政策創造研究科Graduate School of Regional Policy Design
ECN510R1（経済学 / Economics 500）日本経済論Japanese Economy
梅溪 健児Kenji UMETANI
授業コードなどClass code etc
| 学部・研究科Faculty/Graduate school | 政策創造研究科Graduate School of Regional Policy Design |
| 添付ファイル名Attached documents | |
| 年度Year | 2024 |
| 授業コードClass code | XW007 |
| 旧授業コードPrevious Class code | |
| 旧科目名Previous Class title | |
| 開講時期Term | 秋学期前半/Fall(1st half) |
| 曜日・時限Day/Period | 金6/Fri.6,金7/Fri.7 |
| 科目種別Class Type | |
| キャンパスCampus | 市ヶ谷 |
| 教室名称Classroom name | 各学部・研究科等の時間割等で確認 |
| 配当年次Grade | |
| 単位数Credit(s) | 2 |
| 備考（履修条件等）Notes | |
| 実務経験のある教員による授業科目Class taught by instructors with practical experience | ○ |
| 選択・必修Optional/Compulsory | 選択必修 |
| カテゴリーCategory |
（修士課程）基本科目 選択必修 |
| 所属群１Affiliation group 1 | |
| 経済・社会・雇用創造群Economic/Social/Employment/ Creation Group | |
| 所属群２Affiliation group 2 | |
| 文化・都市・観光創造群Culture/City/Tourism/ Creation Group | |
| 所属群３Affiliation group 3 | |
| 地域産業・企業創造群Regional Industry and Business Creation Group |
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Outline (in English)
This course aims to build a historical perspective on important issues that have shaped the development of the Japanese economy by reviewing the contrasting economic mechanisms between the high-growth era around the 1960s to 1970s and the two lost decades after the bubble burst in the early 1990s. Some important issues to be tackled in this course are the shrinking of local regions, expanding income gaps among people, and the accelerating decline of baby births. The class is provided with stylized facts and economic explanations by economists, together with interesting thoughts from other scholars, including sociologists in order to widen and deepen the academic expertise of students who wish to contribute to policy discussions for growth out of the long stagnation. Students are expected to prepare for the class for two hours prior to the class and to follow up each class with two hours of review. Students are graded with in-class discussion (50%) and the term paper (50%).
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の概要と目的（何を学ぶか）Outline and objectives
本講義は過去半世紀の日本経済の成長と停滞について、①オーソドックスな経済学的整理、②過去の経済社会からのレガシー、③国民に共有されているくらしの通念などの視点から理解を深めることを目的とする。日本経済の最近のトピックとしては、地方の衰退、格差拡大、止まらぬ少子化などを取り上げる。人々の通念として大きく関係するのが、公共投資重視、日本型雇用の支持、家庭や社会における固定的役割分業意識などである。授業は経済学者の問題整理を出発点とし、社会学者を含め多様な専門家の論考で補足しながら、停滞からの脱出を図る政策討議に幅広い論点を提供する。
到達目標Goal
本講義の目標は次の３点である。第一に、過去半世紀にわたる日本経済の動向を経済成長の視点から理解し、今日的な経済社会の課題について熟慮した発言ができるようになること。第二に、マクロ経済の展開と人々の生活の営みは相互に影響し合っている点を確認し、データで論理的に示すことができること。第三に、同じ事象であっても経済学者と社会学者の分析には差異があることを具体的に理解できること。
この授業を履修することで学部等のディプロマポリシーに示されたどの能力を習得することができるか（該当授業科目と学位授与方針に明示された学習成果との関連）Which item of the diploma policy will be obtained by taking this class?
政策創造研究科修士課程のディプロマポリシーのうち、「DP1」「DP4」に関連
授業で使用する言語Default language used in class
日本語 / Japanese
授業の進め方と方法Method(s)（学期の途中で変更になる場合には、別途提示します。 /If the Method(s) is changed, we will announce the details of any changes. ）
授業は教材（パワポ）の他、必要に応じて関係資料（文献等）を講義１週間前にHoppiiに掲載する。授業の前半は講義形式で行い、後半は討議または輪読にあてる。経済学の予備知識は問わない。
アクティブラーニング（グループディスカッション、ディベート等）の実施Active learning in class (Group discussion, Debate.etc.)
