揃えて立証するのとでは、費やす労力が全然違う。不確実な状況下における立証責任について、水俣病を例に引きつつ解説する。
第8週[対面/face to face]:現場による「カイゼン」があだになった事故
ー ライオン(株)新規開発・界面活性剤の製造プラントの爆発 ー
技術者が良かれと思って行ったことが、逆にあだとなり、事故を招いてしまうという皮肉な事もある。そのような事例として、ライオン(株)の界面活性剤の製造プラントでおきた爆発事故を取り上げ、教訓を学ぶ。
第9週[対面/face to face]:内部告発の指針
ある調査では、過去5年間に不正を知ったことがあったかという問いに対して、約20%の人が「あった」と答えている。つまり、学生諸君が将来就職して不正に遭遇する確率は思いのほか高い。そんなときのために、不正を告発するための指針や関連する制度や法令を学ぶ。
第10週[対面/face to face]:情報倫理(1)情報技術と著作権
情報技術は、最も変化の早い技術であり、それに対応する倫理学がまだ構築できていないのが現状である。従って、個々の問題ごとに倫理を考えていくしかない。今回は著作権の問題を扱い、瞬時に大量の情報を複製・伝達する技術の発達に対して、倫理(学)がどう対処できるかを検討する。
第11週[対面/face to face]:情報倫理(2)「ウィキリークス」の教訓、表現の自由、情報公開
インターネットの発達は、表現の自由といった基本理念にも再検討を迫りつつある。ウィキリークスの事件を例にとり、情報化時代の倫理について考える。併せて、情報公開のあり方についても考察する。
第12週[対面/face to face]:医療と医学研究におけるインフォーム・ドコンセント
医療や医学実験においては、ながらく、医師や研究者に治療や実験の方針をすべて決めてもらう「パターナリズム」(父権主義)が支配的な考え方であったが、ナチスドイツによる人体実験への反省をきっかけとして、第二次世界大戦後、「インフォームド・コンセント」の制度化が進められてきた。その現状と歴史について解説する。
第13週[対面/face to face]:生命倫理の入門的トピック
iPS細胞や遺伝子診断などの出現によって、生命科学は人間観を変えてしまう程の影響力を持つに至った。従って、この分野における倫理の構築は必須であるが、知識や技術の発達が早く、体系化は困難である。そこで、いくつかのトピックを紹介する。
第14週[対面/face to face]:技術者倫理教育の由来
そもそもなぜ「技術者倫理」のような科目が大学で講義されるようになったのか、そのルーツについて解説する。
授業時間外の学習(準備学習・復習・宿題等)Work to be done outside of class (preparation, etc.)
授業の準備・復習等の授業時間外学習は、4時間が標準である。
すでに説明したことは理解している前提で講義を進めていくので、授業が一回終わるたびに、次の授業回までによく復習をしておくこと。
授業中に、さらに進んで学習するための参考文献やウェブサイトを紹介する。学生の皆さんには、授業で興味をもったことや疑問に思ったことについて、自分で調べることを強く推奨する。
テキスト(教科書)Textbooks
教科書は指定しない。
参考書References
参考書はとくに指定しないが、必要に応じて参考になる文献やウェブサイトを授業中に紹介する。
成績評価の方法と基準Grading criteria
平常点(40%):毎回の授業の終了後にhoppiiに提出してもらうリアクションペーパーをもとに評価する。
中間レポート(20%):身の周りにある、ユニバーサル・デザインとアーキテクチャの権力の事例を探し、レポートしてもらう。
期末試験(40%):今学期講義した内容全般について筆記試験を行う。
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
過去の事例を紹介した際に、学生のコメントの中には、事例発生当時はまだ知られてなかった知見を使って論じるものがあった(いわゆる「後知恵」)。今年度は、事例発生当時の知見に即して考察することの重要性を強調したい。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
配布資料は、PDF化して事前にHoppiiにアップロードするので、授業中にそれを参照するための機材(パソコン、スマートフォン、タブレット等)を持参されたい。