あり / Yes
フィールドワーク（学外での実習等）の実施Fieldwork in class
なし / No
授業計画Schedule
授業形態/methods of teaching：対面/face to face
※各回の授業形態は予定です。教員の指示に従ってください。
1回（1・2）[対面/face to face]：総論：日本経済の高成長と失われた20年
1960年代から70年代の高度成長期とバブル崩壊後の失われた20年余りを概観する。前者は好循環、後者はデフレ均衡を視点として、成長と停滞が持続するメカニズムを学ぶ。
2回（3・4）[対面/face to face]：総論：高成長の持続により経済社会に形成された慣習と考え方
昭和の時代に実行または形成された地域開発、インフラ整備、雇用、家族、社会保障などの典型的な姿を学び、現在へのつながりを考察する。
3回（5・6）[対面/face to face]：総論：経済の長期停滞により経済社会にもたらされた困難
平成の時代に浮かび上がった地方の衰退と東京一極集中、非正規雇用の拡大と格差拡大、超高齢化と止まらぬ少子化を高度成長期との対比で学ぶ。
4回（7・8）[対面/face to face]：各論：経済成長と日本型雇用の関係
経済学の視点から終身雇用や年功賃金について長所短所を考察し、今後のあり方を学ぶ。
5回（9・10）[対面/face to face]：各論：経済成長と格差拡大の関係
格差拡大や階層固定化の現状について経済学や社会学の文献に基づきながら論点を学ぶ。
6回（11・12）[対面/face to face]：各論：経済成長と少子化の関係
少子化について経済学者と社会学者の主張を比較しながら学ぶ。働き方、教育などの通念が出生に与える影響を理解する。
7回（13・14）[対面/face to face]：レポート発表と意見交換
期末レポートを発表し、日本経済の課題について討議を行う。
授業時間外の学習（準備学習・復習・宿題等）Work to be done outside of class (preparation, etc.)
本授業の準備学習・復習時間は各 2 時間を標準とする。日頃から新聞、ニュース報道などを通じて日本経済の動きに注意し、エビデンスと政策のポイントを整理しておくことが望ましい。さらに、自身で経済社会データを検索し、図表化することを心がけてほしい。
テキスト（教科書）Textbooks
講義用の教材と討議用資料を配布する。教材でメインとなるのは、参考書に示した伊藤・星（2023）及び小峰・村田（2020）である。
参考書References
伊藤隆敏・星岳雄（2023）『日本経済論』東洋経済新報社（原著（2020英書）の和訳）
小熊英二（2019）『日本社会の仕組み』講談社現代新書
小峰隆夫・村田啓子（2020）『最新日本経済入門（第6版）』日本評論社
日本経済新聞社編（2014）『日本経済を変えた戦後67の転機』日経プレミアシリーズ
藤井彰夫（2023）『「正義」のバブルと日本経済』日経プレミアシリーズ
ブリントン、メアリー・Ｃ（2022）『縛られる日本人』中公新書
山田昌弘（2007）『少子社会日本』岩波新書
吉川洋（2016）『人口と日本経済』岩波新書
吉見俊哉（2019）『平成時代』岩波新書
成績評価の方法と基準Grading criteria
討議または輪読50％（10%×5）、レポート作成と発表 50％
（受講生数に応じて変更することがあり得る）
学生の意見等からの気づきChanges following student comments
（かつての授業からの気づき）経済社会のデータに接し、それを議論に活用する習慣を身につけ、各自の研究を深める踏み台となることを期待する。トピックは幅広くなるが、自身の研究テーマの歴史的視野を深めることに役立つと思われる。
学生が準備すべき機器他Equipment student needs to prepare
レポート作成・発表には、図表（パワポ・エクセル等で自身が作成したもの）を持参すること。
その他の重要事項Others
記載した授業計画は網羅的なので、講義の際には内容を絞ることを予定している。